妻の浮気を想像しただけで… 4
隣町まで車を走らせます。
(何で俺が、理恵の浮気相手の為に買い物しなきゃいけないんだ・・)
そう思う悔しさで胸がいっぱいでした。
それと同時に、早くお使いを済ませて家に戻らなければという気持ちで焦っていました。
いま、家には理恵と孝史の二人きりなのです。
あの雰囲気だと、この後家の中で何をされるか分かりません。
せめて自宅だけは、僕と理恵だけのくつろげる場所にしたい・・・。
他人と卑猥なことなんてさせたくない・・・そう強く思っていました。
たこ焼き屋に着きました。
人気のあるたこ焼き屋ということで、店の前には行列が出来ています。
僕はますます焦ります。
僕がこうして行列待ちをしている間にも、二人は・・僕の家で・・・。
いてもたってもいられません。
こういう時に限って、待ち時間が異様に長く感じられるのです。
太陽がぎらぎらと照りつけます。
全身から汗が滲みます。
二人が家で甘い時間を過ごしているのに、何故夫である僕が・・・。
待っている間じゅう、悔しさだけがこみ上げてきます。
やっと、順番が来ました。
たこ焼きを二パック包んでもらい、車を飛ばして家に戻りました。
しかし、家を出てから既に30分近く経過していました。
急いで玄関のドアを開け、リビングに戻ります。
「ただい・・!」
理恵と孝史は服を着ていましたが、まるでスポーツをした直後のように荒い息をしながら抱き合っていました。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・ほら、言ったとおりだったろ?」
「はぁ、はぁ・・・本当、30分ぴったりだったね!」
二人は荒い息をしながら笑っています。
床の上には、理恵のパンツが脱ぎ捨てられていました。
孝史に抱きついている理恵のミニスカートの下は、何も履いていないのです。
「何・・・やってたんだ・・・」
僕は唖然としながら、二人に問いかけます。
二人はまだ肩で息をしています。
「別に?」
理恵はそう答えましたが、何事も無かった筈がないことは、二人の様子を見れば一目瞭然でした。
そうです。二人はセックスをしていたのです。
僕の家の、ソファの上で・・・。
僕にわざと、遠い所まで買い物に行かせて・・・。
「孝史ぃ、愛してる」
理恵が孝史の首に抱きつき、キスをします。
僕が30分かけて買って来たたこ焼きなど、二人は見向きもしません。
もともと、たこ焼きなどどうでもよかったのです。
僕がたこ焼きを買って戻ってくるまでの間にセックスを済ませようとして、
スリルと快感を楽しんでいたのです。
僕は完全に弄ばれていたのです。
妻と、その浮気相手に・・・。
ふとゴミ箱の中を見ると、白濁した汁がたっぷりと詰まったコンドームが捨てられていました。
もちろん、僕には覚えが無いものです。
僕が帰宅する直前に、理恵とのセックスを終えた孝史が投げ捨てたものでしょう。
その生々しい使用済みのコンドームは、ついさっきまで、ここで性行為が営まれていたことを物語っていました。
夫の僕にはオナニーさえ許していないのに、浮気相手の精子は、誰にも遠慮することなくたっぷりと放出されたのです。
僕がコンドームを見つけたことに気付いた二人は、ますます満足そうにディープキスを再開します。
そんな理恵と孝史の横で、僕はただ一人愕然としていました。
その日以降、理恵はますます浮気相手の孝史と頻繁に逢うようになっていました。
「カレのとこ行ってくるね」
夫の僕に対して平気でそのような言葉を残し、家を出ていく妻を、僕はいつも黙って見送ります。
先日、目の前で二人の親密ぶりを見せつけられた僕には、もう二人を止めることなど出来ません。
しかし悔しいという気持ち以上に、実の妻と浮気相手が自由に身体を求め合っているという現実に興奮していたのです。
そんな気持ちはなかなか表に出せないものでした。
世の中の常識から大きく逸脱している変態的で自虐的な気持ちを表面に出すことには、常識人として人生を過ごして来た僕には尚も抵抗があったのです。
そんな抵抗感も、連日のように逢っている二人の親密ぶりを見せつけられているうちに、次第に薄れて来ているのが分かりました。
(二人は堂々と浮気をしている。僕もマゾとしての気持ちを隠す必要は無いんだ・・・)
そう思えるようになっていました。
そして、ある日・・・。
理恵はいつものように、孝史とデートをする為に身支度を整えていました。
「あのさ・・」
理恵に声をかけます。
「何?」
化粧台に向かったまま、理恵が返事をします。
「彼氏のとこ行くんだろ?送っていこうかと・・思って・・・」
理恵が化粧の手を止め、僕のほうを見ます。
「ふーん」
理恵はにやりと笑っています。
「奥さんが浮気している人の家まで送りたいの?」
「う、うん・・」
「じゃあ送らせてあげる。もう終わるからエンジンかけといて」
浮気相手の為に選んだ高い服を着て、浮気相手の為に美しく化粧を施した理恵が助手席に座っています。
いま僕は自分の意志で、そんな妻を浮気相手の家まで送っているところです。
助手席の理恵は携帯電話で浮気相手と話していました。
夫である僕が理恵を浮気相手のところまで送っているということと、それを僕のほうから言い出したということを楽しそうに話しています。
「こんなこと自分から言い出して興奮してるんだから。
かなりMはいってるでしょ?」
そんな会話を真横で聞かされながら、僕は運転を続けたのです。
孝史の住んでいるマンションが見えて来ました。
孝史がマンションの外まで迎えに出ています。
「ちょっと待ってて」
マンションの前に車を停めると、僕はすぐに外に出ました。
そして、孝史に深々と頭を下げた後、助手席のドアを開けました。
理恵は車から降りるや否や、孝史に抱きつきました。
「おまえのダンナ、急にマゾの自覚出てきたんじゃない?」
「でしょー?なんか情けなくて面白いのー」
二人のそんな会話を背中に聞きながら、僕は運転席に戻ります。
「明日の正午に迎えに来てね」
理恵が僕に言います。
「あ、はい・・」
思わず敬語を使っていました。
「はいだってさ。マジでマゾ夫だな!」
僕が運転席に乗り込み、車を発進させるまでずっと、孝史は愉快そうに笑い続けていました。
その夜、僕はいつものように家で一人きりのまま、二人のことを想像しながら悶々と過ごしていました。
最後にオナニーの許可が降りたのは、もう三週間ほど前のことです。
僕が数週間に一度、自慰でしか性欲解消出来ないのに、理恵はその間に何十回、性交で性欲解消してきたんだろう・・・。
以前は性欲解消の質と回数は全く同じであった僕と理恵が、今では大きく差を開けられている・・・。そのことに激しく興奮します。
プルルル・・・プルルル・・・。家の電話が鳴りました。
「はい」
「あっあぁぁあ?ん!あんっ!あんっ!あぁぁぁ・・・」
突然、電話の向こうから激しい喘ぎ声が聞こえて来ました。
忘れるはずもない、数ヶ月ぶりに聞いた妻の喘ぎ声でした。
「・・!?・・り、理恵・・・?」
「孝史のおちんちん・・大きくて・・あんっ!・・き、気持ち・・いい・・っあぅ・・最高!はぁん・・っ!」
(あああ・・・!理恵・・・!)
今この瞬間、妻の秘めたる箇所に浮気相手の怒張した一物が遠慮もなく挿入されているのです。
そして、その快感に淫らな喘ぎ声をあげる妻・・・。
「り、理恵・・・そんなセクシーな声聞かされたら・・・俺・・・」
三週間射精をしていない僕のペニスは、はち切れそうなほど膨張していました。
「あはぁん・・あんっ!あんっ!はぁはぁはぁ、はぅぅぅ・・!」
僕とのセックスの時よりも、一段と凄い喘ぎ声をあげています。
「我慢出来ないよ・・・理恵・・・出しても・・いい?」
セックスの快感に酔いしれている最中の妻に、自慰のお許しを請う情けない自分にますます興奮していました。
「あぁぁあぁ・・あふぅ・・っく!んあぁっ・・・・
んふっ!あぁ、ああん!ああん!ああん!」
更に凄い喘ぎ声が聞こえて来たかと思うと、電話はそこで切れてしまいました。
理恵はあんなに気持ちよさそうだったのに、結局射精の許可がもらえなかった僕・・・。
三週間射精をしていないペニスを膨張させたまま、僕は頭の中で理恵の喘ぎ声を何度も繰り返しながら想像に想像を重ね、その日も眠れない夜を過ごしたのでした。
興奮で一睡も出来ないまま、朝を迎えてしまいました。
もちろんオナニーはしていません。
昨夜からペニスは休むことなく勃起したままです。
孝史は理恵と、ペニスが起たなくなるまで何度も充実したセックスをしていたに違いありません。
そんな孝史の立場が、僕には神々しく見えてしまいます。
正午近くになったので、昨日理恵に指示されたとおり孝史の家まで車で迎えに行きました。
太陽が燦々と降り注ぐ広い道を走ります。
大きい交差点で、信号停車。
幅の広い横断歩道を、幾多の人々が右へ左へと行き交います。
夫婦やカップルらしい男女も、幸せそうに歩いています。
唯一のパートナーとの、充実したデートを楽しんでいることでしょう。
それに比べて僕は、妻が浮気相手とセックスして帰宅する為の足として車を走らせているのです。
僕は、目の前の横断歩道を行き交っているどの夫婦よりも異質な夫婦生活を送っているのです。
ほんの数ヶ月前までは、僕も横断歩道を行き交う夫婦と同じ立場だったのに・・・。
形作られてきた常識の底に眠っていたものは、驚くほどの精神的自虐心を持った真の自分自身だったのです。
それに気付いてからは、今日まであっという間でした。
幸せそうな夫婦やカップルの姿を羨望の眼差しで眺めながらも、僕は今の自分の情けない立場に、これまでにない喜びを感じているのでした。
孝史が住むマンションの前に車を停めました。
時刻はちょうど正午です。
まだ、理恵の姿はありません。
マンションから、理恵が出てくるのを待ちます。
この大きいマンションの一室で、実の妻がその浮気相手と一夜を共にしたのです。
いや、一夜どころではありません。
この数ヶ月間、何度も何度も・・・。
このマンションの中で、理恵は何度、孝史と身体を重ねたのでしょうか。
夫である僕以外のペニスの侵入を幾多も受け入れた理恵の裸体は、僕が見ていない間に一段とセクシーになっているかも知れません。
女はセックスを重ねる度に美しくなると聞いたことがあります。
事実、最近の妻は以前と比べても更に美しくなったような気がします。
ということは、その身体もきっと・・・。
どこに居ても、結局頭の中はいつも理恵のことでいっぱいになります。
そして、いつも股間を膨張させてしまっています。
理恵と孝史がセックスを繰り返して来た建物のすぐ横で、理恵とのセックスを夢にまで見ている情けない夫が、数ヶ月間で数回しか射精していないペニスを膨張させて、妻が出てくるのを大人しく待っているのでした。
しかし、三十分ほど経っても理恵が出てくる気配はありません。
僕は恐る恐る、理恵の携帯に電話をかけてみました。
「何?」
理恵の面倒臭そうな声が聞こえました。
「言われた時間になったから・・迎えに来たんだけど・・」
「あ、忘れてた」
理恵はあっさりとそう答えました。
夫に迎えに来させるようになっていたことすら、理恵は忘れてしまっていたのです。
「あのね、今からもう一回するの。だからそれが終わるまでそこで待ってて」
あっさりとそう言い捨てて、理恵は一方的に電話を切ってしまいました。
「え?ちょ、ちょっと!」
しかし電話からはもうツーツーという音しか聞こえませんでした。
夫を待たせたまま、もう一回セックスをするなんて・・・。
以前の理恵からは想像もつかないくらい、大胆で遠慮のない行動です。
夫の自虐性を見抜いた妻もまた、以前は知らなかった自分自身の性格に気付き、それを遠慮なくさらけ出しているのでした。
妻のそんな気ままな行動にいつでも合わせられるように、僕は車の中で待ち続けました。
(仮にも夫である人間を待たせているのだから、早く切り上げて出てくるのではないだろうか・・・)
真横の建物内で行われている妻の浮気姿を惨めに想像しながらも、僕はそう考えていました。
しかし、一時間経っても、二時間経っても理恵が出て来る気配はありません。
(いったい、いつになったら・・・)
車の中で僕を延々と待たせておいて、今ごろ理恵は思う存分にセックスを楽しんでいるのでしょう。
その焦れったい気持ちと妻の自由奔放な行動との対比が、待ちくたびれている筈の僕を興奮させていました。
<続く>
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あの雰囲気だと、この後家の中で何をされるか分かりません。
せめて自宅だけは、僕と理恵だけのくつろげる場所にしたい・・・。
他人と卑猥なことなんてさせたくない・・・そう強く思っていました。
たこ焼き屋に着きました。
人気のあるたこ焼き屋ということで、店の前には行列が出来ています。
僕はますます焦ります。
僕がこうして行列待ちをしている間にも、二人は・・僕の家で・・・。
いてもたってもいられません。
こういう時に限って、待ち時間が異様に長く感じられるのです。
太陽がぎらぎらと照りつけます。
全身から汗が滲みます。
二人が家で甘い時間を過ごしているのに、何故夫である僕が・・・。
待っている間じゅう、悔しさだけがこみ上げてきます。
やっと、順番が来ました。
たこ焼きを二パック包んでもらい、車を飛ばして家に戻りました。
しかし、家を出てから既に30分近く経過していました。
急いで玄関のドアを開け、リビングに戻ります。
「ただい・・!」
理恵と孝史は服を着ていましたが、まるでスポーツをした直後のように荒い息をしながら抱き合っていました。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・ほら、言ったとおりだったろ?」
「はぁ、はぁ・・・本当、30分ぴったりだったね!」
二人は荒い息をしながら笑っています。
床の上には、理恵のパンツが脱ぎ捨てられていました。
孝史に抱きついている理恵のミニスカートの下は、何も履いていないのです。
「何・・・やってたんだ・・・」
僕は唖然としながら、二人に問いかけます。
二人はまだ肩で息をしています。
「別に?」
理恵はそう答えましたが、何事も無かった筈がないことは、二人の様子を見れば一目瞭然でした。
そうです。二人はセックスをしていたのです。
僕の家の、ソファの上で・・・。
僕にわざと、遠い所まで買い物に行かせて・・・。
「孝史ぃ、愛してる」
理恵が孝史の首に抱きつき、キスをします。
僕が30分かけて買って来たたこ焼きなど、二人は見向きもしません。
もともと、たこ焼きなどどうでもよかったのです。
僕がたこ焼きを買って戻ってくるまでの間にセックスを済ませようとして、
スリルと快感を楽しんでいたのです。
僕は完全に弄ばれていたのです。
妻と、その浮気相手に・・・。
ふとゴミ箱の中を見ると、白濁した汁がたっぷりと詰まったコンドームが捨てられていました。
もちろん、僕には覚えが無いものです。
僕が帰宅する直前に、理恵とのセックスを終えた孝史が投げ捨てたものでしょう。
その生々しい使用済みのコンドームは、ついさっきまで、ここで性行為が営まれていたことを物語っていました。
夫の僕にはオナニーさえ許していないのに、浮気相手の精子は、誰にも遠慮することなくたっぷりと放出されたのです。
僕がコンドームを見つけたことに気付いた二人は、ますます満足そうにディープキスを再開します。
そんな理恵と孝史の横で、僕はただ一人愕然としていました。
その日以降、理恵はますます浮気相手の孝史と頻繁に逢うようになっていました。
「カレのとこ行ってくるね」
夫の僕に対して平気でそのような言葉を残し、家を出ていく妻を、僕はいつも黙って見送ります。
先日、目の前で二人の親密ぶりを見せつけられた僕には、もう二人を止めることなど出来ません。
しかし悔しいという気持ち以上に、実の妻と浮気相手が自由に身体を求め合っているという現実に興奮していたのです。
そんな気持ちはなかなか表に出せないものでした。
世の中の常識から大きく逸脱している変態的で自虐的な気持ちを表面に出すことには、常識人として人生を過ごして来た僕には尚も抵抗があったのです。
そんな抵抗感も、連日のように逢っている二人の親密ぶりを見せつけられているうちに、次第に薄れて来ているのが分かりました。
(二人は堂々と浮気をしている。僕もマゾとしての気持ちを隠す必要は無いんだ・・・)
そう思えるようになっていました。
そして、ある日・・・。
理恵はいつものように、孝史とデートをする為に身支度を整えていました。
「あのさ・・」
理恵に声をかけます。
「何?」
化粧台に向かったまま、理恵が返事をします。
「彼氏のとこ行くんだろ?送っていこうかと・・思って・・・」
理恵が化粧の手を止め、僕のほうを見ます。
「ふーん」
理恵はにやりと笑っています。
「奥さんが浮気している人の家まで送りたいの?」
「う、うん・・」
「じゃあ送らせてあげる。もう終わるからエンジンかけといて」
浮気相手の為に選んだ高い服を着て、浮気相手の為に美しく化粧を施した理恵が助手席に座っています。
いま僕は自分の意志で、そんな妻を浮気相手の家まで送っているところです。
助手席の理恵は携帯電話で浮気相手と話していました。
夫である僕が理恵を浮気相手のところまで送っているということと、それを僕のほうから言い出したということを楽しそうに話しています。
「こんなこと自分から言い出して興奮してるんだから。
かなりMはいってるでしょ?」
そんな会話を真横で聞かされながら、僕は運転を続けたのです。
孝史の住んでいるマンションが見えて来ました。
孝史がマンションの外まで迎えに出ています。
「ちょっと待ってて」
マンションの前に車を停めると、僕はすぐに外に出ました。
そして、孝史に深々と頭を下げた後、助手席のドアを開けました。
理恵は車から降りるや否や、孝史に抱きつきました。
「おまえのダンナ、急にマゾの自覚出てきたんじゃない?」
「でしょー?なんか情けなくて面白いのー」
二人のそんな会話を背中に聞きながら、僕は運転席に戻ります。
「明日の正午に迎えに来てね」
理恵が僕に言います。
「あ、はい・・」
思わず敬語を使っていました。
「はいだってさ。マジでマゾ夫だな!」
僕が運転席に乗り込み、車を発進させるまでずっと、孝史は愉快そうに笑い続けていました。
その夜、僕はいつものように家で一人きりのまま、二人のことを想像しながら悶々と過ごしていました。
最後にオナニーの許可が降りたのは、もう三週間ほど前のことです。
僕が数週間に一度、自慰でしか性欲解消出来ないのに、理恵はその間に何十回、性交で性欲解消してきたんだろう・・・。
以前は性欲解消の質と回数は全く同じであった僕と理恵が、今では大きく差を開けられている・・・。そのことに激しく興奮します。
プルルル・・・プルルル・・・。家の電話が鳴りました。
「はい」
「あっあぁぁあ?ん!あんっ!あんっ!あぁぁぁ・・・」
突然、電話の向こうから激しい喘ぎ声が聞こえて来ました。
忘れるはずもない、数ヶ月ぶりに聞いた妻の喘ぎ声でした。
「・・!?・・り、理恵・・・?」
「孝史のおちんちん・・大きくて・・あんっ!・・き、気持ち・・いい・・っあぅ・・最高!はぁん・・っ!」
(あああ・・・!理恵・・・!)
今この瞬間、妻の秘めたる箇所に浮気相手の怒張した一物が遠慮もなく挿入されているのです。
そして、その快感に淫らな喘ぎ声をあげる妻・・・。
「り、理恵・・・そんなセクシーな声聞かされたら・・・俺・・・」
三週間射精をしていない僕のペニスは、はち切れそうなほど膨張していました。
「あはぁん・・あんっ!あんっ!はぁはぁはぁ、はぅぅぅ・・!」
僕とのセックスの時よりも、一段と凄い喘ぎ声をあげています。
「我慢出来ないよ・・・理恵・・・出しても・・いい?」
セックスの快感に酔いしれている最中の妻に、自慰のお許しを請う情けない自分にますます興奮していました。
「あぁぁあぁ・・あふぅ・・っく!んあぁっ・・・・
んふっ!あぁ、ああん!ああん!ああん!」
更に凄い喘ぎ声が聞こえて来たかと思うと、電話はそこで切れてしまいました。
理恵はあんなに気持ちよさそうだったのに、結局射精の許可がもらえなかった僕・・・。
三週間射精をしていないペニスを膨張させたまま、僕は頭の中で理恵の喘ぎ声を何度も繰り返しながら想像に想像を重ね、その日も眠れない夜を過ごしたのでした。
興奮で一睡も出来ないまま、朝を迎えてしまいました。
もちろんオナニーはしていません。
昨夜からペニスは休むことなく勃起したままです。
孝史は理恵と、ペニスが起たなくなるまで何度も充実したセックスをしていたに違いありません。
そんな孝史の立場が、僕には神々しく見えてしまいます。
正午近くになったので、昨日理恵に指示されたとおり孝史の家まで車で迎えに行きました。
太陽が燦々と降り注ぐ広い道を走ります。
大きい交差点で、信号停車。
幅の広い横断歩道を、幾多の人々が右へ左へと行き交います。
夫婦やカップルらしい男女も、幸せそうに歩いています。
唯一のパートナーとの、充実したデートを楽しんでいることでしょう。
それに比べて僕は、妻が浮気相手とセックスして帰宅する為の足として車を走らせているのです。
僕は、目の前の横断歩道を行き交っているどの夫婦よりも異質な夫婦生活を送っているのです。
ほんの数ヶ月前までは、僕も横断歩道を行き交う夫婦と同じ立場だったのに・・・。
形作られてきた常識の底に眠っていたものは、驚くほどの精神的自虐心を持った真の自分自身だったのです。
それに気付いてからは、今日まであっという間でした。
幸せそうな夫婦やカップルの姿を羨望の眼差しで眺めながらも、僕は今の自分の情けない立場に、これまでにない喜びを感じているのでした。
孝史が住むマンションの前に車を停めました。
時刻はちょうど正午です。
まだ、理恵の姿はありません。
マンションから、理恵が出てくるのを待ちます。
この大きいマンションの一室で、実の妻がその浮気相手と一夜を共にしたのです。
いや、一夜どころではありません。
この数ヶ月間、何度も何度も・・・。
このマンションの中で、理恵は何度、孝史と身体を重ねたのでしょうか。
夫である僕以外のペニスの侵入を幾多も受け入れた理恵の裸体は、僕が見ていない間に一段とセクシーになっているかも知れません。
女はセックスを重ねる度に美しくなると聞いたことがあります。
事実、最近の妻は以前と比べても更に美しくなったような気がします。
ということは、その身体もきっと・・・。
どこに居ても、結局頭の中はいつも理恵のことでいっぱいになります。
そして、いつも股間を膨張させてしまっています。
理恵と孝史がセックスを繰り返して来た建物のすぐ横で、理恵とのセックスを夢にまで見ている情けない夫が、数ヶ月間で数回しか射精していないペニスを膨張させて、妻が出てくるのを大人しく待っているのでした。
しかし、三十分ほど経っても理恵が出てくる気配はありません。
僕は恐る恐る、理恵の携帯に電話をかけてみました。
「何?」
理恵の面倒臭そうな声が聞こえました。
「言われた時間になったから・・迎えに来たんだけど・・」
「あ、忘れてた」
理恵はあっさりとそう答えました。
夫に迎えに来させるようになっていたことすら、理恵は忘れてしまっていたのです。
「あのね、今からもう一回するの。だからそれが終わるまでそこで待ってて」
あっさりとそう言い捨てて、理恵は一方的に電話を切ってしまいました。
「え?ちょ、ちょっと!」
しかし電話からはもうツーツーという音しか聞こえませんでした。
夫を待たせたまま、もう一回セックスをするなんて・・・。
以前の理恵からは想像もつかないくらい、大胆で遠慮のない行動です。
夫の自虐性を見抜いた妻もまた、以前は知らなかった自分自身の性格に気付き、それを遠慮なくさらけ出しているのでした。
妻のそんな気ままな行動にいつでも合わせられるように、僕は車の中で待ち続けました。
(仮にも夫である人間を待たせているのだから、早く切り上げて出てくるのではないだろうか・・・)
真横の建物内で行われている妻の浮気姿を惨めに想像しながらも、僕はそう考えていました。
しかし、一時間経っても、二時間経っても理恵が出て来る気配はありません。
(いったい、いつになったら・・・)
車の中で僕を延々と待たせておいて、今ごろ理恵は思う存分にセックスを楽しんでいるのでしょう。
その焦れったい気持ちと妻の自由奔放な行動との対比が、待ちくたびれている筈の僕を興奮させていました。
<続く>
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