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彼女の様子がおかしくなって家に行ったら 1

俺は中学から大学までエスカレーターの学校を高校入学時に受験、合格した。俺のクラスは大半が中学から上がって来た奴ばかりだったので、受験入学組の何人かは新学期から何となく浮いていた。

その中に、色白でやや太めだが可愛い感じの女子がいて、俺は一目惚れ、二学期が始まる頃には付き合うようになった。

意外とスンナリと付き合えたのは、後で思うと彼女は俺の事をまんざらでもないと考えていたとは思うが、寂しさもあったのかもしれない。

部活に入っていない俺達は、放課後毎日お互いの家で遊んだり勉強したりしていた。
処女と童貞が始めて結ばれたのは、その年の秋だった。

それからは毎日毎日、本当に猿のようにセックスばかりしていた。

高3になっても、大学受験とは無縁の俺達は毎日、多い時では一日二回なんて事もあった。ゴム買うお金が大変で、その為にお互いバイトしたり、時には外出しでやったりと…まあ、堕落した高校生活を過ごしていた。

ただ、三年になった時から少し状況が変わったのは、彼女(面倒なので圭子、俺は和重にする)がもて始めたという事。

元々ロシア係の血が入っていたのもあり顔立ちは良かったのだが、二年近くほぼ毎日セックスする事によって圭子の身体は細く、出るとこは出て引っ込むところは引っ込む、みたいな抜群のスタイルになっていた。
毎日一緒の俺としてはその変化にあまり気が付かなかったけど…
でも身持ちの硬い圭子は他の男に一切目も触れず、俺だけを見てくれていた。




そして大学進学時、お互い第一志望の同じ学部に進学する事になり、新しい生活が始まった。

大学になると、今度は下から上がって来る奴よりもう断然大学受験組が多くなり、俺達の周りは初めて見る面々ばかりだった。

そして、俺達の歯車が狂い始めた…

あいつの存在によって。

俺は体育系のサークル、圭子は文科系のサークルに入部する事になった。
大学生となると、授業やサークル、コンパやバイト等でかなり忙しくなり、自然と圭子と会う時間も少なくなっていった。しかし、それでも週に三回は会ってする事はしていたので、俺は圭子との関係は今まで通り良好で、このまま行くと結婚するのかな…とまで考えていた。

七月も終わりに差しかかった時だったと思う。丁度今くらいの季節だった。
大学進学以来、お互い忙しくてなかなかゆっくり過ごせなかった俺達は、一ヶ月も前から連休を利用した旅行を計画していた。

なのに、三日前にドタキャンされてしまった。

勿論そんな事は始めてだ。寧ろ、俺との時間は他をキャンセルしてまで取ってくれるのが当たり前だった。高校生の頃までは。

圭子に理由を聞いても、家の事情、としか言わない。自宅を敢えて出て中目黒で一人暮らしを始めた圭子。そのせいで親とうまくいってないのか、等真面目に心配していた当時の俺…
ただ、理由を言っている時の圭子の眼差しは、何となく挙動不審だったのはよく覚えている。何故なら、それまで圭子は俺に対して全面的な信頼を置いていた為だと思うが、一切曇りの無い、真っ直ぐな瞳で俺をいつも見つめていてくれていたからだ。

だから、あんな他人行儀の眼差しは今でも忘れられない。

連休に何があったのかは知らなかったが、翌週から明らかに圭子の態度が変わった。
週三で会っていたのが週二、週一と、どんどん減って行った。
しかし、俺にとってもっと耐えがたかったのは、外で俺と会っている間、圭子はずっと落ち着かない様子だった事だ。常に誰かの視線を気にしている様な感じ…

部屋に上がる機会もどんどん減っていった。
部屋もだめ、外もだめ…

一ヶ月に一度しか会っていない事に気付いた時には、圭子は他の誰かの事を好きになったのかもしれない、と考える様になった。

でも、臆病な俺はそれを認めたくなく、平静を装い続けた。今思うと、誰の為にそんな事をしていたのか…時間の無駄だと分かるのだが。

そして1~2ヶ月経過した残暑がまだ厳しい季節だったと思う。相変わらず俺は躊躇しながら意味なく時間を浪費していた時だ。
たいした親しくも無い圭子のクラスの同級生にこう言われた。

「圭子ちゃんと忠夫、いい感じだよ。美男美女というか。お前、頑張れよ」
多分、こいつ的には俺を励ましたつもりだろう。

でもこれで認めざるを得なくなった。圭子には想いを寄せる男がいる事を。
それでも尚グズグズしている俺に決定的な事があった。
圭子にはぐらかされる事が多くなった俺は、何を好んでか野郎達三人と、屋内型のプールに行ったのだ。野郎の一人が水泳部で、いろいろ試したい事があるやらなんやらで…理由詳細はスレチなんで省きます。

そこでバッタリと圭子に会ってしまった。正確には、圭子は連れの男と一緒、二人は話に夢中で、スレ違う俺の存在には全く気付いていなかった。

二年ぶりに見る水着の圭子は白っぽいビキニで、大きな胸がはみ出るような比較的小さなものだった。細い腰に、やらしく張り出したお尻を隠す程度のパンツ、真っ直ぐに伸びる長い脚、所謂抜群のプロポーションだった。

男連中が振り返るのも無理は無いと思えた…最近はご無沙汰だが、こないだまであんなイイ身体を抱いていたのかと思うと、優越感とも敗北感とも言えない妙な気分だった。

ただ、隣にいたタダオも背が高く、胸筋が発達した、それこそ外人モデルのような体つきをしており、このカップルは明らかに他と違うオーラのようなものがあったと思う。
170センチ少々でスポーツしてる割りにはそれ程筋肉質でない俺は、そんな二人に声をかけるどころか、その後鉢合わせにならないようにコソコソしてしまった。

圭子の彼氏は俺なのに…
我ながら情けない…

タダオとは四月に一度話した事があるが、彼は北海道から出て来ており、一浪して入学、だから俺達より一歳年上になる。物腰の柔らかい爽やかな、正に好青年だった。つまり、非の打ち所がない無い奴だった。
だから俺は水着で仲良く歩く二人を見ても、タダオの事を憎い、とは思えなかった。男としては情けない話だが。

自宅に戻ってから、自分自身への苛立ちやら嫉妬心で気が変になりそうだった。
いい加減、自分の情けなさに腹が立ち、俺はどうしても白黒はっきりつけたくなった。玉砕覚悟のこの思いは、今思うと自己暗示にかけて現実逃避しようとしていたのかもしれない。

俺はそれから間もなくの日曜日、圭子の部屋で話がしたいと言ったのだが、案の定というか、断られた。サークルの件で大学に行かなければならないと言う。
ならば大学で少しだけ時間をくれと迫ったが頑なに拒否された。
俺は暫く考えたが、この時ばかりはあとにひけず、大学まで行く事にした。

でも…その日大学はアナリストだかTOEICだかの試験で、関係者以外一切立ち入りできなかった…圭子は俺に嘘を付いたのだ。今まで何度もズラされたりしたが、この時は本当にショックだった。
認めたくない事実を認めざるを得なかった。

俺はフラフラと圭子の自宅へ向かった。居るはずもないのに。
そして中目黒の改札を出ようとしたところで圭子の友人の葉月が改札に入ってきた。彼女は太一という男と一緒だった。

太一は中学から上がって来たいけすかない奴で、女ばかりを追いかけてるような馬鹿男だった。でも、そこそこイケメンなので女受けは良い…俺は当然大っ嫌いだけど。
葉月は俺を見つけるとギョッとした顔をした。太一は面倒くさそうに上から見下ろす様に俺を見た。

「あ…和重君、どこ行くの?」
明らかに動揺する葉月だったが、それよりも太一の憮然とした態度がムカついた。

「ああ、圭子の家だよ」
「圭子、居ないよ。」
「えっ?…あぁ、そうか」
何となくこの二人と関わりたくなかった俺はそのまま改札を出ようとしたが、葉月が何を思ったのか、俺の腕を掴んで離そうとしなかった。

「なに?葉月ちゃん、痛いよ」
「圭子いないってば」
「分かったって。とにかく皆の迷惑だから離してよ」
この時点で何かおかしいと気付いた。

俺は葉月が腕を離した瞬間、改札を出た。すると葉月は慌てて太一に何かをけしかけるように言うと、太一は身を大きく乗り出して俺の胸ぐらを掴んだ。殆ど話した事のない男にいきなり胸を掴まれ、俺はかなり頭にきた。

「なんだよ、離せよ」
「お前、葉月が行くなって言ってんだから行くんじゃねえよ」
「なんでお前に言われなきゃなんないんだよ、離せ」
それでも離さずに、改札機の上から強引に引き寄せようとする太一に俺は逆上し、奴の胸ぐらを掴み返して大声をあげたところで駅員二人に制止された。

駅員が制止してくれなければ、この時の俺は確実に太一を殴っていたと思う。
二人の態度に頭にきたというのもあるが、圭子に対する苛立ちの方が大きかったと思う。
あっという間に人だかりができ、その輪の中で動揺する二人を見ながら俺は駅を後にした。

二人の態度から何となく胸騒ぎを感じていた俺は急ぎ足で圭子の家に向かった。
アパートの三階の圭子の部屋の前に立ったが、窓の中は真っ暗で人気はなかった。
やっぱり居ないのか…何となく拍子抜けした俺は、何気にドアノブに手をかけて回してみた。
すると鍵が掛かっておらず、ドアは開いてしまった。
家に居る時でさえ必ず鍵をかけるはずなのに…
俺はゆっくりとドアを開けた。そして、すぐにその理由が分かってしまった。

最後にドアを閉めたのは圭子ではない。28cmくらいはありそうな、大きなスニーカーの持ち主の男だった。
「やっぱりそういう事か…」
今まで認めたくなかった事が、次々に事実として表面化してくる。

圭子の部屋の構造はよく知っている。
俺はゆっくり身を屈めながらリビングの隣の六畳間を覗こうとしたその時、圭子の携帯の音が鳴り始めた。

俺は心臓が止まるかと思ったが、圭子は全く電話に出ようとせず、放ったらかし。本当は誰も居ないのか?、と思い、薄暗い部屋の奥が見えるところまで入った時、視界の先のベッドの上で圭子の姿が見えてしまった。

一見、圭子が一人で裸でうつ伏せになっているように見えたのだが、目を凝らしてみると、圭子の下に男が寝ているのが分かった。
薄暗い部屋の中では浅黒く日焼けした男の体が回りと同化しているように見えただけだった。

一瞬、軽いパニック状態になり、何が起きているのか理解出来なかったが、ゆっくりと前後に頭を振る圭子を見て、すぐに状況を理解した。
二人は69をしている最中だった…
俺は瞬間、目を逸らし後ろを向いた。

大好きな彼女が、床に無造作に転がる鳴り響く携帯には目もくれず、他の男を一心不乱にフェラしている姿を見て、現実感が無いと言うか…馬鹿見たいな話だが、頬をつねったりしていた。

しかし微かに聞こえる圭子のくぐもった喘ぎ声…現実のものであると理解するには充分過ぎた。

俺は飛び出して男をぶん殴るべきか、いや、不法侵入で訴えられないだろうか、それよりも圭子が傷つくのでは?…いや、浮気した圭子も殴ってやろうか…一生懸命冷静さを保とうとすればする程混乱していた。

そうこうしていると、男のボソボソとした低い声が聞こえ、ベッドが大きく軋む音がした。俺は見つかるかも、と思ったが、足がすくんで動けない…

次の瞬間、「あ、あんっ!だめっ…」という大きな圭子の声が聞こえ、次第にリズミカルな肉のぶつかり合う音が聞こえ始めた。

再びそっちの方をゆっくり覗いてみると、圭子はバックで男に責められていた。目を凝らして男の顔を見てみると…男はやはりタダオだった…
圭子は頭をベッドに突っ伏してお尻を高々と突き出す様な形でタダオに突かれていた。

角度的にはタダオに見つかる可能性もあった為、俺は目を伏せがちにしていた。また圭子の携帯が鳴っていたが、圭子は喘ぐばかりで、完全に携帯の存在は無視している。
そして、「もうだめ…お願い、ねぇ、お願い…」という圭子の声がしたので、チラっと覗いてみると体勢を変えようとしているところだった。

圭子の膣からタダオのあそこが引き抜かれた時、バチンと音がしそうな程、真上を向くこん棒のようなベニスが見えた。
暗がりの中でそそり立つあそこは、体格に比例して大きかったと思う。

仰向けになる圭子に、あそこを下向きに押さえ付けながら挿入していくところまでが見えた。
タダオは圭子の両胸を揉みながら、一生懸命ピストンさせていた。

暗がりの中でも、はっきりと腹筋が割れているのが見え、全身に力が入っているのか胸筋も丸く盛り上がっていた。タダオの動きは滑らかで、全身を弓の様にしならせるようにしながら出し入れしていた。

間もなく目にも止まらない位の早さでピストンしたかと思うと、圭子の「んはっ、だ、だめ…イクッ、イクイクッ!」と言う声が聞こえ、タダオは圭子の上にグッタリと覆いかぶさっていった。

圭子は俺が今まで聞いた事もない様な声をあげていた。

二人は繋がったまま、唇を貪る様にキスをしていた。いつまでもいつまでも…

俺はゆっくり部屋を出た。
さっきまで太陽が出ていたのに、外は土砂降り。
その後どうやって家に戻ったのか、正直覚えていない。頭が真っ白、本当に何も考えられなかった。

しかし、その日の夜になって届いた圭子からのメールで一気に現実世界に戻ることができた。圭子の方からメールしてくるなんて、最近では珍しい。
俺はすぐリメールする気になれず、暫く放っておいた。

<続く>

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