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書店でバイトしている天使にあの手この手で猛アタック 2

待ち合わせ場所に来た天使は、いつものジーパンとエプロン姿ではなく、チェックのシャツワンピースを着て、髪を下していた。

俺はもうそれだけでご馳走様と言って帰りたくなったが、

「行こうか」

と言ってレストランへ向かう事にした。

女ニートは俺にいくつかの知恵を授けていた。

・髪型、服装を褒めろ。
具体的に褒めろ。いつもと違っているところを褒めろ。「似合ってるね」というワードを使え。


俺はいつもと違う髪型をまず褒めた。

「今日は髪下してるんだね。ふわふわしてて似合ってる」

天使は

「ありがとうございます!本屋だと、いつもひっつめなんで頭皮が痛くて」

と、そこから少し会話が広がった。

俺は女ニートに感謝した。

・車道側を歩け。
何も言わず、さりげなく位置を入れ替わるようにして。

これももちろん実行した。

ランチはイタリアンだった。





スパゲッティが好きという情報を、女ニートはメールをしているうちに仕入れていたのだ。

そこでも指令を受けていた。

・ピザとパスタを一皿ずつ頼め。
パスタは天使に選んでもらい、ピザはお前が選べ。そしてそれをシェアしろ。

「私がパスタ好きって言ったの覚えててくれたんですね^^」

「うん。俺ピザ頼むからさ、天使ちゃんパスタ好きなの頼んでよ。で、分けて食べよう」

「はい!」

みたいな感じで、俺達は1つの皿からキャッキャウフフとピザとパスタを分け合った。

パスタのソースが俺のシャツの裾についてしまった時、天使はシミになるからと言って洗面台で俺のシャツを洗ってくれた。

服買ってもらってよかったと心底ニートに感謝した。

ユニクロのタグが見えたら悲惨だもんね。

食事中も、女ニートの用意してくれたメモに従って会話を広げた。

「~~だけど、さ、ああいう風に言われたら女の子としてどう?」

「昔の男の人ってこんなりりしい事言ってたんだなあってなんか感心しちゃいます」

みたいに、もう俺は覚えてないんだけど、小説の内容に沿ってさりげなく、

「天使ちゃんだったらどう?」

とか

「どっちの男が魅力的だった?」

という風に、天使の恋愛遍歴を聞き出す事に成功した。

・彼氏は今まで高校生の時に1人、相手は同級生で1ヶ月で別れた。
・大人の男の人が好み。

ほうほう、俺は年上だ。

これはいけるかもと希望を抱き、映画館に向かった。

映画館で、天使は俺(女ニート)とのメールで観たい映画を決めていた。

「ルビー・スパークス」

というしゃれおつな恋愛映画で、小説の中から出てきた女の子と恋をする話だった。

天使は凄く気に入って、パンフレットまで買っていた。

映画→カフェと念を押されていたので近くの小じんまりした雰囲気のいいカフェに行き、映画の感想を話し合った。

天使は

「可愛かったなー^^」

とご機嫌だった。

・恋愛映画を見た後、女の子は恋をしたくなっている。この後の予定があるか聞け!

「この後予定あるかな?もしなかったら少しブラブラしない?その後、夕食でも」

俺は周到に用意されていたセリフを言った。

「はい、今日は夜までヒマです!」

こんな幸運があっていいのかと俺はもう絶好調だった。

その日、天使は温かい物が食べたいという事だったので、個室のある鍋のお店に行き、2人でちゃんこ鍋を食べてお酒を飲んで、色んな話をした。

大学の事、将来の事、就活の事・・・俺は一応社会人だったので、自分の経験を元に経験談と多少のアドバイスをしたりして、会話は弾んだ。

・アドバイスはオッケー。ダメ出しは絶対するな。

女ニートからの忠告に従ったのだ。

ほろ酔いで店を出た俺は、駅まで彼女を送り、帰路についた。

2人とも、もう一軒行きたい感じではあったが、初めてのデートなのであまり遅くなるのも悪いと思ったのでやめた。


帰宅して女ニートに報告に上がると、満足そうにそれを聞き、

「今日は楽しかった。ありがとう。また誘ってもいいかな?」

といった内容のメールを、自分で送れと俺に指令した。

女ニートは、少しずつ俺を巣から旅立たせようとしていた。

天使からはもちろんオッケーメール

「今度は俺さんの観たい映画観に行きましょう!」

だと・・・わぉ、俺の恋は絶好調に走り出していた。

そうして、2週に1回くらい天使とデートする生活が続いた。

メールは、女ニート監修の元、俺が自分で打っていた。

女ニートはそろそろ次のステップに移ろうと提案してきた。

こんなに成人男女がデートを繰り返している。

ここらでハッキリさせておこうと。

4回目くらいのデートの前、女ニートは買い物に行こうと俺を誘ってきた。

女ニートは滅多に家から出ない事でお馴染みだったので俺はビックリしたが、もちろんここまで世話になっているわけだし、快諾した。

女ニートは神社へ行き何やらお守りを買い、雑貨屋で華奢で装飾の綺麗な高級そうなペンを買い、薬局の前で俺を待たせたまま1人で何やら買い物をした。

帰ってから女ニートは、お守りとペンを俺に渡し、

「これを天使にプレゼントしろ」

と言ってきた。

その頃になると俺達のデートは、ランチ→映画館→カフェ→居酒屋で飲み、みたいなパターンで進んでいた。

いいか、カフェで話している時にこれを渡すんだ。

「就活頑張ってね。よかったらこれ使って」

とさりげなく、あっちに気負わせる事なくさらっと・・・出来るな?と、俺に向かって神妙に囁いた。

そして、帰り、飲みの後、気持ちが緩んでる時に告白をしろ、その文句は自分で考えるのだ。

そして・・・上手くいったらこれを使え・・・と、真面目な顔して俺にコンドームを手渡した。

で、ゴムを手渡された俺は、いやいやそれはないっしょーみたいに思ったが、なるほど告白はしとくべきやなと決意した。

で、女ニートに渡された御守りとペンをプレゼントしたんだ。

天使ちゃんは、凄く喜んでた。

・実用的なもの、自分の事(就活の事)を考えてくれてるものをプレゼントして、よっぽどキモくない限り、喜ばない女はいない。

だって!

で、そのプレゼントをした日、晩飯は和食居酒屋に行ったんだけど、天使に告白したんだ。

「実は4月、初めて本屋に行った時から君が気になってたんだ。慣れない会社で嫌な事ばっかだったけど、君の笑顔を見て癒されてた。正直凄く惚れてます。付き合ってほしい」

これ凄く繰り返して練習したからマジでこの通りに言ったと思う。

自分で考えたんだ。

俺にしてみれば一世一代の大勝負よ。

ホリケン崩れのブサメンだけど、ここは男らしく決めようと思ってね。

したらなんと天使は、

「私も一緒に遊ぶようになって俺さんのさりげない気遣いとか優しさに惹かれてます。よろしくお願いします」

だってさ!!

もうね、段取り振る舞い全部考えて俺を育ててくれた女ニートに足を向けて寝られませんわ。

これが8月頭くらいの話で、めでたく付き合う事になった俺と天使ちゃん。

でも、デートは花火大会行ったりいつもの映画デートだったりであんまり変わらなかった。

キスは、なんと告白した時にしたんだ。

天使ちゃんが

「よろしくお願いします」

って言ってくれた後に、その日はちょっと頑張ってもう一軒、バーに飲みに行ったんだ。

そのバーの、トイレ前の空きスペースで分かるかな?

なんかさ、WCって書いてある先、人目につかないスペースあるじゃん?

俺がちょっとトイレっつって立って、

「じゃあ私も。ここ男女別でしたよね?」

みたいな感じで一緒にお手洗いに立った。

で、行ってみたら、男女別じゃなくて1個しかなくて、お先どうぞいやいやお先どうぞみたいにふざけあってやってるうちにチュッて。


で、花火大会とか映画とか高校生みたいなデートを繰り返している俺達だったが、進展といえば天使ちゃんが俺の事をちゃん付けで呼んでくれるようになったくらい。

俺はホリケン崩れなのでケンちゃんって感じね。

で、俺は天使ちゃんを呼び捨てで呼ぶようになった。

本名を一字変えて、まゆ、ってこれからは呼びます。

女ニートは俺に、もうやったのかと頻繁に聞いてきた。

しかしまだやってない。

ここで女ニートが久しぶりに一肌脱いでくれた。

「いいか、恐らくまゆは処女だ」

と。

俺も、ねぇ君処女かーい(^O^)/?とか面と向かっては聞けなかったが、高校の時1ヶ月付き合っただけならその可能性が高いと。

処女vs童貞の試合はそれはそれは厳しいものになるであろう、と俺を脅してきたりもした。

しかし、俺は自分のチンコパワーには自信があった。

女ニートは俺の心意気を察すると、色々アドバイスをくれた。

俺らは、実行した。

まず、普通のデートの帰りに、

「今度は大人のデートをしよう、ホテルのレストラン予約しとく。いつがいい?」

とまゆに聞いた。

ここでポイントが2つ。

・セックスをハッキリと匂わせる事。(直接エッチしよーとかはNG)

・相手に日程を選ばせる事。(女の子には生理があるからね)

これで、普通の女の子なら読み取ってくれるし、女の子の下心もカマトトぶる事も出来る。

まゆは、少し緊張したような顔をしたが、

「じゃあ、この日がいいな^^」

と指定してくれた。

で、その日にちょっといいホテルのちょっといいレストランで、俺らはコース料理を食べた。

まゆは白いワンピースに淡いピンクのカーディガンを着て、耳に真珠のイヤリングをしてきてくれた。

「20歳の誕生日にお母さんからもらったの」

と言っていた。

俺は、いつもよりお洒落して前に座っているまゆに、もう頭がクラクラしていたが、こんな所でKOされている場合でない。

もう、まゆも分かりきっていた事だとは思うが、

「この後、大丈夫?上に部屋、取ってあるんだけど、・・・」

と言った。

まゆは、頬を赤らめて、

「うん」

と言って俯いた。

<続く>

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初体験 | 【2013-12-27(Fri) 12:10:05】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]
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