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彼女をオカマに寝取られたと思っていたが…2

悶々としていた俺に連絡があったのは、その日の夜の事だった。

今から来ていいかとの美樹の声に、少しだけ安堵を感じた。


そして、美樹は俺の部屋にやって来た。

慣れた感じで、俺の部屋に入ってきた美樹。

服装もかなり大人っぽい感じになっていた。

メガネはかけていなかった。

「ちょっと、外はさむいよー」

無邪気に微笑む美樹。

俺はその顔を見て、よっちゃんの店の事を聞くのはやめようと決めた。

今はここに美樹がいる。それでいいじゃないかと。

と、俺は何も言わずに、ぎゅっと美樹を抱きしめた。

「どうしたの?な、なに?」

「美樹。好きだよ」

と、俺は美樹の唇に触れた。




いつものようにキスした俺。いつもの・・・?!

美樹の唇から舌が、俺の唇を割って入ってきた。

そして、美樹の舌は俺の舌に絡み付いてきた。

美樹の舌はねっとりと俺の口の中で、まるで生き物のようにむさぼり動いた。

そして、いつものキスではない、キスを俺たちは終えた。

「うれしい。・・・・でも」

「でも?」

「なんでもない。続きしよ」

美樹ではない。こんなに積極的なわけない。と思う俺の前で美樹は、

「ほら、脱がせてね」

と、挑発的に言ってきた。

美樹の服を脱がすって?だっていつも風呂場で自分の服は脱いで、バスタオル巻いて・・・

俺の頭は少し混乱していた。

見透かすように美樹は俺の手を取り、俺の手を自分の服を脱がすように添えさせた。

「ユウスケくん」

俺は、美樹の指示のまま、服を脱がせた。

そこには、赤いブラがあった。

「ねぇ、どう?これ?」
「いいんじゃないか」

そういうのが精一杯だった。

美樹らしくないけど、美樹なんだと言い聞かせて、行為に没頭しようとした。

「あぁん」

美樹の口からもれる吐息。

声を出す事さえ、ためらっていたのに。どうした?

「あーん」

俺は、美樹を抱くのを止めた。

「美樹、どうした?なんかあったのか?」
「どうして?そんなこと聞くの?」

「なんかあったんじゃないか」

しばらくの沈黙。

美樹は、その沈黙をやぶった。

「・・・・あったよ。なんか」

「なんかって?」
「・・・・聞きたいの?・・・・」

美樹の目は、聞くなと俺に言っている。でも知りたい。なにがあったか?

俺は彼氏なんだから。

「・・・・教えてくれ」

「・・・・・本当は今日、さよならを言おうと思って来たの。

・・・でも、抱きしめられて、好きだって言ってくれたから。

うれしかった。・・・だから、どうでもよくなっちゃったの。ユウスケの事が好き。

好きよ。で、でもね」

「・・・・・・・・」

「ごめんなさい。だから、最後に抱かれようと思って。思い出に・・・」

「・・・・・・・・」

頭の中が真っ白だ。なにも考えられない。どうした?なんで?なんでだ?

「・・・・・・・・」

「・・・ごめんね。ねぇユウスケ、ユウスケもなにか言ってよ」

ぐらんぐらんする頭で、『俺も思い出にするよ。』っていうのを待ってる美樹に別のことを言いたかった。

ふざけるな。か、馬鹿にするな。か、思い出で抱いてくれってドラマじゃないんだぞ。

そんなものわかりのいい男でもない。

そもそもなんで、こんなことに・・・。よっちゃんか!

よしおだがよしろうだがわからんが、あのオカマのインポ野郎か。

美樹の口からこいつの名前を聞いたら、おれはかなりへこむ。へこむが・・・。

聞いてやろう。聞いてやろうじゃないか。

全部、聞いてやろうじゃないか。

「よっちゃんか?」

「うん。・・・わかっちゃったんだ」

覚悟はしていたが、へこんだ。
もういいやって逆に冷静になってる自分もいた。

「あの日の夜、よっちゃん家に泊まったでしょ。

ユウスケは先に眠っちゃったから、わからないでしょうけど。

私、大変だったんだから。ベッドの上でよっちゃんと話してたら、よっちゃんが私にじゃれついてきたの。

ユウスケを起こしたんだけど、起きなくて。

私、だんだんよっちゃんにされるがままになってきて・・・。

あっ、誤解しないでよ。まだ、最後はないのよ。最後までは」

「・・・・・・・・」

「で、よっちゃんは、はい、じゃれあい終了って言って。
後は彼氏としなさいなんて言ってくれたの。

その時、ああこれがよっちゃんなりのスキンシップなのかなって。
ほらよっちゃん、ハートは女でしょ。

だから私にこうして彼氏と楽しみなさいって教えてくれたのかと思って」

「・・・・・・・・」

「化粧のやり方や服装の選び方なんかよっちゃんに聞きにいって・・・。

ユウスケは最近、芝居も忙しいから、ちょっとさみしくなって、よっちゃんに相談しにいったの。

よっちゃんは、相談に乗ってくれて、お酒も飲んでる内にまたスキンシップが始まって、気がついたら・・・」

「・・・・・・・・」

「そうしているうちになんかよっちゃんに魅かれてる自分に気づいたの。
私、この人好きみたいな」

「・・・・・・・・」

「ごめんね。ごめんなさい」

「・・・・・・・・」

「それで、よっちゃんもユウスケにあやまりたいって。入ってもらっていい?」

「・・・・・・えっ、ここにきてるのか?」

「うん。入ってもらうね」

俺はどこまで、コケにされればいいのか。
腹が立つより、あまりの展開の速さに俺はあきれていた。

ただ心の片隅に興奮というか楽しさを感じていた。普通じゃ絶対ありえんぞ。
オカマに取られる、いや寝取られるなんて。

傍らにあった安酒のウイスキーをラッパ飲みした。


照れくさそうな、ばつが悪そうな顔でよっちゃんは入ってきた。

初対面の印象からそうなのだが、オカマと言わずにいれば普通の男だ。

この30過ぎの童顔野郎は・・。

「美樹ちゃんからきいてもらった?そういうことなんで、ごめんなさいね」

変なアクセントで、あやまる童顔野郎。

普通ならぶん殴るとか、帰ってくれなんて考えるところだったが、安酒のウイスキーが逆に俺の頭をはっきりさせた。

そうだ。これは使える。芝居になる。こんなシチュエーションめったにない。
いいホンが書ける。ここで演出してやる。オカマ、女、そして俺の本性見てやる。

いっちょまえの芝居青年になっていた。

俄然、やる気になった俺。

「よっちゃん、・・・本名は?」
「よしおです」

「よしおさんは、美樹のこと、好きなんですか?」
「好きよ!」

よしおのよこに座っている美樹。うっとりとよしおの顔をみつめている。

「美樹。美樹はよしおの事が好きなのか?」

少し威圧気味に美樹に問いかける俺。察する二人。

返答に困る美樹。困惑するよしお。

「さっき、俺の事が好きだって言ったよな。よしおと俺、どっちが好きなんだ?」

完璧に威圧する俺。

黙っている二人。

そして、美樹はよしおに懇願するように、よしおをちらちら見る。

よしおは俺と向き合い

「そんな言い方ないんじゃないの。美樹ちゃん、怖がってるじゃない」

「言い方じゃないんだよ。よしおさん。俺は本気で聞いてるんだ。

俺の人生がかかってるんだ。わかるよな。あんたらなら」

「・・・・・・・・」

びびりが入るのかよしお、無言になる。

美樹はよしおから俺をみつめだす。

「美樹。俺はお前が好きだ。おまえなしでは生きていけない。
それでもよしおをとるのか?」

俺は、美樹の目に訴えた。

俺の演技、台詞はお前に届いてるか?

美樹の目は、潤んだ。

勝った。とりあえず、先手はとられたが盛り返した。

そして、美樹の目から涙がこぼれた。

「ご・・・」

どっちのごめんなさいか、俺にはわからない。が、勝利を確信する俺。

これで抱きしめれば・・・。

その瞬間、よしおが泣き出した。本当に唐突にだ。

「ユウスケくん。ごめんね。私もこの子がいないとどうしていいかわからなくなるの」

大粒の涙をこぼすよしお。美樹は自分の涙をぬぐうと、よしおの涙をぬぐい始めた。

下を向き、泣いているよしお。その横で涙をぬぐう美樹。

やられたと思った。すべてはふりだしだ。思った以上にこのオカマやるな。
ハートは女か、女心ってやつなのか。

その後、俺は思いつくまま、最大限の力を振り絞り、美樹の心を俺に向けさせようとした。

知ってる限りの台詞、演技で・・・

しかし、よしおはことごとく盛り返して、美樹の心を掴んでいった。

だんだんと美樹の事より、このオカマいやオカマじゃないおっちゃんに勝ちたくなってきた。

なんかいい手はないか?

・・・俺が攻めるから返される。・・・じゃあ相手に攻めさせればいい。

どんな手で・・・。そう、どうやって美樹を落としたのか、俺が学べばいい。

そこにきっとよしおの弱点があるはずだ。

それを俺は耐えられるのか?・・・耐えてみようじゃないか。


「ねぇ、よしおさん。よしおさんのスキンシップってのを見せてよ。ここで」

できるだけ平穏に言う俺。

美樹に衝撃が走る。

「えっ、ユウスケくん、なに言ってるの?どうしたのよ?」

あわてふためく美樹。そして、よしおは・・・。

平然と俺の顔をじっと見て、いいのかよって語りかけているようだった。

「ねぇ、やめよ。もう。ごめんね。ユウスケくん。・・・よっちゃんもやめようよ」

と言い終わろうとした瞬間、よしおは美樹の体をぐっと自分に引き寄せた。

「えっ・・・」

何かを言おうとした美樹の唇を強引に奪う。

かっと驚きで開かれた美樹の瞳は、よしおの体を引き離そうと必死だったが、しだいに引き離す力がなくなるように静かに閉じられていった。

しかし次の瞬間、最後の力を振り絞るようによしおから離れる美樹

「・・・。もういや。かえる」

と、立ち上がろうとした美樹を背後からすばやく抱きしめるよっちゃん。

その右手は、美樹の胸に、左手は美樹の股間に。

「い、いや。・・・よっちゃん」

その手の力を込めるよっちゃん。

「はぁう」

思わず声の上がる美樹。

その声のあがるのとほぼ同じく、よしおの手は美樹の服の下に手を入れた。

「・・ちょ、ちょっと見ないで。ね。ユウスケ」

そして、美樹のセーターは赤いブラが露になるまでまくりあげられ、スカートもストッキング越しに赤いショーツが見えるまでたくし上げられた。

「美樹ちゃん。ユウスケくんに見せてあげよう。ねぇ」

「いや。いや」

口では嫌がるのだが、もう逃げることを美樹はしていなかった。

よしおはスカートのホックをはずし、チャックもおろした。

自ら腰をあげ、その行為を助けているようにも見える美樹。

そして、スカートは脱げた。

「ユウスケくん。知ってる?美樹ちゃんの胸のサイズ。今、E65になったの。
矯正下着のおかげでね。

矯正下着なんてわからないわよね。ユウスケ君には。
・・・そのお祝いに私が彼女にこの下着あげたの」

「あぁん」

よしおの手は巧みに美樹の胸を愛撫し続ける。

「きれいでしょ。でも、・・・ねぇ、美樹ちゃん、ストッキング脱いじゃおうよ? ねぇ、いいよね。もう」

「ぃやぁ。それはいや」

「お願い。そうしないとせっかくの下着が、美樹の下着が汚れちゃうわ。
いいの?それでも。私が選んであげた下着を汚さないで。ね」

「・・・ぅうん。・・・やっぱりぃや」

「今日に限って、わがままな子ね。やっぱりユウスケ君が見てるからなのかな。

大丈夫よ。ユウスケ君はそんなことじゃ美樹ちゃんを嫌いになんかならないわ。

君のきれいな体をユウスケ君も見たいのよ。

今日まで一生懸命、矯正してきた体だもん。きっとユウスケ君もきれいだって言ってくれるわ。ね、だから、お、ね、が、い。いい子だから」

「・・・本当?」

「・・・本当よ。ほら、上も脱いで」

よしおはセーターを脱がせた。そして、美樹を抱えるように立ち上がらせた。

美樹が躊躇した瞬間、

「きれいだよ。美樹。ほら、ユウスケ君もうっとりしてる」

美樹は俺の視線を確認する。仕方なくうなずく俺。

美樹はストッキングを自分で脱ぎ始めた。

そして脱ぎ終わると、

「美樹ちゃん、きれいよ。とってもきれいよ」

といって、よしおは美樹のストッキングを受け取り、また後ろから美樹を抱きしめた。

美樹は、火照っていた。半分開いた瞳で俺の方を見た。

・・・俺は微笑んだ。もういい。最後まで見せてもらおう。

美樹の目は開き、そして、背後にいるよしおの方を向き直り、そして激しくよしおの唇を奪った。

むさぼりつくすような激しいキス。

そして、力が抜けたようにその場に座り込んだ。

「ものすごくいい子だわ。ユウスケ君もきっと大満足。ね、ほら今度は、美樹ちゃんのきれいな体見てください。ね」

ブラを脱がすよしお。形のいいきれいな乳房があらわれた。

ピンク色に上気した肌、乳首もピンと上を向いていた。

よしおはやさしくその乳首を指でもてあそび始めた。

「ぁあん。ぁん。ぁん。あん」

もう美樹はよしおのなすがままだった。

美樹の赤いショーツはすでにぐっしょり濡れていた。

離れたところで見ていてもはっきりかわいた部分と濡れている部分がわかってしまうほど。

よしおは美樹の乳房を愛撫し続ける。

「どう気持ちいい?いいの?」

「ぅん。うん。ぁんあん。あん」

「それじゃ、わかんないわ。ユウスケ君も知りたがってるのよ。ほら」

乳首が強くもみしだかれる。

「あーーーん。きもち、い、い。きもちいいよ。も、もっと」

「素直。じゃあ背中責めて上げる」

うなじあたりを舐め始めるよしお。

「ぎゃん。きゃん。あん」

激しく感じ始める美樹

「ねぇ、も、もう、わ、わわたし、あーーーん。」

もんぞりうって寝転がる美樹。

「はぁはぁはぁ。もうだめ。もうだめ」

やさしく背中を触るよしお。

よしおは俺の方をみて

「びんびんなんでしょ。ね。わかるわ」

と、美樹の方を見て

「ユウスケ君がビンビンなの。美樹ちゃんのせいだから。なんとかしなくちゃね。」

「ぇ、な、なぁに」

「ほら、美樹ちゃん、ユウスケ君のもさわってあげたら」

「ぁ、ぁ、ぅん」

美樹は俺のジーンズの上から俺のモノを触り始めた。

言われるまま、されるがままの美樹が初めて自分の意志で動き始めた。

よしお、すげぇ。ここまであやつれるのかよ。俺は美樹の変貌ぶりよりもよしおに驚愕していた。

「ほら、ユウスケ君もジーンズ、脱いで!美樹ちゃんに協力してあげて」

俺も、よしおの言葉に従った。

美樹の前に俺のモノはいきり立っていた。

「ねぇ、ユウスケ君、私のこと。すき?ねぇ」

「・・・好きだよ」

「・・・ぅれしぃ。・・・きらいにならないでぇ」

美樹は俺のモノをその手で包み、静かに上下に動かし始めた。

まだぎこちなさが残る手コキだった。

「はぁぁー」

美樹の手は、止まった。

よしおが美樹のショーツの中を触り始めたからだった。

「美樹、ここすごいことになってるわ。もう、ショーツ、びちょびちょだわ」

「はぁわぁーーー」

美樹は俺のモノをつかんだまま、喘ぎはじめた。

いままで見た事をない声のあがり方だった。

「ぅううううわぁーー。あん。あん。あーーーーーーーーーーーーーーーーん」

よしおの手が止まった。

「あーーーーーーん」

美樹は、倒れこんだ。

肩で息していた。

「はぁはぁはぁはぁ」

「美樹ちゃん、気持ちよかった?」

「はぁはぁはぁはぁ」

「気持ちよかったの?」

「はぁはぁはぁ」

「どうだったの?」

「はぁはぁはぁ、き、き、きもちよ、よかったで、す」

「・・・で、美樹は誰とつきあうの?」

「・・・・ぇ」

「誰とつきあうの?」

「・・・・・・・ょっ、ょっちゃ、ん・・・・よっ、ちゃんよ」

美樹は、また倒れこんだ。


俺は完膚なきまでに叩きのめされた。

だが、俺のモノは今にも暴発寸前なまで高まっていた。

よしおは俺を見た。

そして、俺に近づいた。

俺の耳元で、よしおはつぶやいた。

「いきたいんでしょ。いかせてあげるわ」

とよしおは、俺のモノを静かにその手で動かし始めた。

美樹と比べ物にならない見事なまでの手コキだった。

俺はすぐにいってしまった。

幸いな事に美樹は、倒れたままで俺のその姿を見ていなかった。

「美樹、シャワーあびなさい!」

美樹は、おもむろに立ち上がり、ユニットバスへと消えていった。


俺は下半身丸出し、半立ちのモノからは精液がこぼれたまま。

床にも俺の精液が・・・。

無様だった。だが、俺はよしおに最後のプライドを振り絞り

「・・・美樹は頼みますよ。幸せにしてあげてください」

よしおは、俺の視線の先まで顔を近づけてきた。

「・・・・馬鹿ね。ユウスケ君。私がほんとに好きなのは、あなたなのよ」

と、よしおは俺にキスをした。

驚きのあまり、されるがまま、よしおのキスを受け入れてしまった。


「感心したわ。ここまで強い子はじめてだわ。
あなた、過去によっぽどの経験があるのね。

途中から、というより初めからあなた、美樹のことより私にどう勝つのか考えてたでしょ。ケツの青い芝居少年って感じがしたわ。

でも、けっこうやるわね。私も本気になったからね。

・・・山内君から面白い後輩がいるって聞いて、私会いたくなってね。

連れてきてね って言ったら、彼女連れでしょ。私、むかついちゃって。

別れさせちゃおうって考えたのよ」

「・・・・・。」

「怒らないでよ。ねぇ。オカマバーに彼女連れはまずいでしょ。
それもまじめそうな子は・・・。

美樹はいい子だけど、あなたには合わないわね。うん。大丈夫よ。

私もつきあう気ないから。あなたに返してあげる。

してないわよ。してないわ。私、オカマよ。君となら考えるけど」

「・・・・・。」

「あ、それから、あなたのこれから創る芝居、スポンサーというよりパトロンになってあげる。面白いものみせてくれそうだもんね」

微笑むよしお

「・・・・・、くそつまんないかも。山内先輩のように」

「あの人には出さないわよ。あなただからよ。

・・・私と付合いたくなったら、いつでも言ってよね。

よろこんで、つきあったあげる」

俺は、憎まれ口の一つも叩けなかった。


ユニットバスからでてくる美樹。

「美樹ちゃん。行こうか。送っていってあげるわ」

「ぇ、だって、よっちゃん、今日泊まるって・・・」

「はいはい。今日は帰りましょ。ね」

呆然としている俺を気遣うように、二人は出て行った。

美樹は、俺には何も言ってはくれなかったが・・・。


こうして俺とよっちゃん、美樹の一夜は終わった。

次の日、俺は妙に目覚めがよかった。

なにかひとつふっきれたものを感じていた。

そんな中、芝居の稽古は始まり、終わっていき、何日かが過ぎた。


舞台の幕は上がった。

三日間の公演は成功に終わった。

俺の演技はなかなかの評判を呼んだが、それ以上に俺は役者よりも演出に興味があった。

次は演出してやる。あのよしおには負けないぞ。と。

美樹もよしおも芝居は見に来ていた。

一緒ではなく、別々にだった。

表で出向けたとき、美樹は一人で俺に軽く会釈をしていった。

よしおは美樹とは別の日に、終わった後、飲みに連れて行かされた。

そこで、よしおは、美樹とは別れたとあっさり俺に告げた。


桜のつぼみの頃、俺は学校に言った。
成績書を取りに行く為だった。

意外にもいくつか可があった。

驚いたのは美樹にノートを借りたあの講義は、優だったことだ。

唯一の優だった。

「美樹にお礼、言わないとな」

正直、会わないようにしていればこのキャンパスでは会うことはない。

ただ、美樹がどこにいるかなんてすぐおれにはわかった。


いつもの学食に美樹はいた。

そこには、出会った頃の美樹がいた。

メガネをかけて、ちょっと真面目そうな格好の美樹が・・・。

俺は迷わず話しかけた。

「・・・ノート貸して」


一応、了。

なんかとりとめのない文章ですいませんです。

最後のほうが本当はかなり違うのですが・・。

折を見て、ちゃんとどっかでUPします。最後まで読んでくれた人、ありがとう。

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