大学で声をかけてきた、いつも綺麗だなと思っていた先輩が…3
そんなことが二か月くらい続いたある日、いつもならミキちゃんはその日のデートスポットにボクを直ぐに案内してくれるのに、会っていきなり喫茶店に連れて行かれた。
暑い日で、アイスコーヒーを頼んだのだけれど、ミキちゃんの顔に笑顔は無く、ボクはストローでグラスの氷をくるくる回すしかなかった。
整った顔で見つめられるとそれだけで凄みみたいなものがあった。
“ボク、何かしでかした?”
途端に不安が過ぎって、ミキちゃんから目を逸らすと、
「ハルっ」
といつもとは少し違った口調で呼ばれた。
「はい」
ボクは畏まって背筋を伸ばし身体を硬くすると、ミキちゃんが言った。
「ハル、そろそろはっきりさせなきゃ駄目だよ」
「何の話…?えっ?ボク、何か悪いことしました?」
「何もしてないことが悪いのっ!」
「えっ?えっ?」
ボクが目を白黒させていると、ミキちゃんはガックリと肩を落とし、小さな声で、
「この、意気地なし」
と呟いた。
雰囲気的にミキちゃんが何を示唆しているのかは解ってきていたけれど、ボクには自分の想像に自信が持てなかった。
「ハル」
「はい」
「好きな娘にはきちんと思いを伝えないとどこかへ行っちゃうよ」
「えっ、ミキちゃん、どっか行っちゃうの?」
咄嗟にタメ口でオウム返しのように言ってしまうと、ミキちゃんはちょっと呆れた顔をしたけれど、やがてその日初めて笑顔を見せてくれた。
「ちょっと婉曲的だけど、それで許してあげる」
「え?」
「ハル、遅いよぉ」
「あの、もしかして、ボク、いまコクっちゃいました?」
ミキちゃんは微妙な表情を浮かべながらも頷くと、
「もう少しロマンチックに言って欲しかったけど、ハルの気持ち聞けたから、それで許してあげる」
そう言うと、ミキちゃんはボクを見つめながら大きく息を吐いて椅子の背もたれに身体を少し預けた。
「あの、それで、お返事は…?」
告白したのなら、返事を貰わなければと尋ねると、ミキちゃんは”あのねぇ、”と何かを言いかけたけど、その言葉を飲み込むと背筋を伸ばしてボクの目を真っ直ぐに見つめてきた。
「大好きに決まってるじゃん」
はっきりとそう言ってくれた。
「…ありがとう」
「なに、それ?まるで、私が告白したみたいになってるじゃない」
「いや、そういう訳じゃないんだけど、嬉しかったから」
ミキちゃんは、”仕様が無いわね”といった顔をして、伝票をつかむとお会計に向かった。
喫茶店を出るといつもとは駅の反対方向に向かってボクたちは歩き始めた。
“あの、ミキちゃん、そっちの方向って…”
経験の無いボクでもそちらの方向に何があるのかは知っている。
入り口で部屋の番号を選んでボタンを押すと相手の顔が見えない高さに開いた窓だけの受付があって、ボクたちは鍵を受け取った。
指し示されたエレベーターに乗って部屋に向かい、鍵を開けて中に入ったところでミキちゃんはボクの首に抱きついてきた。
ミキちゃんの胸がボクの胸に押し付けられて、もうその段階で鼻血がでそうだった。
暫く抱き合っていると、
「ハル、少し屈んで」
といわれて少し膝を折り曲げると、ミキちゃんはボクの頭に鼻を近づけてきてクンクンすると、
「いい匂い…」
と言ってくれた。
ボクはそれだけで、長年のトラウマから開放された気がした。
「ハル、キスしたことある?」
訊かれて、咄嗟にボクが頷くと、
「ハル、女の子と付き合ったことないって言ってたの、ウソ?」
と声が少し尖ったので、ボクは慌てて首を横に振った。
こんな時、美人の整った目で見つめられると、ちょっとコワイ。
「なに?相手は男の子だとでもいうの?」
頭の回転の早い、外国的な発想にボクは思わず笑ってしまった。
「ミキちゃんだよ、覚えてない?」
そう言って、小学生の時の話をすると、ミキちゃんの目に安堵の色が広がり、
「あのねぇ、キスっていうのは、こういうのを言うのっ」
そう言って唇を重ねてくると、ボクたちはいつまでもお互いに唇を吸い合っていた。
ボクがシャワーを浴びている間に、ミキちゃんはコンドーさんをどこからか見つけて、枕元においてくれていた。
ミキちゃんもシャワーを浴びて、バスタオルを巻いたままベッドに入ってきたとき、ボクはもうドキドキが止まらなくなっていた。
バスタオル一枚のミキちゃんは想像以上に色っぽくて綺麗だった。
ミキちゃんの身体は透き通るように真っ白で、お肌がすべすべだった。
ぎこちなくキスをして、映画で見たことがあるように舌をミキちゃんの薄い唇を割って滑り込ませてみた。
舌の先がミキちゃんの舌先に当たっただけだったけど、柔らかくてそれだけで興奮した。
ボクは片手をミキちゃんのおっぱいに当てて掌でゆっくりと揉んでみた。
「柔らかい!」
夢にまで見た女の人のおっぱいをボクは触っている。
今度はミキちゃんの手を取ってボクの股間に導き、爆発寸前にまで屹立したジュニアに触れてもらった。
ミキちゃんはそっと掌でボクを包んでくれたけど、それ以上は何もしなかった。
「ハル、挿れる?」
ミキちゃんに囁かれて、ボクは枕もとのコンドーさんに手を伸ばすと装着を試みた。
先っぽを被せて根元の方に伸ばそうとするが上手くいかない。
焦れば焦るほど、不器用なボクはうまく装着できなかった。
「ハル、ちょっと見てもいい?」
ミキちゃんが優しく助け船を出してくれて、ボクの股間を確認すると、
「ハル、裏返しだよぉ」
と言って、コンドーくんを外した。
そんな遣り取りの中、ボクのジュニアはすっかり委縮してしまって、うな垂れてしまっていたのだけれど、ミキちゃんの手がニギニギして少し刺激を加えると瞬く間に復活した。
ミキちゃんはもう一つコンドーくんの袋を開けて、中身を取り出すとボクに被せてくれた。
今度はスルスルとすんなり根元までの装着が完了した。
「ハル、来て」
ミキちゃんは仰向けになって膝を少し曲げると両腕をボクの方に伸ばしてくれたので、ボクはミキちゃんに覆い被さっていった。
ミキちゃんに手を添えてもらって、ボクは無事ミキちゃんへの侵入を果たした。
一番奥まで入ったとき、ミキちゃんがボクに下からしがみ付いてきたので、ボクはミキちゃんの中でその暖かな温もりをじっと感じていた。
でも、そのうちに猛烈な快感が襲ってきて、ボクはミキちゃんの中でピストン運動を開始した。
ミキちゃんの眉根に皺が寄ったのが気になったけれどやめられなかった。
そしてボクはあっという間にミキちゃんの中で果てた。
放出と共にいつもの自分に戻ると、ミキちゃんのことが気になって、
「大丈夫?」
と聞くと、
「次は、焦らないでいいからね」
そう言って優しくボクの頭を撫でてくれた。
ボクは少し反省しながらも心の中ではこっそり、
“次があるんだ”
と思って嬉しかった。
ゴソゴソと手を伸ばしてティッシュを取ると出したものでシーツを汚さないようにティッシュを当てながら引き抜いてコンドーくんを包むとティッシュに赤いものがにじんでいるのが目に留まった。
ミキちゃんの大事なところをこっそり覗くと、ミキちゃんのお尻の下辺りのシーツに血がにじんでいた。
「ミキちゃん…、もしかして…、初めて?」
思わず尋ねると、ミキちゃんはあっけらかんと、
「悪い?」
と優しい目をしながら答えた。
「ボクみたいなのが、初めてでゴメン…」
そう言うと、
「何言ってんの?ハル、素敵だったよ」
と言ってボクの頭を抱き寄せるとチュっとしてくれた。
お互いにとっての初体験の後、ミキちゃんに腕枕をしながら訊いてみた。
「ミキちゃん、いつからボクのことを気にかけてくれてたの?」
ミキちゃんは目の玉を少し上に向けて考えたあと、
「ハルが、あのハルだって判った時かな」
と答えた。
「でも、ミキちゃん、男の人に不自由しないでしょ?」
そう尋ねると、素直に頷いた。
“そりゃ、そうだよね”
見れば見るほどミキちゃんは綺麗で、口元なんかは外国の女優さんみたいに歯が白くって眩しかった。
そのことを言うと、ミキちゃんは、
「ありがとう、でも、ハルはやっぱり変わってるね」
と言った。
「えっ?」
思わず聞き返すと、ミキちゃんは、
「歯を褒める人ってあんまりいないよ」
そう言って、思いっきりニッと笑って歯を見せてくれた。
“ボクよりもミキちゃんの方が何倍も変わっていると思うけど…”
でも、口には出さずに黙っていた。
ミキちゃんの歯並びは元々はすごく悪くって、外国でとても恥ずかしい思いをしたらしい。
ミキちゃんのご両親には、少し早めにミキちゃんと一緒に暮らし始めることを許してもらって、ボクたちは少しだけ広めのマンションを借りた。
近所の川べりには、幹の太い桜の木があって、春になると立派な花を咲かせるらしい。
一緒に暮らし始めたその夜、ゆっくりゆっくりミキちゃんを突いていると、ミキちゃんはボクの頭を撫でながら、
「中で出していいよ」
と言ってくれた。
ボクがミキちゃんを強く抱きしめると、ミキちゃんはボクの耳元で囁いた。
「ハルの赤ちゃん、早く欲しいな」
昔よく面倒を見てくれたお姉さんはボクのお嫁さんになった。
ボクたちは今でもご近所でオシドリ夫婦として知られている。
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暑い日で、アイスコーヒーを頼んだのだけれど、ミキちゃんの顔に笑顔は無く、ボクはストローでグラスの氷をくるくる回すしかなかった。
整った顔で見つめられるとそれだけで凄みみたいなものがあった。
“ボク、何かしでかした?”
途端に不安が過ぎって、ミキちゃんから目を逸らすと、
「ハルっ」
といつもとは少し違った口調で呼ばれた。
「はい」
ボクは畏まって背筋を伸ばし身体を硬くすると、ミキちゃんが言った。
「ハル、そろそろはっきりさせなきゃ駄目だよ」
「何の話…?えっ?ボク、何か悪いことしました?」
「何もしてないことが悪いのっ!」
「えっ?えっ?」
ボクが目を白黒させていると、ミキちゃんはガックリと肩を落とし、小さな声で、
「この、意気地なし」
と呟いた。
雰囲気的にミキちゃんが何を示唆しているのかは解ってきていたけれど、ボクには自分の想像に自信が持てなかった。
「ハル」
「はい」
「好きな娘にはきちんと思いを伝えないとどこかへ行っちゃうよ」
「えっ、ミキちゃん、どっか行っちゃうの?」
咄嗟にタメ口でオウム返しのように言ってしまうと、ミキちゃんはちょっと呆れた顔をしたけれど、やがてその日初めて笑顔を見せてくれた。
「ちょっと婉曲的だけど、それで許してあげる」
「え?」
「ハル、遅いよぉ」
「あの、もしかして、ボク、いまコクっちゃいました?」
ミキちゃんは微妙な表情を浮かべながらも頷くと、
「もう少しロマンチックに言って欲しかったけど、ハルの気持ち聞けたから、それで許してあげる」
そう言うと、ミキちゃんはボクを見つめながら大きく息を吐いて椅子の背もたれに身体を少し預けた。
「あの、それで、お返事は…?」
告白したのなら、返事を貰わなければと尋ねると、ミキちゃんは”あのねぇ、”と何かを言いかけたけど、その言葉を飲み込むと背筋を伸ばしてボクの目を真っ直ぐに見つめてきた。
「大好きに決まってるじゃん」
はっきりとそう言ってくれた。
「…ありがとう」
「なに、それ?まるで、私が告白したみたいになってるじゃない」
「いや、そういう訳じゃないんだけど、嬉しかったから」
ミキちゃんは、”仕様が無いわね”といった顔をして、伝票をつかむとお会計に向かった。
喫茶店を出るといつもとは駅の反対方向に向かってボクたちは歩き始めた。
“あの、ミキちゃん、そっちの方向って…”
経験の無いボクでもそちらの方向に何があるのかは知っている。
入り口で部屋の番号を選んでボタンを押すと相手の顔が見えない高さに開いた窓だけの受付があって、ボクたちは鍵を受け取った。
指し示されたエレベーターに乗って部屋に向かい、鍵を開けて中に入ったところでミキちゃんはボクの首に抱きついてきた。
ミキちゃんの胸がボクの胸に押し付けられて、もうその段階で鼻血がでそうだった。
暫く抱き合っていると、
「ハル、少し屈んで」
といわれて少し膝を折り曲げると、ミキちゃんはボクの頭に鼻を近づけてきてクンクンすると、
「いい匂い…」
と言ってくれた。
ボクはそれだけで、長年のトラウマから開放された気がした。
「ハル、キスしたことある?」
訊かれて、咄嗟にボクが頷くと、
「ハル、女の子と付き合ったことないって言ってたの、ウソ?」
と声が少し尖ったので、ボクは慌てて首を横に振った。
こんな時、美人の整った目で見つめられると、ちょっとコワイ。
「なに?相手は男の子だとでもいうの?」
頭の回転の早い、外国的な発想にボクは思わず笑ってしまった。
「ミキちゃんだよ、覚えてない?」
そう言って、小学生の時の話をすると、ミキちゃんの目に安堵の色が広がり、
「あのねぇ、キスっていうのは、こういうのを言うのっ」
そう言って唇を重ねてくると、ボクたちはいつまでもお互いに唇を吸い合っていた。
ボクがシャワーを浴びている間に、ミキちゃんはコンドーさんをどこからか見つけて、枕元においてくれていた。
ミキちゃんもシャワーを浴びて、バスタオルを巻いたままベッドに入ってきたとき、ボクはもうドキドキが止まらなくなっていた。
バスタオル一枚のミキちゃんは想像以上に色っぽくて綺麗だった。
ミキちゃんの身体は透き通るように真っ白で、お肌がすべすべだった。
ぎこちなくキスをして、映画で見たことがあるように舌をミキちゃんの薄い唇を割って滑り込ませてみた。
舌の先がミキちゃんの舌先に当たっただけだったけど、柔らかくてそれだけで興奮した。
ボクは片手をミキちゃんのおっぱいに当てて掌でゆっくりと揉んでみた。
「柔らかい!」
夢にまで見た女の人のおっぱいをボクは触っている。
今度はミキちゃんの手を取ってボクの股間に導き、爆発寸前にまで屹立したジュニアに触れてもらった。
ミキちゃんはそっと掌でボクを包んでくれたけど、それ以上は何もしなかった。
「ハル、挿れる?」
ミキちゃんに囁かれて、ボクは枕もとのコンドーさんに手を伸ばすと装着を試みた。
先っぽを被せて根元の方に伸ばそうとするが上手くいかない。
焦れば焦るほど、不器用なボクはうまく装着できなかった。
「ハル、ちょっと見てもいい?」
ミキちゃんが優しく助け船を出してくれて、ボクの股間を確認すると、
「ハル、裏返しだよぉ」
と言って、コンドーくんを外した。
そんな遣り取りの中、ボクのジュニアはすっかり委縮してしまって、うな垂れてしまっていたのだけれど、ミキちゃんの手がニギニギして少し刺激を加えると瞬く間に復活した。
ミキちゃんはもう一つコンドーくんの袋を開けて、中身を取り出すとボクに被せてくれた。
今度はスルスルとすんなり根元までの装着が完了した。
「ハル、来て」
ミキちゃんは仰向けになって膝を少し曲げると両腕をボクの方に伸ばしてくれたので、ボクはミキちゃんに覆い被さっていった。
ミキちゃんに手を添えてもらって、ボクは無事ミキちゃんへの侵入を果たした。
一番奥まで入ったとき、ミキちゃんがボクに下からしがみ付いてきたので、ボクはミキちゃんの中でその暖かな温もりをじっと感じていた。
でも、そのうちに猛烈な快感が襲ってきて、ボクはミキちゃんの中でピストン運動を開始した。
ミキちゃんの眉根に皺が寄ったのが気になったけれどやめられなかった。
そしてボクはあっという間にミキちゃんの中で果てた。
放出と共にいつもの自分に戻ると、ミキちゃんのことが気になって、
「大丈夫?」
と聞くと、
「次は、焦らないでいいからね」
そう言って優しくボクの頭を撫でてくれた。
ボクは少し反省しながらも心の中ではこっそり、
“次があるんだ”
と思って嬉しかった。
ゴソゴソと手を伸ばしてティッシュを取ると出したものでシーツを汚さないようにティッシュを当てながら引き抜いてコンドーくんを包むとティッシュに赤いものがにじんでいるのが目に留まった。
ミキちゃんの大事なところをこっそり覗くと、ミキちゃんのお尻の下辺りのシーツに血がにじんでいた。
「ミキちゃん…、もしかして…、初めて?」
思わず尋ねると、ミキちゃんはあっけらかんと、
「悪い?」
と優しい目をしながら答えた。
「ボクみたいなのが、初めてでゴメン…」
そう言うと、
「何言ってんの?ハル、素敵だったよ」
と言ってボクの頭を抱き寄せるとチュっとしてくれた。
お互いにとっての初体験の後、ミキちゃんに腕枕をしながら訊いてみた。
「ミキちゃん、いつからボクのことを気にかけてくれてたの?」
ミキちゃんは目の玉を少し上に向けて考えたあと、
「ハルが、あのハルだって判った時かな」
と答えた。
「でも、ミキちゃん、男の人に不自由しないでしょ?」
そう尋ねると、素直に頷いた。
“そりゃ、そうだよね”
見れば見るほどミキちゃんは綺麗で、口元なんかは外国の女優さんみたいに歯が白くって眩しかった。
そのことを言うと、ミキちゃんは、
「ありがとう、でも、ハルはやっぱり変わってるね」
と言った。
「えっ?」
思わず聞き返すと、ミキちゃんは、
「歯を褒める人ってあんまりいないよ」
そう言って、思いっきりニッと笑って歯を見せてくれた。
“ボクよりもミキちゃんの方が何倍も変わっていると思うけど…”
でも、口には出さずに黙っていた。
ミキちゃんの歯並びは元々はすごく悪くって、外国でとても恥ずかしい思いをしたらしい。
ミキちゃんのご両親には、少し早めにミキちゃんと一緒に暮らし始めることを許してもらって、ボクたちは少しだけ広めのマンションを借りた。
近所の川べりには、幹の太い桜の木があって、春になると立派な花を咲かせるらしい。
一緒に暮らし始めたその夜、ゆっくりゆっくりミキちゃんを突いていると、ミキちゃんはボクの頭を撫でながら、
「中で出していいよ」
と言ってくれた。
ボクがミキちゃんを強く抱きしめると、ミキちゃんはボクの耳元で囁いた。
「ハルの赤ちゃん、早く欲しいな」
昔よく面倒を見てくれたお姉さんはボクのお嫁さんになった。
ボクたちは今でもご近所でオシドリ夫婦として知られている。
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