嫁と娘を捨てる覚悟でデリ嬢に走った 2
次の日また俺はマリと会った。 その日はお客としてだ。
プライベートで会える様になっているけどマリの仕事中は会えない。
会うにはお客として金を払う。そうしてまでマリとの時間が欲しくなっていた。
ホテルのドアを開けるとマリは凄くびっくりしながら言った。
マリ「まさか俺君だと思わなかった!今日は仕事だって言ってたから」
そう、この頃俺は仕事をサボってマリと会っていた。
マリ「会えて嬉しい。でもプライベートで会えるんだよ」
俺「お金払ってでも会いたかったんだよ」
その日もマリとセックスをした デリではご法度だがマリは許した。
マリの提案で騎乗位をし、下から激しく突いた。
マリは凄く喘ぎ、いっちゃったと言った 多分本当にいってた。
だがその日も俺はセックスでは射精できなかった。
その前にお互いの性器に使ったローションでヌルヌルし過ぎていたのもあるが、家庭でのストレスやマリに対する性的なコンプレックスが影響したと思う。
俺はマリがデリヘルで働いていることを根本的にはなんとも思っていなかった。
それをしているのは2人の子供を養う為でそれ以外の理由は無いと考えていた。
実際マリもその為にやっている。ホントはやめたいけどと言っていた。
でも俺はマリの性的な熟練度には敵わないと思っていた。 引け目だった。
もっと落ち着けばそのエロさを堪能できるかも、とも思ったが、それには時間がかかるかもなとも思った。
結局また手コキで抜いてもらった。 なんか情けねーなー。
その日の夜も俺はマリと会うことが出来た。
これは結構偶然の事で、そのことがまた俺の中で運命みたいな物を感じさせる根拠の一つになった。
マリはその夜この間下見したジョギングのコースを走ってみると言っていた。
全長20km以上のコースだ。
俺はマリの走る姿を見てみたいと思った。
それで俺は普段はあまりやらないのだが、(普段は室内で自転車のトレーニングをする)外に自転車乗りに行ってくると嫁に言い夜のロードに出た。
マリの出発の時間は聞いていたので、この時間ならこの辺かな?とあたりを付け走った。
でも長いコースだしまさか会う事はないだろーなーと思っていたら、走るマリをあっさりと見つけた。
当然いつもと違うジャージ姿でキャップを被っていたがすぐに気づいた。
声を掛けるとマリは、えーなんでー?と驚いていたが、すぐに気を取り直して集中して走り出した。
それまで2時間近く走っていたのに呼吸も足取りも余裕の様子だった。
マリの走る姿はなんか鼻の奥がツーンとなる位美しかった。
体幹がすっと伸び膝が俺からすれば考えられない位上がっていた。
スピードも相当な物だった。
しかもそれを維持しながら普通に会話が出来ていた。
この時期俺は数ヶ月後のレースイベントに向けバイクのトレーニングを、かなり集中してやっていたが、マリの走る姿を見て、そのモチベーションがさらにアップした。
マリのマンションまで併走して走りその日は分かれた。
20分位だったが幸福だった。
その事のあとマリはメールで
マリメー「一緒に走れてちょーきもちよかった! 理想的って思った!」
と言ってくれた。
俺も同じ事を思っていた。
この頃には夫婦間の関係はより悪くなっていた。
嫁にマリとの事がばれてはいなかったが、俺は嫁に一切の関心を持てなくなり、態度にもそれが出ていたと思う。
子供に対しての愛情も減ってきていると感じた。
それよりマリを手に入れたいと強く思っていた。
ちょっとしたトラブルが起こった。
それまでバイバイを言うまで途切れなかったメールが、俺からの送信を最後に途切れた。 結構唐突に。
結果としてはマリが突然41度の熱を上げ寝込み、救急病院に行って点滴を打っていたのだが、俺は事件?事故?着信拒否?とテンパッた。
次に会ったのはプライベートでだった。
その日俺は会社を午後休んでいた。 もちろんずる休み。
前もって休みをマリに伝え、マリもお店のスケジュールを合わせ会ってくれた。
その日も郊外をドライブしながら話をしていたが、もっとゆっくり話そうとホテルへ行った。
またマリがお風呂入ろうと誘い、一緒にあったまった。
だがセックスはさせてくれなかった。
マリ「私ね彼と別れる。でもまだ
キチンとしてないから、するまでえっちはできない」
俺「うん。わかった。俺も嫁とキチンとする」
その日は本当にキスして裸で抱き合うだけでセックスはしなかった。
でもそれだけで充足感を感じることが出来た。
次の日はまた前と同じ様に、マリのジム帰りに合わせて俺が迎えに行く約束をしていた。
時間より早くついた旨をメールするとマリから返信が来た。
マリメー「今彼氏と別れ話中。今日はジム行けてない。ゴメン」
そうか 早速俺たちが一緒になる為の行動をしてくれたんだと思いながら、俺は会えなくて残念ではあるが家に帰る。
ちょうど家に付く頃にマリからのメールがまた入る。
マリメー「結局話しがつかなかった。あきらめないけど」
セフレ野郎と思っていた彼が別れを拒んでいるというのだ。
おまけにマリの事を真剣に考えているからと、婚姻届を持ってきやがったらしい。
電話でマリの話を聞きながら少し心がざわざわした。
その晩俺は珍しく滅多に見ない夢を見た。 マリの夢だ。
その事をマリに伝えるメールをそのまま書いて見る。
少しは眠気取れたかな
朝の夢の話させてね
場所はお家の台所です
マリちゃんがお料理を作っています
俺「なんか手伝うー?」
マリ「大丈夫ー。もうちょっと待ってねー」
出来上がったごはんを食べてます
俺「うまっ!!これ店出せるって」
マリありがとー?店開いちゃう?」
場面が変わって手を繋いで歩いています
子供たちが先に行ってる学校に向かっています
会話はしてなくてまた俺がマリちゃんをじーっと見てます
マリちゃんがまた恥ずかしいーって笑ってました
こんな夢だった
ここ何年間で一番幸福な夢
マリが料理好きだと言う事などの数少ない情報や、記憶と彼に対する不安や嫉妬心が、こんな短い映画みたいな夢を見させたのだと思う。
マリからの返信メール。 これもそのまま書く。
だいぶ復活↑↑
ちょ?リアルで実際ありそうな夢だね?
そんな夢を見てくれたのがうれしい?
きのうのよるあれから感じたのは私まだまだパートナーと
幸せになること考えてもいいんだっていうのと
そう思える出会いがある人生に感謝だっておもった
きちっと決断して決断したら全力で幸せになろうと思うの
亡くなった旦那に対しても別れた人に対しても
そうしなきゃいけないなって
決断はもうすこし待って
しっかりかんがえるから
返信メールは色んな受け取り方が出来るなと俺は思った。
「別れた人」はもしかしたら俺かもしれないのだ。
その日の晩俺は嫁に正式に離婚して欲しいと話した。 白紙の離婚届も渡した。
嫁はあなたと離婚することには全く異存はないし、寧ろしたいと言った。
だがやはり娘の事は片親にさせたくないと言った。
俺は娘の事は同じ意見だが俺とお前の個人の幸せだって考えるべきだろ、それに夫婦の不仲を見せ続ける事の方が娘にとって可哀想じゃないのか?
と言った。
実際この頃娘は両親の悪い関係を察している様で、おとーさんこっちすわってー、おかーさんとなかよししてー、とか言う様になっていた。
俺はその離婚話の最中、マリとの不倫関係の事を隠していた。
マリとのメールも端末には残さない様にしていた。
単純に慰謝料関係で不利になりたくなかったからだ。
今思うと凄く嫁に対してクズ野郎だったと思う。
結局娘の養育権や養育費、多くは無いが財産の分与、嫁の住まい等の事務的なことの話はスムーズには進まなかった。
その間俺は常に腹の中に嫌な物が入っている感覚だった。
でも俺はマリと一緒になることだけを願い乗り切ろうと思っていた。
次にマリと会ったのは俺の会社帰りの夜だった。
ちょうど見ごろを迎えた夜桜を見に行こうと2人で決めていた。
会う前に俺はマリに2個リクエストを出した。
1個はスーツの俺に馴染む服装をしてもらう事。
もう1個は夕飯の残りで良いからマリの作った料理を持ってきてもらう事。
マリはどちらも快諾してくれた。
待ち合わせ場所に来たマリは黒のジャケットの下に鮮やかなピンクが入り、少し胸の開いた服を着ていた。 黒のひらっとしたスカートも新鮮だった。
マリ「どう?俺君のスーツに馴染んでる?」
俺「うん。馴染んでるし凄く似合う。胸元がめっちゃエロい」
マリはまた照れていた。 そして俺が着ていたコートを似合うと褒めてくれた。
夜桜が咲く公園までは手を繋いで歩いた。
夢で見たのより遥かに幸福だった。
俺の会社はすぐそこだったので、誰かに見つかりやしないかと、ひやひやでもあったが。
日中降っていた雨があがった公園はまだ人もまばらだった。
ライトアップされた桜の花は圧倒的に綺麗だった。
隣に恋をしている人がいれば尚の事だ。
マリが作ってくれた料理を食べる。
生トマトとチーズにお手製のドレッシングをかけた物と、焼いたチキンのタルタルソース乗せだった。
この頃俺はメンタルストレスで食欲が極度に落ちていたが、マリが持ってきてくれた料理はどちらもとてもおいしかった。
そう俺が言うとマリは嬉しそうにしていた。
マリ「この後どうする?」
俺「カラオケはどう?マリちゃんの歌聞いてみたい」
マリ「うん良いよ。お酒も飲めるしね」
俺はいつかマリとカラオケに行く事になった時の為に、密かに練習していた曲があった。
マリが以前好きだと言っていた、アシッド・ブラック・チェリーの「イエス」だ。
何曲目かに俺は「イエス」を選び歌った。
キーが高く難しい曲だが何とかそれ程はずさずに歌えた。
マリ「俺君めっちゃ歌うまい!声がすごく好き!」
とマリは言ってくれた。 練習して良かった。
マリの選ぶ歌はマリの雰囲気に良くあっていた。
歌う姿を俺がじーっと見ていると、それに気づいたマリは俺と逆の方を向いて歌った。
そのしぐさが可愛かった。
その後俺たちはコンビニで少しお酒を買ってからホテルへ行った。
マリが少し寒そうにしていたのでコートを貸した。
自分のものを着る女の子ってなんであんなに可愛く見えるんだろう?
その夜もやはりセックスはしなかった。
お風呂に一緒に入りベッドで抱き合った。
ずいぶん長い時間話をしていたのだが覚えている話は一つだけだ。
それは現時点でマリは俺と一緒に生活することを望んでいて、数日後にまた彼と会ってそのことをきっちりと伝えると言う事だ。
それを聞けて俺は本当に安心した。
もしかしたら彼の方にマリの気持ちが行きかけているかもと疑っていたからだ。
事実マリは彼が婚姻届を持ってきた事をびっくりしたが、少しだけ嬉しかったとも言っていたから。
外が明るくなり始める頃にようやく部屋を出ることにした。
服を着る前に俺はふと気になってマリに聞いた。
俺「ねぇ、マリちゃん。今って濡れてるの?」
マリ「好きな人とこうしてるんだもん。濡れてるよ」
情けないがなんだか涙が出そうだった。
それからの数日間、マリからの良い報告を待っていた俺は明らかに憔悴していた。
事のあらましを話していた男友達にも、テンションがおかしい。いつもの冷静さを欠いていると指摘された。
マリが彼と話し合いを持つ日は一日息苦しさを感じていた。
良い返事がもらえるイメージは持っているのだが、そうじゃ無かった時の事を思うと死ぬ程吐き気がした。
気を紛らわすためにバイクのトレーニングをしたが気晴らしにはならなかった。
食欲不振で減っていた体重がより減っただけだった。
その日は25時まで連絡を待ったがマリからの報告は無かった。
次の朝9時過ぎに俺はマリの携帯に電話を入れた。
少しして電話は繋がったが、すぐに途切れた。 マリが切ったのだ。
もしかしてまだ彼と一緒なのか?との考えがよぎった。
10時半過ぎ、この時間にはマリは出勤の為にマンションに戻っているはず。
俺はそう思い一度も入った事の無いマリのマンションへ行った。
部屋番号は前に聞いていて分かっていた。
部屋の前に立ちインターホンを押す。 返答は無い。
二度目でインターホンからマリの声が聞えた。 良かった居た。
俺「俺だけど、ドアのところまで出てきてくれないか?」
少し待つとドアが開きマリが立っていた。
その表情からマリが出した答えは、俺の望む物では無いことがすぐに分かった。
マリ「ごめんね。別の日にしっかり話したいと思って電話切っちゃった。
まだどう話して良いかまとまってないし」
俺「まとまってなくて良いから今聞かせて。ちょっと外出れる?」
マリ「今日お店出るから、1時間くらいだけどいい?」
話は1時間では当然終わらず、結局6時間続いた。
マリ「最後に会った日明け方帰ったでしょ?
バイバイした後なんか考えちゃったの、
俺君は奥さんと愛し合って結婚したはずなのに今はもう愛してないって。
もしかしたら今私の事を愛しているって言ってくれてるけど、
それも変わるのかなって」
マリ「でも昨日彼に会うまでと会ってからも最初は彼とお別れする気でいたの
そう言う話をずっとしてた。 でもそのうち彼の真剣さが伝わってきて、
セフレかもとかって疑ってた自分の方が、
彼にひどいことしてるんじゃないかって」
マリ「ホントの事言うと、今でも一番好きなのは亡くなった旦那なの。
その旦那を失った後支えてくれてたのは彼なの」
俺はマリの言ったことに対し努めて冷静に自分の思いや考えを返した。
出会ってからの3週間で俺がどんなことを感じ、これからどうしたいのかを伝えるために言葉を選び話した。
付き合いは彼の方が長いのはどうする事も出来ない。
でもこれからの時間はマリと俺が歩んでいく為にあるんだからと俺は言った。
マリ「俺君はすごく理性的でどんな事でも分かりやすく説明してくれる。
多分自分一人で大抵の事は出来たり、解決できる人だと思うの」
マリ「でも彼は違う。私がいなきゃ、みたいに思っちゃうの。
すごく悪い言い方なんだけど、
俺君は私と別れてもどうにかなる人だと思う。
けど、彼は私と別れる事が出来ない人なの」
確かに俺は誰かに守ってもらわなくても、一人で好きな事をしながら暮らすタイプだと思う。
けど、マリに出会って同じ趣味や考え方を共有しながら対等な立場で、色んな事を楽しんで暮らして行きたいと思う様になっていた。
マリとならそれが出来ると思っていた。
マリにその事を話すと
マリ「彼に俺君がどんな人か話したし、どんな事やってるかも話した。
例えば自転車とか、
そしたら自分もやるって言ってくれた」
いやいやいや それって後だしジャンケンじゃん。
しかもその場の口先だけかも知れないし、という趣旨の事をもう少し柔らかく話した。
だがマリの心はもう固まっていて、俺のどんな言葉もそれをほぐす事は出来なかった。
俺は悔しいとか彼に対する嫉妬心とかよりも、ただただマリと一緒に歩む将来の道が閉ざされつつある事が残念だった。
子供たちを連れてあそこ行ってこんなことしようみたいなプランが実現できなくなる事が悲しかった。
マリは俺の離婚に至る経緯を聞きたがった。
嫁のこんな態度や言動が俺の気持ちを損ねたのだと具体的に話した。
マリが意外な事を口にした。
マリ「それって奥さん、ホントは俺君に甘えたいんだけど、
上手に甘えられなくて、そんな風になってるんじゃない?」
確かにそう言う風に考えるとそうかもしれないなと思えた。
だが今となっては俺は嫁と娘を捨てる覚悟をしてしまったし、マリも失いかけている。
横にまだマリは居たがひどい喪失感だった。
喪失感を抱えながら最終的に俺はマリのお別れの申し出をのんだ。
そうするしか無かった。 もっと感情的に別れを拒むのが正解なのか?
とも思ったが、それはしなかった。
マリと過ごした3週間はすごく楽しくて、久しぶりに恋の始まりの感覚を味わった。
この記憶はきっと何時までも残る物だと思う。 こんな女性、二度と会えない。
結末が残念だが自分一人でどうこうできる話ではない。
俺はマリを忘れるしかないんだなと思った。
その日家に着くほんの少し前にマリが言った事を思い出した。
「奥さんホントは俺君に甘えたいんだけど、
上手に甘えられなくてそんな風になってるんじゃない?」
俺は家に入るとすぐに嫁に言った。
俺「ホントは俺にもっと甘えたかった?」
嫁が堰を切ったように泣き出した。
嫁「うん。ホントは甘えたかった。
でも邪魔くさく思われたくなかったし素直になれなかった」
俺「今でも甘えたいと思ってる?」
嫁「そうさせてくれるなら嬉しい」
俺「俺も誰かに甘えられるの慣れてないけど、やってみようか?」
こんな感じで嫁との関係はお互いが素直になる事で修復に向かいそうだ。
マリが残してくれた言葉が俺ら夫婦をサルベージした格好だ。
数日が経つが、少しずつ夫婦の距離が縮まっている気がする。
娘も少し前までは少なかった満面の笑みが増えてきている。
完全にマリに抱いた恋愛感情が消えたとはとてもじゃないが言えない。
そして俺が今回とった行動は紛れもなく不倫で批難されるべきことだ。
今回これを書いて何がどう変わるではない。
でも書きたかった。 そして誰かに読んで欲しかった。
[体験告白][エッチ][デリヘル][フェラチオ][本番][プライベートセックス][不倫][離婚]
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Fc2Blog Ranking|禁断の体験
プライベートで会える様になっているけどマリの仕事中は会えない。
会うにはお客として金を払う。そうしてまでマリとの時間が欲しくなっていた。
ホテルのドアを開けるとマリは凄くびっくりしながら言った。
マリ「まさか俺君だと思わなかった!今日は仕事だって言ってたから」
そう、この頃俺は仕事をサボってマリと会っていた。
マリ「会えて嬉しい。でもプライベートで会えるんだよ」
俺「お金払ってでも会いたかったんだよ」
その日もマリとセックスをした デリではご法度だがマリは許した。
マリの提案で騎乗位をし、下から激しく突いた。
マリは凄く喘ぎ、いっちゃったと言った 多分本当にいってた。
だがその日も俺はセックスでは射精できなかった。
その前にお互いの性器に使ったローションでヌルヌルし過ぎていたのもあるが、家庭でのストレスやマリに対する性的なコンプレックスが影響したと思う。
俺はマリがデリヘルで働いていることを根本的にはなんとも思っていなかった。
それをしているのは2人の子供を養う為でそれ以外の理由は無いと考えていた。
実際マリもその為にやっている。ホントはやめたいけどと言っていた。
でも俺はマリの性的な熟練度には敵わないと思っていた。 引け目だった。
もっと落ち着けばそのエロさを堪能できるかも、とも思ったが、それには時間がかかるかもなとも思った。
結局また手コキで抜いてもらった。 なんか情けねーなー。
その日の夜も俺はマリと会うことが出来た。
これは結構偶然の事で、そのことがまた俺の中で運命みたいな物を感じさせる根拠の一つになった。
マリはその夜この間下見したジョギングのコースを走ってみると言っていた。
全長20km以上のコースだ。
俺はマリの走る姿を見てみたいと思った。
それで俺は普段はあまりやらないのだが、(普段は室内で自転車のトレーニングをする)外に自転車乗りに行ってくると嫁に言い夜のロードに出た。
マリの出発の時間は聞いていたので、この時間ならこの辺かな?とあたりを付け走った。
でも長いコースだしまさか会う事はないだろーなーと思っていたら、走るマリをあっさりと見つけた。
当然いつもと違うジャージ姿でキャップを被っていたがすぐに気づいた。
声を掛けるとマリは、えーなんでー?と驚いていたが、すぐに気を取り直して集中して走り出した。
それまで2時間近く走っていたのに呼吸も足取りも余裕の様子だった。
マリの走る姿はなんか鼻の奥がツーンとなる位美しかった。
体幹がすっと伸び膝が俺からすれば考えられない位上がっていた。
スピードも相当な物だった。
しかもそれを維持しながら普通に会話が出来ていた。
この時期俺は数ヶ月後のレースイベントに向けバイクのトレーニングを、かなり集中してやっていたが、マリの走る姿を見て、そのモチベーションがさらにアップした。
マリのマンションまで併走して走りその日は分かれた。
20分位だったが幸福だった。
その事のあとマリはメールで
マリメー「一緒に走れてちょーきもちよかった! 理想的って思った!」
と言ってくれた。
俺も同じ事を思っていた。
この頃には夫婦間の関係はより悪くなっていた。
嫁にマリとの事がばれてはいなかったが、俺は嫁に一切の関心を持てなくなり、態度にもそれが出ていたと思う。
子供に対しての愛情も減ってきていると感じた。
それよりマリを手に入れたいと強く思っていた。
ちょっとしたトラブルが起こった。
それまでバイバイを言うまで途切れなかったメールが、俺からの送信を最後に途切れた。 結構唐突に。
結果としてはマリが突然41度の熱を上げ寝込み、救急病院に行って点滴を打っていたのだが、俺は事件?事故?着信拒否?とテンパッた。
次に会ったのはプライベートでだった。
その日俺は会社を午後休んでいた。 もちろんずる休み。
前もって休みをマリに伝え、マリもお店のスケジュールを合わせ会ってくれた。
その日も郊外をドライブしながら話をしていたが、もっとゆっくり話そうとホテルへ行った。
またマリがお風呂入ろうと誘い、一緒にあったまった。
だがセックスはさせてくれなかった。
マリ「私ね彼と別れる。でもまだ
キチンとしてないから、するまでえっちはできない」
俺「うん。わかった。俺も嫁とキチンとする」
その日は本当にキスして裸で抱き合うだけでセックスはしなかった。
でもそれだけで充足感を感じることが出来た。
次の日はまた前と同じ様に、マリのジム帰りに合わせて俺が迎えに行く約束をしていた。
時間より早くついた旨をメールするとマリから返信が来た。
マリメー「今彼氏と別れ話中。今日はジム行けてない。ゴメン」
そうか 早速俺たちが一緒になる為の行動をしてくれたんだと思いながら、俺は会えなくて残念ではあるが家に帰る。
ちょうど家に付く頃にマリからのメールがまた入る。
マリメー「結局話しがつかなかった。あきらめないけど」
セフレ野郎と思っていた彼が別れを拒んでいるというのだ。
おまけにマリの事を真剣に考えているからと、婚姻届を持ってきやがったらしい。
電話でマリの話を聞きながら少し心がざわざわした。
その晩俺は珍しく滅多に見ない夢を見た。 マリの夢だ。
その事をマリに伝えるメールをそのまま書いて見る。
少しは眠気取れたかな
朝の夢の話させてね
場所はお家の台所です
マリちゃんがお料理を作っています
俺「なんか手伝うー?」
マリ「大丈夫ー。もうちょっと待ってねー」
出来上がったごはんを食べてます
俺「うまっ!!これ店出せるって」
マリありがとー?店開いちゃう?」
場面が変わって手を繋いで歩いています
子供たちが先に行ってる学校に向かっています
会話はしてなくてまた俺がマリちゃんをじーっと見てます
マリちゃんがまた恥ずかしいーって笑ってました
こんな夢だった
ここ何年間で一番幸福な夢
マリが料理好きだと言う事などの数少ない情報や、記憶と彼に対する不安や嫉妬心が、こんな短い映画みたいな夢を見させたのだと思う。
マリからの返信メール。 これもそのまま書く。
だいぶ復活↑↑
ちょ?リアルで実際ありそうな夢だね?
そんな夢を見てくれたのがうれしい?
きのうのよるあれから感じたのは私まだまだパートナーと
幸せになること考えてもいいんだっていうのと
そう思える出会いがある人生に感謝だっておもった
きちっと決断して決断したら全力で幸せになろうと思うの
亡くなった旦那に対しても別れた人に対しても
そうしなきゃいけないなって
決断はもうすこし待って
しっかりかんがえるから
返信メールは色んな受け取り方が出来るなと俺は思った。
「別れた人」はもしかしたら俺かもしれないのだ。
その日の晩俺は嫁に正式に離婚して欲しいと話した。 白紙の離婚届も渡した。
嫁はあなたと離婚することには全く異存はないし、寧ろしたいと言った。
だがやはり娘の事は片親にさせたくないと言った。
俺は娘の事は同じ意見だが俺とお前の個人の幸せだって考えるべきだろ、それに夫婦の不仲を見せ続ける事の方が娘にとって可哀想じゃないのか?
と言った。
実際この頃娘は両親の悪い関係を察している様で、おとーさんこっちすわってー、おかーさんとなかよししてー、とか言う様になっていた。
俺はその離婚話の最中、マリとの不倫関係の事を隠していた。
マリとのメールも端末には残さない様にしていた。
単純に慰謝料関係で不利になりたくなかったからだ。
今思うと凄く嫁に対してクズ野郎だったと思う。
結局娘の養育権や養育費、多くは無いが財産の分与、嫁の住まい等の事務的なことの話はスムーズには進まなかった。
その間俺は常に腹の中に嫌な物が入っている感覚だった。
でも俺はマリと一緒になることだけを願い乗り切ろうと思っていた。
次にマリと会ったのは俺の会社帰りの夜だった。
ちょうど見ごろを迎えた夜桜を見に行こうと2人で決めていた。
会う前に俺はマリに2個リクエストを出した。
1個はスーツの俺に馴染む服装をしてもらう事。
もう1個は夕飯の残りで良いからマリの作った料理を持ってきてもらう事。
マリはどちらも快諾してくれた。
待ち合わせ場所に来たマリは黒のジャケットの下に鮮やかなピンクが入り、少し胸の開いた服を着ていた。 黒のひらっとしたスカートも新鮮だった。
マリ「どう?俺君のスーツに馴染んでる?」
俺「うん。馴染んでるし凄く似合う。胸元がめっちゃエロい」
マリはまた照れていた。 そして俺が着ていたコートを似合うと褒めてくれた。
夜桜が咲く公園までは手を繋いで歩いた。
夢で見たのより遥かに幸福だった。
俺の会社はすぐそこだったので、誰かに見つかりやしないかと、ひやひやでもあったが。
日中降っていた雨があがった公園はまだ人もまばらだった。
ライトアップされた桜の花は圧倒的に綺麗だった。
隣に恋をしている人がいれば尚の事だ。
マリが作ってくれた料理を食べる。
生トマトとチーズにお手製のドレッシングをかけた物と、焼いたチキンのタルタルソース乗せだった。
この頃俺はメンタルストレスで食欲が極度に落ちていたが、マリが持ってきてくれた料理はどちらもとてもおいしかった。
そう俺が言うとマリは嬉しそうにしていた。
マリ「この後どうする?」
俺「カラオケはどう?マリちゃんの歌聞いてみたい」
マリ「うん良いよ。お酒も飲めるしね」
俺はいつかマリとカラオケに行く事になった時の為に、密かに練習していた曲があった。
マリが以前好きだと言っていた、アシッド・ブラック・チェリーの「イエス」だ。
何曲目かに俺は「イエス」を選び歌った。
キーが高く難しい曲だが何とかそれ程はずさずに歌えた。
マリ「俺君めっちゃ歌うまい!声がすごく好き!」
とマリは言ってくれた。 練習して良かった。
マリの選ぶ歌はマリの雰囲気に良くあっていた。
歌う姿を俺がじーっと見ていると、それに気づいたマリは俺と逆の方を向いて歌った。
そのしぐさが可愛かった。
その後俺たちはコンビニで少しお酒を買ってからホテルへ行った。
マリが少し寒そうにしていたのでコートを貸した。
自分のものを着る女の子ってなんであんなに可愛く見えるんだろう?
その夜もやはりセックスはしなかった。
お風呂に一緒に入りベッドで抱き合った。
ずいぶん長い時間話をしていたのだが覚えている話は一つだけだ。
それは現時点でマリは俺と一緒に生活することを望んでいて、数日後にまた彼と会ってそのことをきっちりと伝えると言う事だ。
それを聞けて俺は本当に安心した。
もしかしたら彼の方にマリの気持ちが行きかけているかもと疑っていたからだ。
事実マリは彼が婚姻届を持ってきた事をびっくりしたが、少しだけ嬉しかったとも言っていたから。
外が明るくなり始める頃にようやく部屋を出ることにした。
服を着る前に俺はふと気になってマリに聞いた。
俺「ねぇ、マリちゃん。今って濡れてるの?」
マリ「好きな人とこうしてるんだもん。濡れてるよ」
情けないがなんだか涙が出そうだった。
それからの数日間、マリからの良い報告を待っていた俺は明らかに憔悴していた。
事のあらましを話していた男友達にも、テンションがおかしい。いつもの冷静さを欠いていると指摘された。
マリが彼と話し合いを持つ日は一日息苦しさを感じていた。
良い返事がもらえるイメージは持っているのだが、そうじゃ無かった時の事を思うと死ぬ程吐き気がした。
気を紛らわすためにバイクのトレーニングをしたが気晴らしにはならなかった。
食欲不振で減っていた体重がより減っただけだった。
その日は25時まで連絡を待ったがマリからの報告は無かった。
次の朝9時過ぎに俺はマリの携帯に電話を入れた。
少しして電話は繋がったが、すぐに途切れた。 マリが切ったのだ。
もしかしてまだ彼と一緒なのか?との考えがよぎった。
10時半過ぎ、この時間にはマリは出勤の為にマンションに戻っているはず。
俺はそう思い一度も入った事の無いマリのマンションへ行った。
部屋番号は前に聞いていて分かっていた。
部屋の前に立ちインターホンを押す。 返答は無い。
二度目でインターホンからマリの声が聞えた。 良かった居た。
俺「俺だけど、ドアのところまで出てきてくれないか?」
少し待つとドアが開きマリが立っていた。
その表情からマリが出した答えは、俺の望む物では無いことがすぐに分かった。
マリ「ごめんね。別の日にしっかり話したいと思って電話切っちゃった。
まだどう話して良いかまとまってないし」
俺「まとまってなくて良いから今聞かせて。ちょっと外出れる?」
マリ「今日お店出るから、1時間くらいだけどいい?」
話は1時間では当然終わらず、結局6時間続いた。
マリ「最後に会った日明け方帰ったでしょ?
バイバイした後なんか考えちゃったの、
俺君は奥さんと愛し合って結婚したはずなのに今はもう愛してないって。
もしかしたら今私の事を愛しているって言ってくれてるけど、
それも変わるのかなって」
マリ「でも昨日彼に会うまでと会ってからも最初は彼とお別れする気でいたの
そう言う話をずっとしてた。 でもそのうち彼の真剣さが伝わってきて、
セフレかもとかって疑ってた自分の方が、
彼にひどいことしてるんじゃないかって」
マリ「ホントの事言うと、今でも一番好きなのは亡くなった旦那なの。
その旦那を失った後支えてくれてたのは彼なの」
俺はマリの言ったことに対し努めて冷静に自分の思いや考えを返した。
出会ってからの3週間で俺がどんなことを感じ、これからどうしたいのかを伝えるために言葉を選び話した。
付き合いは彼の方が長いのはどうする事も出来ない。
でもこれからの時間はマリと俺が歩んでいく為にあるんだからと俺は言った。
マリ「俺君はすごく理性的でどんな事でも分かりやすく説明してくれる。
多分自分一人で大抵の事は出来たり、解決できる人だと思うの」
マリ「でも彼は違う。私がいなきゃ、みたいに思っちゃうの。
すごく悪い言い方なんだけど、
俺君は私と別れてもどうにかなる人だと思う。
けど、彼は私と別れる事が出来ない人なの」
確かに俺は誰かに守ってもらわなくても、一人で好きな事をしながら暮らすタイプだと思う。
けど、マリに出会って同じ趣味や考え方を共有しながら対等な立場で、色んな事を楽しんで暮らして行きたいと思う様になっていた。
マリとならそれが出来ると思っていた。
マリにその事を話すと
マリ「彼に俺君がどんな人か話したし、どんな事やってるかも話した。
例えば自転車とか、
そしたら自分もやるって言ってくれた」
いやいやいや それって後だしジャンケンじゃん。
しかもその場の口先だけかも知れないし、という趣旨の事をもう少し柔らかく話した。
だがマリの心はもう固まっていて、俺のどんな言葉もそれをほぐす事は出来なかった。
俺は悔しいとか彼に対する嫉妬心とかよりも、ただただマリと一緒に歩む将来の道が閉ざされつつある事が残念だった。
子供たちを連れてあそこ行ってこんなことしようみたいなプランが実現できなくなる事が悲しかった。
マリは俺の離婚に至る経緯を聞きたがった。
嫁のこんな態度や言動が俺の気持ちを損ねたのだと具体的に話した。
マリが意外な事を口にした。
マリ「それって奥さん、ホントは俺君に甘えたいんだけど、
上手に甘えられなくて、そんな風になってるんじゃない?」
確かにそう言う風に考えるとそうかもしれないなと思えた。
だが今となっては俺は嫁と娘を捨てる覚悟をしてしまったし、マリも失いかけている。
横にまだマリは居たがひどい喪失感だった。
喪失感を抱えながら最終的に俺はマリのお別れの申し出をのんだ。
そうするしか無かった。 もっと感情的に別れを拒むのが正解なのか?
とも思ったが、それはしなかった。
マリと過ごした3週間はすごく楽しくて、久しぶりに恋の始まりの感覚を味わった。
この記憶はきっと何時までも残る物だと思う。 こんな女性、二度と会えない。
結末が残念だが自分一人でどうこうできる話ではない。
俺はマリを忘れるしかないんだなと思った。
その日家に着くほんの少し前にマリが言った事を思い出した。
「奥さんホントは俺君に甘えたいんだけど、
上手に甘えられなくてそんな風になってるんじゃない?」
俺は家に入るとすぐに嫁に言った。
俺「ホントは俺にもっと甘えたかった?」
嫁が堰を切ったように泣き出した。
嫁「うん。ホントは甘えたかった。
でも邪魔くさく思われたくなかったし素直になれなかった」
俺「今でも甘えたいと思ってる?」
嫁「そうさせてくれるなら嬉しい」
俺「俺も誰かに甘えられるの慣れてないけど、やってみようか?」
こんな感じで嫁との関係はお互いが素直になる事で修復に向かいそうだ。
マリが残してくれた言葉が俺ら夫婦をサルベージした格好だ。
数日が経つが、少しずつ夫婦の距離が縮まっている気がする。
娘も少し前までは少なかった満面の笑みが増えてきている。
完全にマリに抱いた恋愛感情が消えたとはとてもじゃないが言えない。
そして俺が今回とった行動は紛れもなく不倫で批難されるべきことだ。
今回これを書いて何がどう変わるではない。
でも書きたかった。 そして誰かに読んで欲しかった。
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