戦争の傷あと 5
次の日、いつもの様に妻と畑に出た時、私が畑の隅に有る肥え溜めに小便をしていると、斜め後ろからの刺すような視線を感じました。そちらに視線を向けてみると、妻が小便の出ているところを食い入るように見ていたのですが、私と目が合った瞬間、何も無かったかのように、また鍬で耕し始めました。
「清子、どうした?何か気になるのか?」
しかし妻は答える事も無く、黙々と作業を続けています。
「最近、毎日大きな声が聞こえるが、毎晩勘一兄さんに可愛がってもらっているのだな」
妻は一度大きく首を横に振ると、その後は私が何を言っても、私を無視して作業を続けました。
昼間の妻の態度が気になった私は、夕飯が終るとすぐに、妹の今日子には2階に移った自分の部屋に行くように言い、早い時間から伯母を責めていました。
「あーん、また、今日の、旦那様は、激しすぎる、嫌ーん、これ以上されたら、本当に、あーん、死んでしまう、また、また、死ぬ、死ぬ、死ぬー、ひぃー」
そう叫ぶと伯母は、本当に死んだ様に静かになり、その内寝息を立て出しました。
私は足音を忍ばせて、妻達の部屋の前に行くと、勘一の怒鳴る声が聞こえてきます。
「お前だけ気持ち良くなりやがって。そんなに自分だけ最後までいきたければ、張り形を使って勝手にいけ」
「嫌ー、こんなの嫌ー。どうかなりそう。狂いそうですー」
「そんなに嫌なら後はこれで、自分でやれ。俺はもう駄目だ」
「自分でなんて出来ません。どうにかして、こんなの嫌ー」
「やめろ。そんな事をしても無駄だ。俺のはもう立たない」
「それならどうして毎晩途中まで。今ももう少しでした。せめて勘一さんがこれで」
「おまえには俺の悔しい気持ちが分からないのか。今日は立つか、今日は治っているかと思って。でも駄目だ。もう男として終わりだ。足が痛くて動けない。唯一の楽しみだった、唯一男でいられたこれが」
妻は乱れた寝巻きの前を押えて、部屋を飛び出していきました。
寸前のところで廊下の角に隠れた私は、妻の後を追って風呂の前まで行くと、中から妻の悩ましい声が聞こえてきます。
「 あー、あーん、うっ、うっ、いい、あっ、あっ、いい」
それは妻が1人で慰めている声でした。あの純情で、勘一に辱められては泣いていた妻からは考えられませんでしたが、私が変わってしまったのと同じ様に、妻も変わってしまっていたのです。
部屋に戻ると、物音で伯母が目を開けました。
「何処に行っていたのです?」
「便所に行ってきた。それよりも、部屋の前で聞いてしまったのだが、勘一兄さんはもう駄目みたいだぞ」
「何が駄目なのです?」
「あっちの方だ。もう立たないらしい。男として駄目になったらしい」
私が嬉しそうに話すのとは対照的に、一瞬驚いた顔をした伯母は、今にも泣きそうな悲しい顔に変わりました。
次の日、私はある事に気付きました。あれほど私と妻の仲を気にして、隠れて何度も様子を伺いに来ていた伯母が、午前中一度も来なかったのです。昼飯に帰ると、伯母は俯いて私と一度も視線を合わせず、勘一も食欲が無いという事で、妻はお盆に乗せていった食事を、手付かずのまま持ち返って来ました。午後、私はわざと鎌を忘れて畑に行くと、妻には取りに戻ると言って、一人家に戻りました。気付かれないように、勘一の部屋の前まで行って耳を済ませると、2人の話し声が聞こえてきます。
「母ちゃん、もういい。やっぱり駄目だ。俺はもう男に戻れない」
「そんな事はないから頑張って。もう少ししてあげるから、他の事は忘れて気持ちよくなる事だけを考えるの」
「昼前に散々してくれたじゃないか。それでも駄目だった」
「きっと精神的なものだわ。大丈夫、必ず良くなるから」
「それなら口でしてくれよ。母ちゃんの口でしてもらえば、もしかすると硬くなるかも知れない。それで硬くなったら、母ちゃんのオメコに入れさせてくれると約束してくれ。母ちゃんのオメコに入れられると思えば、硬くなるような気がする」
「それは駄目。親子だから手だけという約束だったでしょ?」
「伯母と甥なのに、信夫にはさせているじゃないか。母ちゃんはこんな俺を見捨てるのか?」
暫らく沈黙が続いた後、クチュクチュと口に唾を溜めながらしゃぶる、伯母が口に含んだ時の聞き慣れた音がしてきました。
「やっぱり駄目だ。母ちゃんの口でも硬くならない。俺はもう駄目なんだ」
私は畑に戻ると、妻の横に行って話し掛けました。
「勘一兄さんは、いつから駄目になった?」
「何の事です?」
妻は顔を背けます。
「もう硬くならないのだろ?それで清子は、一人風呂で」
「知りません」
妻は涙を流しながら、走って家に帰ってしまいました。
農作業を終えて帰ると、伯母は以前の鬼のような形相になっていました。
「話があるから部屋に来なさい」
伯母が私に、命令口調で話すのは久し振りです。伯母の後をついて部屋に行くと、伯母は上座に正座しました。
「そこにお座りなさい。畑で清子と何が有ったの?何かしたわよね?まさか小屋で」
「俺は何もしていない」
「それなら何故、清子が泣きながら帰って来たの?嘘をついても駄目」
「そんなに信用出来ないか?私はただ、勘一兄さんの事が心配で聞いただけだ。それよりも俺達が畑に行ってから、何をしていた?」
「和美の世話と、勘一ちゃんの世話を」
「勘一兄さんの、何の世話をしていた?俺が途中で鎌を取りに来たのも気付かないで」
「えっ?それは、その」
「お春は誰の女だ?お春の口は誰の物だ?お春のオメコは誰の物だ?もう関係はやめにしよう」
「待って。信じるから許して。私は旦那様の女です。この口もオメコも全部旦那様の物です」
「駄目だ。その口は私の物なのに、どうして他の男を咥える。俺のオメコに、どうして他の男を入れようとする?それも、ただの男ではなくて、相手は息子だろ」
「ごめんなさい。堪忍して下さい。勘一ちゃんが可哀想で、口ではしてしまったけれど、旦那様のオメコは使わせていません」
「それは硬くならなかったから使われなかっただけだ。もしも硬くなっていたらどうしていた?俺は今日から2階で寝る」
泣いて縋る伯母を突き飛ばし、布団を持って2階に行きました。
これは明らかに嫉妬です。情は有っても私にとって伯母は、この家での地位を維持する為と、性欲を処理する為の道具で、その他の感情は無いと思っていましたが、伯母と勘一の仲を嫉妬した事に気付き、自分でも驚きました。
勘一はその後、起きる事も出来無くなり、糖尿病だと診断されて入院してしまいます。伯母は毎日泣きながら許しを請いますが、私は許しませんでした。しかしこれは、毎日伯母に性を吐き出していた私にとっても辛い事です。
勘一に付き添いはいらなかったのですが、昼間妻が病院に行く時は伯母が娘を看て、伯母が行く時は妻が娘を背負って畑に出ていました。本当の親子3人水入らずで畑にいる。これは妻が、夢にまで見た姿です。戸籍上は夫婦、親子でなくても、私も望んだ姿です。しかし今の私は不純な考えが先に立ち、モンペに包まれた妻のお尻が、気になって仕方ありません。そんなある日、夜から降り出した激しい雨が止まず、農作業に出られないので、朝から藁草履を編んでいました。
「今日は清子が、勘一ちゃんの様子を見てきて」
「今日は伯母さんが行くはずだっただろ?ここのところ畑で忙しかったから、たまには休ませてやれよ。」
私は伯母に手招きされて、隣の部屋に行きました。
「だって、今日は畑に行けないから、私がいなくなるとこの家には、旦那様と清子だけになってしまう。変な気でも起こされたら」
子供のように意地を張り、伯母と何日も交わっていなかった私は、この言葉で女としての妻を余計に意識してしまいました。
「伯母さんは自分のした事を棚に上げて、まだ俺を疑っているのか?それに和美だっているだろ。勝手にしろ」
「ごめん。私が悪かったよ。今日は私が行くから機嫌を直して。せめて伯母さんなんて呼ばないで、前みたいにお春と呼んで」
和美が眠ると、妻は小雨になったのを見計らい、昼飯に使う大根を引きに家の前の畑に行ったのですが、また急に雨足が強くなったので、私は番傘をさして迎えに行きました。大根を持って、私に寄り添う妻の横顔を見ると、濡れて解れた髪が頬に張り付いています。それを見た時、私の妻を見る目は雄の目に変わっていました。
「手拭で拭いたぐらいでは、風邪をひいてしまうぞ。着替えたらどうだ?」
「そうします」
私は思い切って、妻の部屋の障子戸を開けました。そこには久し振りに見る、全裸の妻の姿がありました。伯母ほど白い肌ではないのですが、それでも農作業で顔だけが日に焼けて浅黒い為、白さを際立たせています。
「嫌。出ていって」
妻は慌てて、身体を拭いていた手拭で前を隠すと、身を屈めました。
「どうしてだ?私は今でも清子を愛している」
「お母様に怒られる。もう私達は元には戻れません」
「そんな事は無い。俺はずっと清子を愛し続けていた。伯母さんとこうなったのも、清子や和美
の側にいたかったからだ。他に方法は無かった。清子はもう、私を愛してはくれないのか?」
「でも駄目。こんな事は嫌です。出ていって下さい」
妻を愛しているのは本心だった。しかし今は、口では愛を叫びながらも、その事よりも目の前の、牝の身体が欲しくて必死なのだ。妻は私への愛を否定はしないのだが、これから起こる事を言葉で拒否し続けている。もう自分を抑える事が出来なくなっていた私は、服を全て脱ぎ捨てて近付いた。すると妻の目は、私の既に雄叫びを上げている部分に集中し、その目もまた、牝の目へと変わったように感じたので、押入れから布団を1組出して敷いたが、もう妻は何も言わない。
「清子、ここにおいで」
しかし妻は、何度も首を横に振る。私の硬く大きくなった物を見た事で、自分が牝に変わってしまったという事を、隠したかったのだろう。私は妻の腋に手を差し込んで、強引に布団まで引き摺って行き、押し倒して乳房に吸い付くとお乳が出てきた。
「あーん、駄目、こんな事は、駄目」
私は何故か娘に悪い気がしてしまい、乳房への愛撫はそこそこに、足元に回ると妻の脚を大きく割り、その付け根にむしゃぶりつく。口での攻撃から逃れようと、私の頭を両手で押したり、身体を捻ったりしていたが、何日も途中までで放っておかれた身体は、すぐに抵抗を止めてしまった。襞を開くと、そこは伯母の赤みを帯びたピンクとは違い、薄くきれいなピンク色をしている。更に伯母と大きく違うのは、その上にたたずむ淫核が、もう感じているはずなのに、未だ包皮に包まれている事だ。私は包皮を剥いて強制的に露出させ、舌先で突いたり舐め上げたりして、伯母に散々教え込まれたやり方で責め続けていました。
「恥ずかしいけど、感じてしまう、駄目、駄目、欲しい、もう欲しい、お願い、お願い」
口を離して指での刺激に切り替えて横に座ると、もう妻は牝である事を認めざるを得なくなったのか、手を伸ばして私を握り締めています。
「いつから入れてもらっていない?」
「もう、ひと月以上、あーん、これが、欲しい、欲しい、本当に、もう駄目なの、駄目、駄目、駄目ー、嫌ー」
妻は縋る様な目で私を見詰めながら、何度も腰を突き上げて気を遣ってしまいました。
「ひぃー」
休まず私が挿入すると、そう一声叫んで下から抱き付いてきます。
「なに?中がいっぱいになる、中がきつい、なに?なに?」
私は今までを取り戻すかのように、激しく突き始めました。
「嫌ー、奥まで来てる、嫌ー、そんな、奥まで、嫌ー、硬い、硬いのが奥までー」
妻はそう言いながらも、更に奥まで欲しいのか両足上げて、私の腰に絡めてきました。
「凄い、凄い、奥まで、駄目ー、ひぃー」
腕枕をした状態で、2人並んでぼんやりと天井を見ていましたが、その間も妻は私を掴んだまま放しませんでした。
「信夫さんは、変わってしまったのですね」
「それは清子もだ。今も清子の手は何を掴んでいる?」
「嫌。恥ずかしい」
そう言いながらも、更に強く掴んで放そうとはしません。
「でも、清子を愛しているという気持ちだけは変わっていない。ここにいる為には伯母さんとの関係もやめられないし、暫らくこんな生活が続くと思うが、私を信じて待っていてくれないか?こんな私はもう嫌いか?」
妻は返事の代わりに顔を下腹部に持っていくと、優しく口に含んでくれました。
妻は夕方に帰ってきた伯母に捕まり、質問攻めにあっていました。
「私がいない間、何をしていた?」
「和美の面倒を看ながら、ゆっくりとさせて頂きました」
「まさか私の旦那様に、ちょっかいを出したりしなかっただろうね?」
「そんな事はしていません」
「本当だろうね?」
「本当です」
「2人で何の話をしている?」
「あっ、旦那様。別に何も」
「お春、疲れただろ?風呂を沸かしておいたから今から入れ。今日は私が背中を流してやる」
「えっ?旦那様にそんな事」
そう言いながらも嬉しそうに、小走りで着替えを取りに行きます。
「清子、悪いな」
「いいえ、勘一さんとの事で、ずっと信夫さんには辛い思いをさせてきました。私もこの方が、少しでも罪が軽くなるようで気が楽です。お母様と何があっても信じていますから」
私が背中を流している間、伯母はずっと泣いていました。
「今日子が眠ったらお春の部屋に行くから、それまでに化粧をし直して、布団を敷いておけ」
「本当ですか?嬉しい」
「ああ、だから今は泣くな。泣いていては化粧が出来ないぞ。その代わり今夜は朝まで、嫌と言うほど泣かせてやるから」
「旦那様、嬉しい」
毎晩伯母を抱き、伯母が勘一の病院に行く日は、昼間妻を抱くという生活が続きました。勘一は合併症まで起こし、病状は思わしくありません。
「勘一兄さん、久し振りですね」
「信夫か。俺を笑いに来たのか?」
「とんでも無いです。早く良くなってくれないかと思って」
「心にも無い事を」
「本当です。早く良くなってもらわないと、私1人でお春と清子の相手をしていては、いくら私でも身がもちません。何しろ2人共激しいですから」
「なにー。俺から母ちゃんを盗っただけでは飽き足らずに、まさか清子まで。」
「盗ったとは人聞きの悪い。お春は自分から股を開いてきたから仕方なく。それに清子は、元々私のものだったのを、勘一にいさんが無理矢理犯して盗ったんじゃないですか。清子は、あんな男に触られるのは、気持ち悪くて二度と嫌だと言っていましたよ。思い出すのも気持ち悪いから、何もかも忘れさせてと言って、毎日裸で抱き付いてきます。」
「くそー、殺してやる」
「その意気です。私を殺せるぐらい、元気になって下さいよ。早く治してもらわないと、お春にはいくら濃いのを注いでやっても心配ありませんが、そのうち清子には子供が出来てしまうかも知れません」
「絶対に殺してやる」
「私を殺すのは構いませんが、その前に死なないで下さいよ。さて、2人共身体を洗って待っていると思いますから、来たばかりで悪いのですが帰ります。何しろ、1晩に2人相手をしなければなりませんから。ゆっくり寝ていられる、勘一兄さんが羨ましいです。」
「おまえと言う奴は」
「そうだ。1つの布団に2人並べて、交互に嵌めてやればいいんだ。その方が楽ですよね?今夜はそうしてみます。じゃあまた」
「くそー、くそー」
病室を出ると、勘一の悔し泣きする声が聞こえてきました。勘一の顔を見たら私も興奮して、伯母には聞かせられない事を言ってしまい、これが伯母に伝わっては不味い事になると心配しましたが、その心配はすぐに無くなりました。私が興奮させたからだとは思いたく無いのですが、その夜少し落ち着いていた勘一の病状が急変し、明け方死んでしまったからです。
それから3ヶ月ほど経った頃、妻が妊娠している事が分かりました。
「おまえの様な嫁は出て行け。もう二度と顔も見たくない」
伯母は一人息子を亡くした上に、私まで失うかも知れない恐怖から、妻を責め続けました。
「お春、清子が出て行くなら私も出て行くよ。和美もお腹の中の子供も私の子供だ。世話になったな」
「清子だけ出て行けばいい。旦那様は行かないで。もっと尽くすから行かないで。何でもするから行かないで」
「それは駄目だ。私には子供達に責任がある。それに、俺もまだ若いからいつか所帯を持ちたいと思っていた。伯母と甥で、まさかお春と結婚する訳にもいかないだろ?」
結局、伯母と私が養子縁組をし、一周忌が終ったら妻と結婚をする。結婚をしても私は伯母の部屋で寝て、伯母との関係を続ける代わりに、妻と関係を持つ事も認める。この様な、常識では考えられないような条件で落ち着いたのですが、1番罪深いのは私です。毎日違った味の、2人の女に奉仕させ、その上この家の資産も手に入れたのです。その後男の子が生まれて清子と結婚しても、この様な関係は8年後に、伯母が脳溢血で倒れるまで続きました。
勉強の好きだった妹の今日子は、大学を出てすぐに結婚して子供を儲け、私は農業の傍ら、昔習った呉服の行商に出る様になり、南方で捕まった時に米兵からもらった、チョコレートの美味しさが忘れられずに、今日子の家に寄る時は甥の喜ぶ顔が見たくて、必ずチョコレートをお土産に持って行きました。
*******************
チョコレートの伯父ちゃんの事を思い出している内に駅に着き、改札を出ると後ろから肩を叩かれました。
「ご無沙汰。一緒の電車だったのね。」
それは従姉の和美姉さんでした。
「ご無沙汰しています。和美姉さん一人?」
「主人は久し振りに弟と酒が呑みたいと言って、一足早く昨日から車で来ているの。私は昨夜どうしても外せない会合があったから」
「そうなんだ。でも丁度良かった。まだ時間が有るから、先に伯父さんのお墓にお参りしたいけど、どの道を行けば良かったのかな?この辺りも、ベッドタウンになってしまって、すっかり変わってしまったから」
「私も一緒に行くわ。」
以前は気にもしないでいたが、墓石の後ろには〔信夫・清子〕とだけ書いてある。
「ご先祖様のお墓は?」
「それは他の所にあるのよ。入院する前に、父が先祖の墓とは別に建てたの。その時『私が死んだらここに入れてくれ。ここには私と清子以外は誰も入れるな。死んでからは、私だけの清子でいて欲しいし、清子だけの私でいたい』と言った『いい歳をして惚気ているの』と聞いたら『おまえ達には分からん』と言って2人抱き合って泣いていたわ。しっかりしていると思っていたけれど、もう呆けていたのかな?だからここは、翌年に死んだ母と2人だけのお墓なの」
私はお墓に手を合わせると、自然と涙が出てきた。伯父ちゃん、いつも美味しいチョコレートをありがとう。
終わり
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エッチな体験談
Fc2Blog Ranking|禁断の体験
「清子、どうした?何か気になるのか?」
しかし妻は答える事も無く、黙々と作業を続けています。
「最近、毎日大きな声が聞こえるが、毎晩勘一兄さんに可愛がってもらっているのだな」
妻は一度大きく首を横に振ると、その後は私が何を言っても、私を無視して作業を続けました。
昼間の妻の態度が気になった私は、夕飯が終るとすぐに、妹の今日子には2階に移った自分の部屋に行くように言い、早い時間から伯母を責めていました。
「あーん、また、今日の、旦那様は、激しすぎる、嫌ーん、これ以上されたら、本当に、あーん、死んでしまう、また、また、死ぬ、死ぬ、死ぬー、ひぃー」
そう叫ぶと伯母は、本当に死んだ様に静かになり、その内寝息を立て出しました。
私は足音を忍ばせて、妻達の部屋の前に行くと、勘一の怒鳴る声が聞こえてきます。
「お前だけ気持ち良くなりやがって。そんなに自分だけ最後までいきたければ、張り形を使って勝手にいけ」
「嫌ー、こんなの嫌ー。どうかなりそう。狂いそうですー」
「そんなに嫌なら後はこれで、自分でやれ。俺はもう駄目だ」
「自分でなんて出来ません。どうにかして、こんなの嫌ー」
「やめろ。そんな事をしても無駄だ。俺のはもう立たない」
「それならどうして毎晩途中まで。今ももう少しでした。せめて勘一さんがこれで」
「おまえには俺の悔しい気持ちが分からないのか。今日は立つか、今日は治っているかと思って。でも駄目だ。もう男として終わりだ。足が痛くて動けない。唯一の楽しみだった、唯一男でいられたこれが」
妻は乱れた寝巻きの前を押えて、部屋を飛び出していきました。
寸前のところで廊下の角に隠れた私は、妻の後を追って風呂の前まで行くと、中から妻の悩ましい声が聞こえてきます。
「 あー、あーん、うっ、うっ、いい、あっ、あっ、いい」
それは妻が1人で慰めている声でした。あの純情で、勘一に辱められては泣いていた妻からは考えられませんでしたが、私が変わってしまったのと同じ様に、妻も変わってしまっていたのです。
部屋に戻ると、物音で伯母が目を開けました。
「何処に行っていたのです?」
「便所に行ってきた。それよりも、部屋の前で聞いてしまったのだが、勘一兄さんはもう駄目みたいだぞ」
「何が駄目なのです?」
「あっちの方だ。もう立たないらしい。男として駄目になったらしい」
私が嬉しそうに話すのとは対照的に、一瞬驚いた顔をした伯母は、今にも泣きそうな悲しい顔に変わりました。
次の日、私はある事に気付きました。あれほど私と妻の仲を気にして、隠れて何度も様子を伺いに来ていた伯母が、午前中一度も来なかったのです。昼飯に帰ると、伯母は俯いて私と一度も視線を合わせず、勘一も食欲が無いという事で、妻はお盆に乗せていった食事を、手付かずのまま持ち返って来ました。午後、私はわざと鎌を忘れて畑に行くと、妻には取りに戻ると言って、一人家に戻りました。気付かれないように、勘一の部屋の前まで行って耳を済ませると、2人の話し声が聞こえてきます。
「母ちゃん、もういい。やっぱり駄目だ。俺はもう男に戻れない」
「そんな事はないから頑張って。もう少ししてあげるから、他の事は忘れて気持ちよくなる事だけを考えるの」
「昼前に散々してくれたじゃないか。それでも駄目だった」
「きっと精神的なものだわ。大丈夫、必ず良くなるから」
「それなら口でしてくれよ。母ちゃんの口でしてもらえば、もしかすると硬くなるかも知れない。それで硬くなったら、母ちゃんのオメコに入れさせてくれると約束してくれ。母ちゃんのオメコに入れられると思えば、硬くなるような気がする」
「それは駄目。親子だから手だけという約束だったでしょ?」
「伯母と甥なのに、信夫にはさせているじゃないか。母ちゃんはこんな俺を見捨てるのか?」
暫らく沈黙が続いた後、クチュクチュと口に唾を溜めながらしゃぶる、伯母が口に含んだ時の聞き慣れた音がしてきました。
「やっぱり駄目だ。母ちゃんの口でも硬くならない。俺はもう駄目なんだ」
私は畑に戻ると、妻の横に行って話し掛けました。
「勘一兄さんは、いつから駄目になった?」
「何の事です?」
妻は顔を背けます。
「もう硬くならないのだろ?それで清子は、一人風呂で」
「知りません」
妻は涙を流しながら、走って家に帰ってしまいました。
農作業を終えて帰ると、伯母は以前の鬼のような形相になっていました。
「話があるから部屋に来なさい」
伯母が私に、命令口調で話すのは久し振りです。伯母の後をついて部屋に行くと、伯母は上座に正座しました。
「そこにお座りなさい。畑で清子と何が有ったの?何かしたわよね?まさか小屋で」
「俺は何もしていない」
「それなら何故、清子が泣きながら帰って来たの?嘘をついても駄目」
「そんなに信用出来ないか?私はただ、勘一兄さんの事が心配で聞いただけだ。それよりも俺達が畑に行ってから、何をしていた?」
「和美の世話と、勘一ちゃんの世話を」
「勘一兄さんの、何の世話をしていた?俺が途中で鎌を取りに来たのも気付かないで」
「えっ?それは、その」
「お春は誰の女だ?お春の口は誰の物だ?お春のオメコは誰の物だ?もう関係はやめにしよう」
「待って。信じるから許して。私は旦那様の女です。この口もオメコも全部旦那様の物です」
「駄目だ。その口は私の物なのに、どうして他の男を咥える。俺のオメコに、どうして他の男を入れようとする?それも、ただの男ではなくて、相手は息子だろ」
「ごめんなさい。堪忍して下さい。勘一ちゃんが可哀想で、口ではしてしまったけれど、旦那様のオメコは使わせていません」
「それは硬くならなかったから使われなかっただけだ。もしも硬くなっていたらどうしていた?俺は今日から2階で寝る」
泣いて縋る伯母を突き飛ばし、布団を持って2階に行きました。
これは明らかに嫉妬です。情は有っても私にとって伯母は、この家での地位を維持する為と、性欲を処理する為の道具で、その他の感情は無いと思っていましたが、伯母と勘一の仲を嫉妬した事に気付き、自分でも驚きました。
勘一はその後、起きる事も出来無くなり、糖尿病だと診断されて入院してしまいます。伯母は毎日泣きながら許しを請いますが、私は許しませんでした。しかしこれは、毎日伯母に性を吐き出していた私にとっても辛い事です。
勘一に付き添いはいらなかったのですが、昼間妻が病院に行く時は伯母が娘を看て、伯母が行く時は妻が娘を背負って畑に出ていました。本当の親子3人水入らずで畑にいる。これは妻が、夢にまで見た姿です。戸籍上は夫婦、親子でなくても、私も望んだ姿です。しかし今の私は不純な考えが先に立ち、モンペに包まれた妻のお尻が、気になって仕方ありません。そんなある日、夜から降り出した激しい雨が止まず、農作業に出られないので、朝から藁草履を編んでいました。
「今日は清子が、勘一ちゃんの様子を見てきて」
「今日は伯母さんが行くはずだっただろ?ここのところ畑で忙しかったから、たまには休ませてやれよ。」
私は伯母に手招きされて、隣の部屋に行きました。
「だって、今日は畑に行けないから、私がいなくなるとこの家には、旦那様と清子だけになってしまう。変な気でも起こされたら」
子供のように意地を張り、伯母と何日も交わっていなかった私は、この言葉で女としての妻を余計に意識してしまいました。
「伯母さんは自分のした事を棚に上げて、まだ俺を疑っているのか?それに和美だっているだろ。勝手にしろ」
「ごめん。私が悪かったよ。今日は私が行くから機嫌を直して。せめて伯母さんなんて呼ばないで、前みたいにお春と呼んで」
和美が眠ると、妻は小雨になったのを見計らい、昼飯に使う大根を引きに家の前の畑に行ったのですが、また急に雨足が強くなったので、私は番傘をさして迎えに行きました。大根を持って、私に寄り添う妻の横顔を見ると、濡れて解れた髪が頬に張り付いています。それを見た時、私の妻を見る目は雄の目に変わっていました。
「手拭で拭いたぐらいでは、風邪をひいてしまうぞ。着替えたらどうだ?」
「そうします」
私は思い切って、妻の部屋の障子戸を開けました。そこには久し振りに見る、全裸の妻の姿がありました。伯母ほど白い肌ではないのですが、それでも農作業で顔だけが日に焼けて浅黒い為、白さを際立たせています。
「嫌。出ていって」
妻は慌てて、身体を拭いていた手拭で前を隠すと、身を屈めました。
「どうしてだ?私は今でも清子を愛している」
「お母様に怒られる。もう私達は元には戻れません」
「そんな事は無い。俺はずっと清子を愛し続けていた。伯母さんとこうなったのも、清子や和美
の側にいたかったからだ。他に方法は無かった。清子はもう、私を愛してはくれないのか?」
「でも駄目。こんな事は嫌です。出ていって下さい」
妻を愛しているのは本心だった。しかし今は、口では愛を叫びながらも、その事よりも目の前の、牝の身体が欲しくて必死なのだ。妻は私への愛を否定はしないのだが、これから起こる事を言葉で拒否し続けている。もう自分を抑える事が出来なくなっていた私は、服を全て脱ぎ捨てて近付いた。すると妻の目は、私の既に雄叫びを上げている部分に集中し、その目もまた、牝の目へと変わったように感じたので、押入れから布団を1組出して敷いたが、もう妻は何も言わない。
「清子、ここにおいで」
しかし妻は、何度も首を横に振る。私の硬く大きくなった物を見た事で、自分が牝に変わってしまったという事を、隠したかったのだろう。私は妻の腋に手を差し込んで、強引に布団まで引き摺って行き、押し倒して乳房に吸い付くとお乳が出てきた。
「あーん、駄目、こんな事は、駄目」
私は何故か娘に悪い気がしてしまい、乳房への愛撫はそこそこに、足元に回ると妻の脚を大きく割り、その付け根にむしゃぶりつく。口での攻撃から逃れようと、私の頭を両手で押したり、身体を捻ったりしていたが、何日も途中までで放っておかれた身体は、すぐに抵抗を止めてしまった。襞を開くと、そこは伯母の赤みを帯びたピンクとは違い、薄くきれいなピンク色をしている。更に伯母と大きく違うのは、その上にたたずむ淫核が、もう感じているはずなのに、未だ包皮に包まれている事だ。私は包皮を剥いて強制的に露出させ、舌先で突いたり舐め上げたりして、伯母に散々教え込まれたやり方で責め続けていました。
「恥ずかしいけど、感じてしまう、駄目、駄目、欲しい、もう欲しい、お願い、お願い」
口を離して指での刺激に切り替えて横に座ると、もう妻は牝である事を認めざるを得なくなったのか、手を伸ばして私を握り締めています。
「いつから入れてもらっていない?」
「もう、ひと月以上、あーん、これが、欲しい、欲しい、本当に、もう駄目なの、駄目、駄目、駄目ー、嫌ー」
妻は縋る様な目で私を見詰めながら、何度も腰を突き上げて気を遣ってしまいました。
「ひぃー」
休まず私が挿入すると、そう一声叫んで下から抱き付いてきます。
「なに?中がいっぱいになる、中がきつい、なに?なに?」
私は今までを取り戻すかのように、激しく突き始めました。
「嫌ー、奥まで来てる、嫌ー、そんな、奥まで、嫌ー、硬い、硬いのが奥までー」
妻はそう言いながらも、更に奥まで欲しいのか両足上げて、私の腰に絡めてきました。
「凄い、凄い、奥まで、駄目ー、ひぃー」
腕枕をした状態で、2人並んでぼんやりと天井を見ていましたが、その間も妻は私を掴んだまま放しませんでした。
「信夫さんは、変わってしまったのですね」
「それは清子もだ。今も清子の手は何を掴んでいる?」
「嫌。恥ずかしい」
そう言いながらも、更に強く掴んで放そうとはしません。
「でも、清子を愛しているという気持ちだけは変わっていない。ここにいる為には伯母さんとの関係もやめられないし、暫らくこんな生活が続くと思うが、私を信じて待っていてくれないか?こんな私はもう嫌いか?」
妻は返事の代わりに顔を下腹部に持っていくと、優しく口に含んでくれました。
妻は夕方に帰ってきた伯母に捕まり、質問攻めにあっていました。
「私がいない間、何をしていた?」
「和美の面倒を看ながら、ゆっくりとさせて頂きました」
「まさか私の旦那様に、ちょっかいを出したりしなかっただろうね?」
「そんな事はしていません」
「本当だろうね?」
「本当です」
「2人で何の話をしている?」
「あっ、旦那様。別に何も」
「お春、疲れただろ?風呂を沸かしておいたから今から入れ。今日は私が背中を流してやる」
「えっ?旦那様にそんな事」
そう言いながらも嬉しそうに、小走りで着替えを取りに行きます。
「清子、悪いな」
「いいえ、勘一さんとの事で、ずっと信夫さんには辛い思いをさせてきました。私もこの方が、少しでも罪が軽くなるようで気が楽です。お母様と何があっても信じていますから」
私が背中を流している間、伯母はずっと泣いていました。
「今日子が眠ったらお春の部屋に行くから、それまでに化粧をし直して、布団を敷いておけ」
「本当ですか?嬉しい」
「ああ、だから今は泣くな。泣いていては化粧が出来ないぞ。その代わり今夜は朝まで、嫌と言うほど泣かせてやるから」
「旦那様、嬉しい」
毎晩伯母を抱き、伯母が勘一の病院に行く日は、昼間妻を抱くという生活が続きました。勘一は合併症まで起こし、病状は思わしくありません。
「勘一兄さん、久し振りですね」
「信夫か。俺を笑いに来たのか?」
「とんでも無いです。早く良くなってくれないかと思って」
「心にも無い事を」
「本当です。早く良くなってもらわないと、私1人でお春と清子の相手をしていては、いくら私でも身がもちません。何しろ2人共激しいですから」
「なにー。俺から母ちゃんを盗っただけでは飽き足らずに、まさか清子まで。」
「盗ったとは人聞きの悪い。お春は自分から股を開いてきたから仕方なく。それに清子は、元々私のものだったのを、勘一にいさんが無理矢理犯して盗ったんじゃないですか。清子は、あんな男に触られるのは、気持ち悪くて二度と嫌だと言っていましたよ。思い出すのも気持ち悪いから、何もかも忘れさせてと言って、毎日裸で抱き付いてきます。」
「くそー、殺してやる」
「その意気です。私を殺せるぐらい、元気になって下さいよ。早く治してもらわないと、お春にはいくら濃いのを注いでやっても心配ありませんが、そのうち清子には子供が出来てしまうかも知れません」
「絶対に殺してやる」
「私を殺すのは構いませんが、その前に死なないで下さいよ。さて、2人共身体を洗って待っていると思いますから、来たばかりで悪いのですが帰ります。何しろ、1晩に2人相手をしなければなりませんから。ゆっくり寝ていられる、勘一兄さんが羨ましいです。」
「おまえと言う奴は」
「そうだ。1つの布団に2人並べて、交互に嵌めてやればいいんだ。その方が楽ですよね?今夜はそうしてみます。じゃあまた」
「くそー、くそー」
病室を出ると、勘一の悔し泣きする声が聞こえてきました。勘一の顔を見たら私も興奮して、伯母には聞かせられない事を言ってしまい、これが伯母に伝わっては不味い事になると心配しましたが、その心配はすぐに無くなりました。私が興奮させたからだとは思いたく無いのですが、その夜少し落ち着いていた勘一の病状が急変し、明け方死んでしまったからです。
それから3ヶ月ほど経った頃、妻が妊娠している事が分かりました。
「おまえの様な嫁は出て行け。もう二度と顔も見たくない」
伯母は一人息子を亡くした上に、私まで失うかも知れない恐怖から、妻を責め続けました。
「お春、清子が出て行くなら私も出て行くよ。和美もお腹の中の子供も私の子供だ。世話になったな」
「清子だけ出て行けばいい。旦那様は行かないで。もっと尽くすから行かないで。何でもするから行かないで」
「それは駄目だ。私には子供達に責任がある。それに、俺もまだ若いからいつか所帯を持ちたいと思っていた。伯母と甥で、まさかお春と結婚する訳にもいかないだろ?」
結局、伯母と私が養子縁組をし、一周忌が終ったら妻と結婚をする。結婚をしても私は伯母の部屋で寝て、伯母との関係を続ける代わりに、妻と関係を持つ事も認める。この様な、常識では考えられないような条件で落ち着いたのですが、1番罪深いのは私です。毎日違った味の、2人の女に奉仕させ、その上この家の資産も手に入れたのです。その後男の子が生まれて清子と結婚しても、この様な関係は8年後に、伯母が脳溢血で倒れるまで続きました。
勉強の好きだった妹の今日子は、大学を出てすぐに結婚して子供を儲け、私は農業の傍ら、昔習った呉服の行商に出る様になり、南方で捕まった時に米兵からもらった、チョコレートの美味しさが忘れられずに、今日子の家に寄る時は甥の喜ぶ顔が見たくて、必ずチョコレートをお土産に持って行きました。
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チョコレートの伯父ちゃんの事を思い出している内に駅に着き、改札を出ると後ろから肩を叩かれました。
「ご無沙汰。一緒の電車だったのね。」
それは従姉の和美姉さんでした。
「ご無沙汰しています。和美姉さん一人?」
「主人は久し振りに弟と酒が呑みたいと言って、一足早く昨日から車で来ているの。私は昨夜どうしても外せない会合があったから」
「そうなんだ。でも丁度良かった。まだ時間が有るから、先に伯父さんのお墓にお参りしたいけど、どの道を行けば良かったのかな?この辺りも、ベッドタウンになってしまって、すっかり変わってしまったから」
「私も一緒に行くわ。」
以前は気にもしないでいたが、墓石の後ろには〔信夫・清子〕とだけ書いてある。
「ご先祖様のお墓は?」
「それは他の所にあるのよ。入院する前に、父が先祖の墓とは別に建てたの。その時『私が死んだらここに入れてくれ。ここには私と清子以外は誰も入れるな。死んでからは、私だけの清子でいて欲しいし、清子だけの私でいたい』と言った『いい歳をして惚気ているの』と聞いたら『おまえ達には分からん』と言って2人抱き合って泣いていたわ。しっかりしていると思っていたけれど、もう呆けていたのかな?だからここは、翌年に死んだ母と2人だけのお墓なの」
私はお墓に手を合わせると、自然と涙が出てきた。伯父ちゃん、いつも美味しいチョコレートをありがとう。
終わり
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