ゲーセンの可愛い店員 2
店内はやっぱり閑散としてたからギャラリーにじろじろ見られたりした訳じゃない(と思いたい)が、多分傍から見たら相当ヤバいツラしてたハズ。
ていうか今考えてもやっぱり状況的にありえない。普通じゃない。本当に信じられなかった。
え、なんでこんな可愛い子が?的状況。
私服になってまた可愛さがうなぎ登り。
こんな時百戦錬磨のイケメンは「ふ、俺の魅力に参ったなベイベー」とか思えるんだろうが、俺にそんな余裕はなかった。何か裏があるんじゃないかとか思いながら、冷静を装って会話が進んでいた。
「本当は、あまり店内で遊ぶのダメなんですけどね・・」と道重。
の割に君堂々としてないですか?
馴れ馴れしいというのはやっぱりあって、俺のコインなのに平気で当たりそうな馬に賭ける彼女。
穴狙いの俺に
「えーーそんなの来ないよーー!」とかツッコミ入れる。チョー可愛い。なんかもうどうでも良くなって来る。
「こっちの方が来るでしょ!」
とか言いながらバンバン押してくれちゃう。いやそれ俺のコイン・・・
なんつーか、普通隣に座るとかって結構近い存在にならないとありえないっていうか、いや、でも俺ファミレスの対面席で彼女と隣同士に座る奴とかありえないからっていうか、
だって対面席なのに、片側誰もいないとかおかしいってやっぱ。
ってそれは関係ないけど、とにかく隣に座って同じ画面操作してるとか、なんかもう指触れ合ってしまいそう。
俺もう喉乾いちゃってダメ。
あーもぅウーロンチャ飲んで落ち着きたい俺。
「なんか飲み物買ってくるよ。何飲む?」とか聞いちゃう。
「ウーロンチャ」
(わぁお! お茶好きなのね、俺と同じじゃん!)
とかもう脳みそ空っぽ。でも何故かそんなことも嬉しい俺。
お茶買いに行きながら少し気持ち落ち着けつつ、、というか少し落ち着いた。
店内伺うと、店員さんはさっきのコワモテのおっさんしかいない。
客はある程度居た。競馬の台にも正面には誰もいなかったけど、人は座ってた。
全然見えてなかった俺やばい。
席に戻ってまたプレイ再開。プレイっていうとなんかエロいけど普通にコインゲーム。
ちょっと会話が途切れた時に、
「やっぱり、彼女さんじゃないと、楽しくないですよねー」
(いやいやそんなことないです!!)
「いや、楽しいよ」と少し余裕を見せてみて・・・
このあたりになると、少しは余裕が出てきた。
「だって、彼女さん可愛かったから・・・」
(え? いや、これだから女の言う可愛いはあてになんねぇんだよなぁ・・・)
(まぁ、可愛げのある奴だけど、世間一般的に男から見たら中の下だよ。まぁブサイクってほどじゃないけどなぁ)
とか思ってしばし無言になってた。。
「あ、ごめんなさい。思い出させちゃった・・・・・?」
なんかちょっと深刻な顔!? いやありえないでしょ?
いやそもそも誤解してんだけど、つーかさっきみたいに顔ちょと近いです。
またちょっと心臓バクバクやばいかんじ。でもそれが良かったのか、
「・・いや、大丈夫、そんなことない」
とか答えちゃった俺。
切羽詰った顔? が説得力あったのかもしれない。
なんとなくそのままさっきまでの流れで楽しい感じに。
馬(と言ってもプラ製のキコキコ音立てながら動く模型)を見ながらたまに盛り上がりつつ、
なんとなくお互い名前とか自己紹介。道重は、
・23歳フリーター(どう見ても年下に見えてたからすげー驚いた)
・じつは近くに住んでる。しかも一人暮らし。
・短大卒業して、就職浪人ゲーセンバイトのまま。実はゲーセン職歴は長い。
・コワモテのおっさんは店長さん。
・今現在彼氏はいない(ここ重要)
で、道重は俺がタメだと知ってから、なんか一段と馴々度が増して、
「○○(=苗字)クン」とか呼ばれる始末。なんか変。
なんだかんだやっぱ可愛い子と遊んでるのは楽しかったのか、あっという間にコイン消費。
いや、今になって冷静に考えれば、道重の賭け方が豪快だった。
だから消費も早かったんだ。なんだそういうことか。今頃納得した。
気づけばもう19時前だった。
コイン無くなって道重が、
「もっとやってく? コイン買ってくるよ」とか言う。
いやそれはあかんでしょ。つーか店長顔怖いし。。ただでさえバイトちゃんと一緒に遊んでるとか、目付けられてそうだし。。
「いや、もう充分遊んだよw」とお茶を濁す。いや濁してない。
お茶と言えば、ウーロンチャはもう空っぽ。
まぁ、もう少し後で道重に聞いたところによると、店長には「友達がいたから少し一緒に遊んで行く」
とか言ってたみたいで、特に怪しまれたりとかはないみたいですけど。
『あまり店内で遊ぶのはダメ』ってのは店長どうこうではなくて、
店員さん(顔でばれてる)が遊んでるとか思われるのはあまり好ましくないとかそういう理由だったとかで。
ま、でもそん時のおいらには、早くこの店(状況)からは逃れたいという気持ち。
でも道重と一緒にいるのは楽しかった。
思ったより軽快なトークと素早いツッコミが心地良かった。優とは全然違うタイプで。
だから、店を後にして、なんとなく駅に向かって歩きながら、自然と
「今日はありがと」とか言ってた。素直になんか、気持ちが嬉しかった。
慰めてくれようと楽しくさせてくれた気持ちが。。
いや、そもそも慰める必要はないんだけど・・・(汗
「(彼女のこと?)忘れられた?」
とか明るく聞かれてしまった。
「いや・・・」
と、思いっきり普通に答えてしまった。だって別れてないし。
でも怪我の功名だった。
「えーー、やっぱりすぐ忘れらんないよねぇ~、やっぱ飲むか? おごるって イケルクチかい?」
なんかイケルクチとか言われちゃって少しウケた。おっさん臭いぜ君!
しかもおごってくれるって何よ。
もうそん時は美人局なんて思いは飛んでましたよ。
だって、楽しくて、腹も減ってたし、俺も酒好きだし、可愛いし、
「え!? まじ!?」
とかなんか、もう顔喜んでましたね、間違いなく。
で、結局駅の近くにあるチェーン居酒屋へ。
この店は、優と何度か行ったことがあるものの、まぁ常連ってわけでもないし、特に気にせず入店。
「いや、おごるとかは無しの方向で。割り勘でお願いしますよ」とだけ言い添えて。
そりゃ、こっちも新人とは言え社会人ですから。正社員ですしね。学生時代のバイト貯金もありましたし。
店に入ってやっぱりカウンター席。
一応、カウンター席で宜しいですか?とか聞かれたけど、普通に「はい」と答えてた。
だってねぇ、さっきから隣同士に座ってた二人が今更対面席なんてありえないでしょ、とか思った訳ではない。普通に答えただけ。。
で、店に入って少し経ってから、道重唐突に、
「もしかして、、、よく一緒に来てた?」
「ん・・・良くってことはないけど、、何度か来たことはあるかな」
「えーー言ってくれればほかのとこにしたのにぃ~」
いや、そんなこと言われましてもね、だって、おたくのゲーセンに一緒に居たわけですから・・・、
つまりここらは活動範囲かもしれないわけで、、いや、そりゃ優がいたアパートがどこにあるとか、
そういう話をしたわけじゃないので、、仕方ないっちゃ仕方ないんですけどね・・・
まぁ特に気にしてない(当然)ので、
「いや、大丈夫気にしないで」と、なんとかクリア(いや、全然クリアはしてない)
とりあえず生中で乾杯。・・・ナマナカじゃないですよナマチュウですよ。はい。
道重さんイケルクチでした。・・・変な意味ではないですよ。はい。
で、結局もう忘れるためには全部吐き出した方がいい!とかわけわからん理論で、根掘り葉掘り聞かれるハメに。。でもまだ別れてないとは口が裂けても言えないわけで・・・。
今まで先輩とか友人とかの別れ話とかからヒントを得つつ、
遠距離になったという事実と、遠距離がきっかけで、結局彼女があっちで男をつくったと、話をでっち上げたのでした。。。(俺ヒドイ・・・)
しかも、
「遠距離で心配はしてたけど、なんかあまりにも早いよね、、、
元々高校の同級生とかで、、まぁ聞きたくもないから詳しくは知らない、、」
とか淡々と語ってしまいました。。(俺役者!?)
道重が色々こっちのことを聞いてくる分、こっちも色々と聞き出すことに成功し、結局わかったことは、
・俺たち二人ともビール党(それは聞き出したとは言わない)
・ピリ辛なんとかとか、キムチとか、おつまみは辛いものが好き(それも聞き出したとか違う)
・色白の道重はやっぱり飲むと顔ピンクに染まって超可愛い(それも聞(ry
・彼氏は今まで3人いた。直近の2人は女作って振られた
(自称浮気されやすいタイプ・・意外だったので反応しまくった)
・1人目の彼氏は高校時代の相手で、こっち来てから自然消滅みたいな感じ
・実はゲーセンに俺が彼女と行くちょっと前に、最後の彼に振られてた
(ので、俺たち2人が仲良さそうに見えて、すごく羨ましく思えた、
そして、俺を見て、浮気とかしなさそうと思ったらしい・・・微妙)
・その彼とは結構長かった。半同棲に近い時代もあった
・俺みたいな優しそうな感じのヒトは結構タイプとか(いやお世辞!! つーか浮気しなさそうとかどうよ)
・俺と前彼とはタイプが全然違う。前彼はどうやらイケメンっぽい(だと聞いてて俺が思った)
・ゲーセンのバイトは、社員にという話もあったけど条件面とかで保留したままらしい
メリットあまりないのと、まだ希望職種への就職(詳細割愛)を諦めてないことも理由とか。
・ゲーセンのコワモテの店長は普通にいい人。妻子持ちで下心はないと思うとのこと(本題関係ない)
その他他愛もない話もいっぱいした。
呼び方とかも、苗字で呼んだりしてたのが怒られて、
「さゆみんって呼んで」みたいな感じで、下の名前を元にしたあだ名的な呼び方を要求されるなど、正にこれから恋人同士になって行くような、そんな流れになっりつつあった。
いや、もちろん彼女の本名はさゆみではないので、「さゆみん」はひとつの例えだと思って頂きたい。
さゆみんと書くのは個人的に微妙な感じがするので、とりあえず道重で行きます。
こっちも「○○クン(=苗字クン)」は無いんじゃないかナとかなって、
下の名前文字った同じような呼び名を要求した訳で。
で、酔うと俺も一段と饒舌になってくるし、浮気しなさそうなタイプというのに反応して、事実浮気したことあったりしたので、そんな話も素直に白状した。
俺だって浮気したんだぜ! と。
優と付き合ってる時、別の後輩ちゃんとちょっと浮気してしまった過去を。
といっても状況的にその後輩ちゃんが俺を優から取ろうとしたようなもので、俺がそれに(色んな意味で)乗ってしまったという若気の至り。
しかしその後輩ちゃんが実は処女で、俺はその状況に途中で冷めて、結局最後まではせんかったんだけども。
で、その浮気はなんつーか、後輩ちゃん別に好みじゃなかったし、
あーこないだフィギュア見てて思った。村主に似てる。全然タイプじゃない。
そして、状況に流されてしまった自分に後悔して、
正直それが原因で吐いたりもしたし、その後優をもっと大切にしようと思ったのも事実だった。
そんなことをありのままに話した。
そしたら、、
「やっぱりほんとは浮気出来るタイプじゃないじゃん!
その時一回で、自分が浮気に向かないってわかったわけでしょ。」
とか言われる始末。
んー、でも、ちょっと違うんだな・・・ま、いいんだけど(いや良くないか?)
決定的に違うのは、当時の俺は優にもっと恋してる時期だったし、火遊びがしたかっただけ、結果的に相手が処女だった(=俺に本気?まじで?勘弁しろよ!)で萎えた。
相手も遊びのつもりだったら、多分最後までやってた訳で。結構遊んでるように見えたんだよ。
そして、相手が本気で萎えた訳だけど、もしも優よりも後輩ちゃんの方が好みだったり、俺のテンション上がっちゃってたら、もっと別の結果にもなった可能性はある訳で。
そういう細かいことはとりあえず、道重に言わなかった。
そして、今目の前にいる道重は好みど真ん中直球ストライク。
それに、道重処女じゃないし(処女じゃないと自己申告した訳ではない)、火遊びでもおkおkじゃね?
いや、冷静に考えれば全然違うかもしれない。
・・・・だって俺フリーだと思われてる訳だし・・・・
あーでもまたこの子と色んな話したり色んなとこいきたい。それは素直に思った。
とにかく楽しかった。酒もすすんだ。ビールばっかりだったけど。
やっぱ飲める子と飲むと進むわけで。
あ、でも道重は最後の方はサワーとか飲んでた。普通の女の子より遥かにビールが長かったけど。
優は、、弱いからあんまし飲まない。
道重は煙草吸わないけど、煙草吸う男の人嫌いじゃないとか言う。
「初めてのキスは煙草の味でした とか憧れたなぁー」とか意味わからん。
「実際違ったけど」
とか俺別に初キスの味なんて聞いてねーし。
でも、ちょっと聞いてみたり
「(初キスは)実際どんな味だった?」と
「えーー、、、(・・・しばし考えてから・・・)ヌメッ とした感じ?」
おまえそれ舌入ってるだろ!!! つーかソレ味じゃねーよ感触だよ!!!
と、まぁくだらん話から、恋のこととか、人生について(大げさ)とか、なんか喋りまくった。
ボケればツッコミ入れてくれるし、ボケられればツッコミを入れてた。
んーーやっぱりノリツッコミ出来るって重要だよね。俺関西人だし(嘘)
あっという間に時間が過ぎてた。
飲んでると特に後半の時間経過が凄まじい。これはいつも思う。
2時間の飲み会なんて、最初の30分と同じぐらいの速度で残りの1時間半が流れたりする。
でもそれとは違った意味で、今日は最初から時間経過速度がハンパじゃなかった。
この駅からの終電時間は把握していた。終電間に合うように帰ったりしたこともあったから。
この駅自体の終電は1時ぐらいなんだけど、俺は乗り換えがあって、そっちがローカル線なので、結果的に23時を過ぎると危険。23時半までに乗ればなんとか間に合うレベル。
22時半に一度時計を見たのは記憶がある。トイレに行った時に時間を確認して、もうそろそろとか思ってた。
でも、次に見た時は既に23時を回っていた。確か23時15分とかそのくらい。
(あ、やべぇ)と思った時は遅いわけで。
すぐ会計してダッシュで電車乗り込んで接続間に合うか微妙なところ。
つーか、もうしょうがないから、タクシーしかないなと思った。
ターミナル駅まで行けば、そこから5,000円ぐらい。それなら最終は1時ぐらい。
でも腕時計見た後思考をしていた、そんな微妙な顔がバレてしまったような感じで、
「あ、時間やばい?」 とか聞かれて、正直に言ってしまった。
「じゃ急いで帰らないとダメじゃん!」とか言われたけど、
「いや、もう間に合わないんだよね・・タクシーで帰るからいいよ。
ほら、まだ残ってるし(つまみとか酒とか)、
それにもちょっと話してたいし」
で、タクシーて高いでしょ? 5,000円ぐらい え!?高いじゃん!! いや、俺がもう少し居たいから とか、そんな流れ。俺今日はリッチマンだから♪とかも言ってたかも。
で、ふと思った。
「ね、道重さ(←実際は下の名前のニックネームで呼んでますよ)、明日って仕事だったりする?」
「ううん。休みだよ」
簡単に言うと、学生時代は土日中心のバイトで入ってたけど、
フリーターになってからは平日中心で、基本土日のほうが忙しいんだけど、場所柄学生集まるから却って平日を安定して働ける人は重宝されてると。
たまに土日も出るけど、基本は平日シフト中心で、空きがあれば休日も結構入るとか。
で、土曜(明日)はお休み、日曜日は午後から仕事。
「○○クンも休みでしょ?」ええそうです。
「じゃ、オールとかでもいいじゃん? その方がタクシー代かかんないでしょ」
「あ、そっか、、、でもいいの?」
「うん。おっけーおっけー」ということに。
心の中で、ガッツポーズ。
<続く>
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え、なんでこんな可愛い子が?的状況。
私服になってまた可愛さがうなぎ登り。
こんな時百戦錬磨のイケメンは「ふ、俺の魅力に参ったなベイベー」とか思えるんだろうが、俺にそんな余裕はなかった。何か裏があるんじゃないかとか思いながら、冷静を装って会話が進んでいた。
「本当は、あまり店内で遊ぶのダメなんですけどね・・」と道重。
の割に君堂々としてないですか?
馴れ馴れしいというのはやっぱりあって、俺のコインなのに平気で当たりそうな馬に賭ける彼女。
穴狙いの俺に
「えーーそんなの来ないよーー!」とかツッコミ入れる。チョー可愛い。なんかもうどうでも良くなって来る。
「こっちの方が来るでしょ!」
とか言いながらバンバン押してくれちゃう。いやそれ俺のコイン・・・
なんつーか、普通隣に座るとかって結構近い存在にならないとありえないっていうか、いや、でも俺ファミレスの対面席で彼女と隣同士に座る奴とかありえないからっていうか、
だって対面席なのに、片側誰もいないとかおかしいってやっぱ。
ってそれは関係ないけど、とにかく隣に座って同じ画面操作してるとか、なんかもう指触れ合ってしまいそう。
俺もう喉乾いちゃってダメ。
あーもぅウーロンチャ飲んで落ち着きたい俺。
「なんか飲み物買ってくるよ。何飲む?」とか聞いちゃう。
「ウーロンチャ」
(わぁお! お茶好きなのね、俺と同じじゃん!)
とかもう脳みそ空っぽ。でも何故かそんなことも嬉しい俺。
お茶買いに行きながら少し気持ち落ち着けつつ、、というか少し落ち着いた。
店内伺うと、店員さんはさっきのコワモテのおっさんしかいない。
客はある程度居た。競馬の台にも正面には誰もいなかったけど、人は座ってた。
全然見えてなかった俺やばい。
席に戻ってまたプレイ再開。プレイっていうとなんかエロいけど普通にコインゲーム。
ちょっと会話が途切れた時に、
「やっぱり、彼女さんじゃないと、楽しくないですよねー」
(いやいやそんなことないです!!)
「いや、楽しいよ」と少し余裕を見せてみて・・・
このあたりになると、少しは余裕が出てきた。
「だって、彼女さん可愛かったから・・・」
(え? いや、これだから女の言う可愛いはあてになんねぇんだよなぁ・・・)
(まぁ、可愛げのある奴だけど、世間一般的に男から見たら中の下だよ。まぁブサイクってほどじゃないけどなぁ)
とか思ってしばし無言になってた。。
「あ、ごめんなさい。思い出させちゃった・・・・・?」
なんかちょっと深刻な顔!? いやありえないでしょ?
いやそもそも誤解してんだけど、つーかさっきみたいに顔ちょと近いです。
またちょっと心臓バクバクやばいかんじ。でもそれが良かったのか、
「・・いや、大丈夫、そんなことない」
とか答えちゃった俺。
切羽詰った顔? が説得力あったのかもしれない。
なんとなくそのままさっきまでの流れで楽しい感じに。
馬(と言ってもプラ製のキコキコ音立てながら動く模型)を見ながらたまに盛り上がりつつ、
なんとなくお互い名前とか自己紹介。道重は、
・23歳フリーター(どう見ても年下に見えてたからすげー驚いた)
・じつは近くに住んでる。しかも一人暮らし。
・短大卒業して、就職浪人ゲーセンバイトのまま。実はゲーセン職歴は長い。
・コワモテのおっさんは店長さん。
・今現在彼氏はいない(ここ重要)
で、道重は俺がタメだと知ってから、なんか一段と馴々度が増して、
「○○(=苗字)クン」とか呼ばれる始末。なんか変。
なんだかんだやっぱ可愛い子と遊んでるのは楽しかったのか、あっという間にコイン消費。
いや、今になって冷静に考えれば、道重の賭け方が豪快だった。
だから消費も早かったんだ。なんだそういうことか。今頃納得した。
気づけばもう19時前だった。
コイン無くなって道重が、
「もっとやってく? コイン買ってくるよ」とか言う。
いやそれはあかんでしょ。つーか店長顔怖いし。。ただでさえバイトちゃんと一緒に遊んでるとか、目付けられてそうだし。。
「いや、もう充分遊んだよw」とお茶を濁す。いや濁してない。
お茶と言えば、ウーロンチャはもう空っぽ。
まぁ、もう少し後で道重に聞いたところによると、店長には「友達がいたから少し一緒に遊んで行く」
とか言ってたみたいで、特に怪しまれたりとかはないみたいですけど。
『あまり店内で遊ぶのはダメ』ってのは店長どうこうではなくて、
店員さん(顔でばれてる)が遊んでるとか思われるのはあまり好ましくないとかそういう理由だったとかで。
ま、でもそん時のおいらには、早くこの店(状況)からは逃れたいという気持ち。
でも道重と一緒にいるのは楽しかった。
思ったより軽快なトークと素早いツッコミが心地良かった。優とは全然違うタイプで。
だから、店を後にして、なんとなく駅に向かって歩きながら、自然と
「今日はありがと」とか言ってた。素直になんか、気持ちが嬉しかった。
慰めてくれようと楽しくさせてくれた気持ちが。。
いや、そもそも慰める必要はないんだけど・・・(汗
「(彼女のこと?)忘れられた?」
とか明るく聞かれてしまった。
「いや・・・」
と、思いっきり普通に答えてしまった。だって別れてないし。
でも怪我の功名だった。
「えーー、やっぱりすぐ忘れらんないよねぇ~、やっぱ飲むか? おごるって イケルクチかい?」
なんかイケルクチとか言われちゃって少しウケた。おっさん臭いぜ君!
しかもおごってくれるって何よ。
もうそん時は美人局なんて思いは飛んでましたよ。
だって、楽しくて、腹も減ってたし、俺も酒好きだし、可愛いし、
「え!? まじ!?」
とかなんか、もう顔喜んでましたね、間違いなく。
で、結局駅の近くにあるチェーン居酒屋へ。
この店は、優と何度か行ったことがあるものの、まぁ常連ってわけでもないし、特に気にせず入店。
「いや、おごるとかは無しの方向で。割り勘でお願いしますよ」とだけ言い添えて。
そりゃ、こっちも新人とは言え社会人ですから。正社員ですしね。学生時代のバイト貯金もありましたし。
店に入ってやっぱりカウンター席。
一応、カウンター席で宜しいですか?とか聞かれたけど、普通に「はい」と答えてた。
だってねぇ、さっきから隣同士に座ってた二人が今更対面席なんてありえないでしょ、とか思った訳ではない。普通に答えただけ。。
で、店に入って少し経ってから、道重唐突に、
「もしかして、、、よく一緒に来てた?」
「ん・・・良くってことはないけど、、何度か来たことはあるかな」
「えーー言ってくれればほかのとこにしたのにぃ~」
いや、そんなこと言われましてもね、だって、おたくのゲーセンに一緒に居たわけですから・・・、
つまりここらは活動範囲かもしれないわけで、、いや、そりゃ優がいたアパートがどこにあるとか、
そういう話をしたわけじゃないので、、仕方ないっちゃ仕方ないんですけどね・・・
まぁ特に気にしてない(当然)ので、
「いや、大丈夫気にしないで」と、なんとかクリア(いや、全然クリアはしてない)
とりあえず生中で乾杯。・・・ナマナカじゃないですよナマチュウですよ。はい。
道重さんイケルクチでした。・・・変な意味ではないですよ。はい。
で、結局もう忘れるためには全部吐き出した方がいい!とかわけわからん理論で、根掘り葉掘り聞かれるハメに。。でもまだ別れてないとは口が裂けても言えないわけで・・・。
今まで先輩とか友人とかの別れ話とかからヒントを得つつ、
遠距離になったという事実と、遠距離がきっかけで、結局彼女があっちで男をつくったと、話をでっち上げたのでした。。。(俺ヒドイ・・・)
しかも、
「遠距離で心配はしてたけど、なんかあまりにも早いよね、、、
元々高校の同級生とかで、、まぁ聞きたくもないから詳しくは知らない、、」
とか淡々と語ってしまいました。。(俺役者!?)
道重が色々こっちのことを聞いてくる分、こっちも色々と聞き出すことに成功し、結局わかったことは、
・俺たち二人ともビール党(それは聞き出したとは言わない)
・ピリ辛なんとかとか、キムチとか、おつまみは辛いものが好き(それも聞き出したとか違う)
・色白の道重はやっぱり飲むと顔ピンクに染まって超可愛い(それも聞(ry
・彼氏は今まで3人いた。直近の2人は女作って振られた
(自称浮気されやすいタイプ・・意外だったので反応しまくった)
・1人目の彼氏は高校時代の相手で、こっち来てから自然消滅みたいな感じ
・実はゲーセンに俺が彼女と行くちょっと前に、最後の彼に振られてた
(ので、俺たち2人が仲良さそうに見えて、すごく羨ましく思えた、
そして、俺を見て、浮気とかしなさそうと思ったらしい・・・微妙)
・その彼とは結構長かった。半同棲に近い時代もあった
・俺みたいな優しそうな感じのヒトは結構タイプとか(いやお世辞!! つーか浮気しなさそうとかどうよ)
・俺と前彼とはタイプが全然違う。前彼はどうやらイケメンっぽい(だと聞いてて俺が思った)
・ゲーセンのバイトは、社員にという話もあったけど条件面とかで保留したままらしい
メリットあまりないのと、まだ希望職種への就職(詳細割愛)を諦めてないことも理由とか。
・ゲーセンのコワモテの店長は普通にいい人。妻子持ちで下心はないと思うとのこと(本題関係ない)
その他他愛もない話もいっぱいした。
呼び方とかも、苗字で呼んだりしてたのが怒られて、
「さゆみんって呼んで」みたいな感じで、下の名前を元にしたあだ名的な呼び方を要求されるなど、正にこれから恋人同士になって行くような、そんな流れになっりつつあった。
いや、もちろん彼女の本名はさゆみではないので、「さゆみん」はひとつの例えだと思って頂きたい。
さゆみんと書くのは個人的に微妙な感じがするので、とりあえず道重で行きます。
こっちも「○○クン(=苗字クン)」は無いんじゃないかナとかなって、
下の名前文字った同じような呼び名を要求した訳で。
で、酔うと俺も一段と饒舌になってくるし、浮気しなさそうなタイプというのに反応して、事実浮気したことあったりしたので、そんな話も素直に白状した。
俺だって浮気したんだぜ! と。
優と付き合ってる時、別の後輩ちゃんとちょっと浮気してしまった過去を。
といっても状況的にその後輩ちゃんが俺を優から取ろうとしたようなもので、俺がそれに(色んな意味で)乗ってしまったという若気の至り。
しかしその後輩ちゃんが実は処女で、俺はその状況に途中で冷めて、結局最後まではせんかったんだけども。
で、その浮気はなんつーか、後輩ちゃん別に好みじゃなかったし、
あーこないだフィギュア見てて思った。村主に似てる。全然タイプじゃない。
そして、状況に流されてしまった自分に後悔して、
正直それが原因で吐いたりもしたし、その後優をもっと大切にしようと思ったのも事実だった。
そんなことをありのままに話した。
そしたら、、
「やっぱりほんとは浮気出来るタイプじゃないじゃん!
その時一回で、自分が浮気に向かないってわかったわけでしょ。」
とか言われる始末。
んー、でも、ちょっと違うんだな・・・ま、いいんだけど(いや良くないか?)
決定的に違うのは、当時の俺は優にもっと恋してる時期だったし、火遊びがしたかっただけ、結果的に相手が処女だった(=俺に本気?まじで?勘弁しろよ!)で萎えた。
相手も遊びのつもりだったら、多分最後までやってた訳で。結構遊んでるように見えたんだよ。
そして、相手が本気で萎えた訳だけど、もしも優よりも後輩ちゃんの方が好みだったり、俺のテンション上がっちゃってたら、もっと別の結果にもなった可能性はある訳で。
そういう細かいことはとりあえず、道重に言わなかった。
そして、今目の前にいる道重は好みど真ん中直球ストライク。
それに、道重処女じゃないし(処女じゃないと自己申告した訳ではない)、火遊びでもおkおkじゃね?
いや、冷静に考えれば全然違うかもしれない。
・・・・だって俺フリーだと思われてる訳だし・・・・
あーでもまたこの子と色んな話したり色んなとこいきたい。それは素直に思った。
とにかく楽しかった。酒もすすんだ。ビールばっかりだったけど。
やっぱ飲める子と飲むと進むわけで。
あ、でも道重は最後の方はサワーとか飲んでた。普通の女の子より遥かにビールが長かったけど。
優は、、弱いからあんまし飲まない。
道重は煙草吸わないけど、煙草吸う男の人嫌いじゃないとか言う。
「初めてのキスは煙草の味でした とか憧れたなぁー」とか意味わからん。
「実際違ったけど」
とか俺別に初キスの味なんて聞いてねーし。
でも、ちょっと聞いてみたり
「(初キスは)実際どんな味だった?」と
「えーー、、、(・・・しばし考えてから・・・)ヌメッ とした感じ?」
おまえそれ舌入ってるだろ!!! つーかソレ味じゃねーよ感触だよ!!!
と、まぁくだらん話から、恋のこととか、人生について(大げさ)とか、なんか喋りまくった。
ボケればツッコミ入れてくれるし、ボケられればツッコミを入れてた。
んーーやっぱりノリツッコミ出来るって重要だよね。俺関西人だし(嘘)
あっという間に時間が過ぎてた。
飲んでると特に後半の時間経過が凄まじい。これはいつも思う。
2時間の飲み会なんて、最初の30分と同じぐらいの速度で残りの1時間半が流れたりする。
でもそれとは違った意味で、今日は最初から時間経過速度がハンパじゃなかった。
この駅からの終電時間は把握していた。終電間に合うように帰ったりしたこともあったから。
この駅自体の終電は1時ぐらいなんだけど、俺は乗り換えがあって、そっちがローカル線なので、結果的に23時を過ぎると危険。23時半までに乗ればなんとか間に合うレベル。
22時半に一度時計を見たのは記憶がある。トイレに行った時に時間を確認して、もうそろそろとか思ってた。
でも、次に見た時は既に23時を回っていた。確か23時15分とかそのくらい。
(あ、やべぇ)と思った時は遅いわけで。
すぐ会計してダッシュで電車乗り込んで接続間に合うか微妙なところ。
つーか、もうしょうがないから、タクシーしかないなと思った。
ターミナル駅まで行けば、そこから5,000円ぐらい。それなら最終は1時ぐらい。
でも腕時計見た後思考をしていた、そんな微妙な顔がバレてしまったような感じで、
「あ、時間やばい?」 とか聞かれて、正直に言ってしまった。
「じゃ急いで帰らないとダメじゃん!」とか言われたけど、
「いや、もう間に合わないんだよね・・タクシーで帰るからいいよ。
ほら、まだ残ってるし(つまみとか酒とか)、
それにもちょっと話してたいし」
で、タクシーて高いでしょ? 5,000円ぐらい え!?高いじゃん!! いや、俺がもう少し居たいから とか、そんな流れ。俺今日はリッチマンだから♪とかも言ってたかも。
で、ふと思った。
「ね、道重さ(←実際は下の名前のニックネームで呼んでますよ)、明日って仕事だったりする?」
「ううん。休みだよ」
簡単に言うと、学生時代は土日中心のバイトで入ってたけど、
フリーターになってからは平日中心で、基本土日のほうが忙しいんだけど、場所柄学生集まるから却って平日を安定して働ける人は重宝されてると。
たまに土日も出るけど、基本は平日シフト中心で、空きがあれば休日も結構入るとか。
で、土曜(明日)はお休み、日曜日は午後から仕事。
「○○クンも休みでしょ?」ええそうです。
「じゃ、オールとかでもいいじゃん? その方がタクシー代かかんないでしょ」
「あ、そっか、、、でもいいの?」
「うん。おっけーおっけー」ということに。
心の中で、ガッツポーズ。
<続く>
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