種付けアルバイト 1
不妊の原因って、夫側と妻側のどちらにあることが多いんだろう?
知り合いの医者に聞いたら「うーん、半々くらいじゃないの?」との回答。
その時は医者のくせになんでそんな曖昧なんだよ、と思ったが、
正直どちらが主な原因か断定しづらいケースも多いそうだ。
医学的な問題以上に実態を分かりづらくしてるのが「夫の非協力」。
ここにきてようやく男性不妊への理解が高まってきたが、
意外と最近まで「不妊は女の側の問題」という風潮が世間一般に強かった。
奥さんの検査でこれといった異常が見つからず、
「念のため」と旦那に検査を勧めても、断られることが多かったそうだ。
男の側が原因の不妊もあること自体は、昔から知られてたはず。
「子宝の湯」に行ったら三助(背中を流す人)そっくりの子供を授かったとか、
子宝祈願に来た奥さんを坊主や神職が「珍棒」を駆使して治療したとか、
真偽はともかく、その手のエロ話は昔からあったみたいだし。
これは想像だが、産科の医師自身が不妊の女に直接「治療」するケースも、
それほど古くない時代まで残ってたんじゃないか、という気はする。
さすがに、俺の学生時代のバイトまで一般的だったとは思わないが。
というわけで、ここから先は妄想ってことでよろしく。
俺がやってたのは、簡単に言うと不妊女性への「種付け」。
夫の精子に問題があるときの不妊治療法に「非配偶者間人工受精」があるが、
その自然受精版か。医者や病院とは無関係だから「治療」じゃないけどな。
かなりマズい部分があるんで、業態とか俺がスカウトされた経緯は割愛するが、俺が選ばれたのは「没個性」だったからだろうな、と今でも思ってる。
身長170センチ台後半の中肉で、ルックスや運動神経は並の上くらいだった。
眉が妙に太いとか、頭が大きいとか、脚が長いといった特徴のないのが特徴。
大学の偏差値はやたら高かったが、遺伝のおかげかどうかは知らない。
父方、母方の親族とも極端な体格、遺伝性疾患、精神障害の持ち主はいない。
基本的にインテリの家系だが、一族に音楽とか特殊な才能がある人もいない。
本人は健康で血液型もありきたり。平凡な一族に生まれた平凡な男だと思う。
性格的にも向いてたかもしれない。
自分でも持て余すくらい精力や性欲は強かったが、恋愛には全く興味なし。
コミュニケーション能力は普通にあるし女の子と接するのも問題なかったが、
女友達やセフレはできても「彼女」はいないタイプだった。
もっとも採用の決め手になったのは、やはり精液の質と量だったらしい。
検査担当者が顕微鏡を覗きながら「こりゃ最高級品だね」と喜んでたし。
少し金を出せば病院で正式な治療を受けられるのに、
なんでそんな問題のあるやり方をするのか、最初は理解できなかった。
最大の理由が「夫の非協力」だと知ったのは、かなり後になってからだ。
今は知らないが、かつては子供ができない夫婦や奥さんが相談に来たら
まず夫婦生活に関する基本的な指導をして、それでもだめなら奥さんを検査。
奥さんに問題がなければ旦那の検査に移るわけだが、
そこで協力を拒否され、先に進めないケースが結構あったらしい。
人工授精にしろ体外受精にしろ非配偶者間体外受精にしろ、
主に夫側の理由で自然妊娠が望めないときの「夫婦」の選択肢であって、
夫が望んでないからといって、奥さんが独断で進められるものじゃない。
一方、夫の危機感のなさと裏腹に、子供を求める奥さんの思いは切実。
うちに来た女の家庭の事情は、少なくとも俺には伝えられなかったが、
夫婦間や嫁ぎ先との関係で悩み抜いた末の結論だったんだろうな、と思う。
結果、ほとんどの奥さんが夫に相談せず来た。
まあ、妻に相談されてOKする夫もいないだろうが。
俺以外にも何人かスカウトされた「ドナー」がいたらしい。
血液型や学歴といったドナー候補の基本情報と顔写真で奥さんが「書類選考」。
それに通ったら顔合わせして、奥さん側が了承すれば契約成立の運びとなる。
複数のドナー候補と面接する奥さんもいたみたいだが、
俺の場合、顔合わせまで行って契約が成立しなかったケースはなかった。
よく考えたら、マジックミラー越しに女の子を選ぶ風俗みたいなシステムだな。
アメリカの精子バンクはドナーの人種や学歴が選べると聞いたこともあるが、
日本の非配偶者間人工授精ではドナーは匿名が原則だそうだ。
その点「種付け業者」は、ドナーを選別できるのが特徴かもしれない。
だからこそ俺みたいな無難な男が「売れっ子」になったんだろう。
ドナー側には奥さんの身元はもちろん名前すら知らされない。
奥さんにもドナーの両親の最終学歴とかいろんな情報が事前に提供されるが、
名前や住所といった個人情報は秘密扱いだった。
種付け場所は、さすがにどちらかの自宅を利用するわけにもいかないんで、
事務所がある雑居ビルに作った「処置室」かシティーホテルを利用した。
ラブホテルを使わなかったのは、種付け行為が「浮気」じゃなく「治療」だと
はっきりさせるためだったんだろう。
最初の種付けはよく覚えてる。相手は35歳くらいの地味な奥さん。
事前面接の時から決死というか悲壮感漂う表情が印象的だった。
利用者は全員ガチガチに緊張してるが、あの時は俺も初めてで緊張してた。
処置室は普通の1LDKだが、寝室はかなり広めの造り。
部屋に入ってからの行為は俺に委ねられてたが、
どうすればいいか分からず、とりあえず順番にシャワーを浴びた。
俺が先に終わり、腰タオルでベッドに座ってる間、やたら緊張したな。
それまでも何度か人妻の不倫相手をしたことはあったが、
今回はそもそも浮気する気が皆無の女を抱くわけで、勝手が全然違う。
タオルを巻いて「お待たせしました」とシャワーから出てきた奥さんに、何と言葉をかけていいか分からなかった。
奥さんは灯りを消すよう頼むと、タオル姿のままベッドに潜り込んで横になる。
ほぼ初対面の俺に裸を見られたくない、という思いが伝わってきた。
布団の下でタオルを外し、ゆっくり全身を愛撫。胸は小さめ(推定B)で少女体型というか、あまりエロいスタイルじゃないという印象だった。
全身をまさぐり乳房を揉んだり吸ったりしたが、奥さんは身を固くしたまま。
薄明かりで見ると、目を瞑って歯を食いしばり
『なんでもいいから早く終わって!』と祈るような表情だった。
自分からは何もせず、愛撫への反応も弱い「マグロ」というやつだ。
好きでもない相手に嫌々身を委ねてるわけで、
まあ当然の反応と言えるが、どうやらそれだけでもないらしい。
不妊に悩む奥さんの多くにとって、夫婦のセックスは「子作りのためのお勤め」。
この奥さんに限らず、純粋にエッチを楽しむなんて何年もご無沙汰の人が多い。
そう考えると気の毒に思ったが、これじゃ俺も任務が果たせない。
比較的反応の良かった乳首を中心に、ようやく見つけた性感帯を刺激すると、
どうにかこうにか濡れてきた。息は荒くなってきたが、それでも声は出さない。
フェラさせるのも悪いんで、ベッドの中で半勃ちのペニスを握らせる。
奥さんは最初ビクッと手を引いたが、俺が勃起しないと始まらないわけで、
おっかなびっくり竿を扱き始めた。かなりぎこちない手コキだったが、
ペニスを手にしたら興奮したらしく、急速にアソコも潤ってきた。
クチュクチュと音を立てると、きつく閉じた口から「くうぅ…」と声が漏れる。
女が興奮すると俺の気分も盛り上がる。ペニスが十分硬くなったところで
「入れますね」と声をかけたら、小さく「はい…」と答えて両脚を広げた。
最初は緊張が解けていないせいか、中はかなりキツく感じた。
痛くないようゆっくり腰を前後させると「んん…んん…」と控えめな反応。
何とか早く終わらせてあげたくて、挿入したまま片手で乳首を転がし、
もう片手の指先でクリを擦るようにしながら腰を使ってみた。
すると奥さんは、いきなり「あぁーっ」と吐息とも喘ぎともつかない声。
体がプルプルッと震えたと思ったら、ペニスを締め付ける力がグッと強まる。
軽いエクスタシーに達したらしい。
一度イクと緊張が緩んだのか、スムーズにピストンできるようになった。
少し角張った小さめの尻を抱え、リズミカルに腰を振る。
奥さんは「あっ、あっ、あっ」と相変わらず控えめな反応だったが、
時おりクッと体を緊張させるんでイッたことが分かる。
何回目か小波の後、奥さんが「もう…ダメ…ああっ」と呻き声を漏らす。
俺はまだ余裕はあったが、楽しむのが目的じゃないと思い直した。
体を重ねるようにスパートをかけると、奥さんは「ううぅぅ~~」と悲鳴。
目尻から涙がこぼれてた。こちらも終わらせようと、さらに大腰を使った。
2回、3回と連続で大波が押し寄せたらしく、奥さんは狂ったように顔を振る。
俺もうまい具合に射精感が来たんで、奥深く挿し込んだまま中にぶちまけた。
普段なら一戦交えた後は女の肩を抱きながら余韻を楽しむんだが、
奥さんは涙を流したまま、何と声をかけていいか分からない落ち込みよう。
あとで聞くと「絶対に気持ち良くなっちゃいけない」と我慢してたのに、
感じるどころか何度もイッてしまい、罪悪感で涙が止まらなかったんだそうだ。
その時は何もそこまでと呆れたが、実際のところ依頼者には
必要以上にまじめで思い詰めるタイプが多かったように思う。
「濡れるのもイクのも生理反応。気楽に行きましょう」と俺も必死に説得。
簡単に不倫に走る人妻もいれば、こんな奥さんもいるんだと感心した。
その日は結局3回戦まで。1回してしまうと少し気楽になったのか、
2回戦以降はそれほど意地にならず、普通にイッてくれた。
3回戦の後、ベッドの中で抱き締めたら素直に身を寄せてくる。
マズいかなと思いながら唇に軽くチュッとしたら、やっぱり引かれた。
種付けは基本3日連続の作業だ。排卵日の前後を選んだんだろう。
2日目になると少しリラックスしたらしく、奥さんも我慢することなく
「ああ…ああぁ~~」とヨガッてくれた。その方が俺も頑張る気になる。
全部終わってから布団の中でキスしてみたら、今度は嫌がらずに応じる。
そのまま抱き合って5分くらい舌を絡めた。
ピロートークというのか、インターバルに腕枕して少しお喋り。
奥さんは結構な名家に嫁いだらしい。旦那さんは子供にとんと無関心だが、
舅と姑から「跡継ぎを」の圧力がすごく、居づらくて仕方なかったそうだ。
浮気は結婚後、元彼と1回だけしたそうだが、怖くなってそれきりだとか。
最終日、「一緒にシャワー浴びましょうか」と誘ったら、
かなり迷ったみたいだが応じてくれた。
初日に薄暗がりで体を見た時はそれほどエロくもない印象だったが、
改めて明るい所で見たらなんだかソソる。俺の見る目が変わったのか、
奥さんの女性ホルモンがセックスで活性化されたのかは知らない。
シャワー室で体を洗いっこしながら何度も唇を重ねてると、
奥さんが少し潤んだ目で「昨日、主人とエッチしちゃった」と打ち明けた。
種付け期間中、最低1回は夫婦で中出しセックスするよう指導されたそうだ。
「でも、全然感じなかった」と少し悲しそうな顔をしたんで、
「その分、今日はいっぱい感じてください」と言ったら笑顔になってくれた。
それほど美人でもないが笑顔に欲情し、シャワーを浴びながらバックで1発。
その流れでこの日は、寝室に移動した後も灯りをつけたまま頑張ってみた。
最初2日間は布団の中で正常位だけだったが、最終日は2人とも気分が乗って、
布団をかぶらず灯りの下で騎乗位や後背位にも挑戦。
奥さんも気に入ったのか何度も大イキし、心からセックスを楽しんだみたいだ。
初日は遠慮したフェラも頼んだらやってくれた。
最初の2日間は2発ずつだったが、最終日はシャワーを入れて4回戦。
奥さんによると、夫婦のセックスも暗がりで布団をかけて正常位だけだという。
「こんなに気持ち良くて主人に申し訳ない」と言いながら満足したようだった。
結局、その月は受胎しなかったようで、2カ月後に再び種付けの申し込み。
最初から「前回と同じ人で」と指定してきて、俺も少し嬉しかった。
「第2クール」も前回と同様、排卵日を狙った3日間だった。
奥さんも最初から楽しむ気らしく、俺も普通に人妻と不倫する感覚で臨んだ。
奥さんはキレイに化粧し、エロチックな下着まで買ってくる気合いの入れよう。
シャワーでは何も言わないのにペニスを咥えてくるし、
行為の最中も「大きいオチンチン好き~」と、最初とは別人のような反応。
俺も調子に乗って3回戦ずつ、3日間で計9回戦も頑張った。
最終日の別れ際、はにかみながら「来月か再来月もお願いしたいな」と言われ、
さすがに少しマズいなと思ったが、結果的にこれが最後の種付けになった。
奥さんが無事妊娠したらしいと聞いたのは、それから少し後のことだ。
<続く>
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知り合いの医者に聞いたら「うーん、半々くらいじゃないの?」との回答。
その時は医者のくせになんでそんな曖昧なんだよ、と思ったが、
正直どちらが主な原因か断定しづらいケースも多いそうだ。
医学的な問題以上に実態を分かりづらくしてるのが「夫の非協力」。
ここにきてようやく男性不妊への理解が高まってきたが、
意外と最近まで「不妊は女の側の問題」という風潮が世間一般に強かった。
奥さんの検査でこれといった異常が見つからず、
「念のため」と旦那に検査を勧めても、断られることが多かったそうだ。
男の側が原因の不妊もあること自体は、昔から知られてたはず。
「子宝の湯」に行ったら三助(背中を流す人)そっくりの子供を授かったとか、
子宝祈願に来た奥さんを坊主や神職が「珍棒」を駆使して治療したとか、
真偽はともかく、その手のエロ話は昔からあったみたいだし。
これは想像だが、産科の医師自身が不妊の女に直接「治療」するケースも、
それほど古くない時代まで残ってたんじゃないか、という気はする。
さすがに、俺の学生時代のバイトまで一般的だったとは思わないが。
というわけで、ここから先は妄想ってことでよろしく。
俺がやってたのは、簡単に言うと不妊女性への「種付け」。
夫の精子に問題があるときの不妊治療法に「非配偶者間人工受精」があるが、
その自然受精版か。医者や病院とは無関係だから「治療」じゃないけどな。
かなりマズい部分があるんで、業態とか俺がスカウトされた経緯は割愛するが、俺が選ばれたのは「没個性」だったからだろうな、と今でも思ってる。
身長170センチ台後半の中肉で、ルックスや運動神経は並の上くらいだった。
眉が妙に太いとか、頭が大きいとか、脚が長いといった特徴のないのが特徴。
大学の偏差値はやたら高かったが、遺伝のおかげかどうかは知らない。
父方、母方の親族とも極端な体格、遺伝性疾患、精神障害の持ち主はいない。
基本的にインテリの家系だが、一族に音楽とか特殊な才能がある人もいない。
本人は健康で血液型もありきたり。平凡な一族に生まれた平凡な男だと思う。
性格的にも向いてたかもしれない。
自分でも持て余すくらい精力や性欲は強かったが、恋愛には全く興味なし。
コミュニケーション能力は普通にあるし女の子と接するのも問題なかったが、
女友達やセフレはできても「彼女」はいないタイプだった。
もっとも採用の決め手になったのは、やはり精液の質と量だったらしい。
検査担当者が顕微鏡を覗きながら「こりゃ最高級品だね」と喜んでたし。
少し金を出せば病院で正式な治療を受けられるのに、
なんでそんな問題のあるやり方をするのか、最初は理解できなかった。
最大の理由が「夫の非協力」だと知ったのは、かなり後になってからだ。
今は知らないが、かつては子供ができない夫婦や奥さんが相談に来たら
まず夫婦生活に関する基本的な指導をして、それでもだめなら奥さんを検査。
奥さんに問題がなければ旦那の検査に移るわけだが、
そこで協力を拒否され、先に進めないケースが結構あったらしい。
人工授精にしろ体外受精にしろ非配偶者間体外受精にしろ、
主に夫側の理由で自然妊娠が望めないときの「夫婦」の選択肢であって、
夫が望んでないからといって、奥さんが独断で進められるものじゃない。
一方、夫の危機感のなさと裏腹に、子供を求める奥さんの思いは切実。
うちに来た女の家庭の事情は、少なくとも俺には伝えられなかったが、
夫婦間や嫁ぎ先との関係で悩み抜いた末の結論だったんだろうな、と思う。
結果、ほとんどの奥さんが夫に相談せず来た。
まあ、妻に相談されてOKする夫もいないだろうが。
俺以外にも何人かスカウトされた「ドナー」がいたらしい。
血液型や学歴といったドナー候補の基本情報と顔写真で奥さんが「書類選考」。
それに通ったら顔合わせして、奥さん側が了承すれば契約成立の運びとなる。
複数のドナー候補と面接する奥さんもいたみたいだが、
俺の場合、顔合わせまで行って契約が成立しなかったケースはなかった。
よく考えたら、マジックミラー越しに女の子を選ぶ風俗みたいなシステムだな。
アメリカの精子バンクはドナーの人種や学歴が選べると聞いたこともあるが、
日本の非配偶者間人工授精ではドナーは匿名が原則だそうだ。
その点「種付け業者」は、ドナーを選別できるのが特徴かもしれない。
だからこそ俺みたいな無難な男が「売れっ子」になったんだろう。
ドナー側には奥さんの身元はもちろん名前すら知らされない。
奥さんにもドナーの両親の最終学歴とかいろんな情報が事前に提供されるが、
名前や住所といった個人情報は秘密扱いだった。
種付け場所は、さすがにどちらかの自宅を利用するわけにもいかないんで、
事務所がある雑居ビルに作った「処置室」かシティーホテルを利用した。
ラブホテルを使わなかったのは、種付け行為が「浮気」じゃなく「治療」だと
はっきりさせるためだったんだろう。
最初の種付けはよく覚えてる。相手は35歳くらいの地味な奥さん。
事前面接の時から決死というか悲壮感漂う表情が印象的だった。
利用者は全員ガチガチに緊張してるが、あの時は俺も初めてで緊張してた。
処置室は普通の1LDKだが、寝室はかなり広めの造り。
部屋に入ってからの行為は俺に委ねられてたが、
どうすればいいか分からず、とりあえず順番にシャワーを浴びた。
俺が先に終わり、腰タオルでベッドに座ってる間、やたら緊張したな。
それまでも何度か人妻の不倫相手をしたことはあったが、
今回はそもそも浮気する気が皆無の女を抱くわけで、勝手が全然違う。
タオルを巻いて「お待たせしました」とシャワーから出てきた奥さんに、何と言葉をかけていいか分からなかった。
奥さんは灯りを消すよう頼むと、タオル姿のままベッドに潜り込んで横になる。
ほぼ初対面の俺に裸を見られたくない、という思いが伝わってきた。
布団の下でタオルを外し、ゆっくり全身を愛撫。胸は小さめ(推定B)で少女体型というか、あまりエロいスタイルじゃないという印象だった。
全身をまさぐり乳房を揉んだり吸ったりしたが、奥さんは身を固くしたまま。
薄明かりで見ると、目を瞑って歯を食いしばり
『なんでもいいから早く終わって!』と祈るような表情だった。
自分からは何もせず、愛撫への反応も弱い「マグロ」というやつだ。
好きでもない相手に嫌々身を委ねてるわけで、
まあ当然の反応と言えるが、どうやらそれだけでもないらしい。
不妊に悩む奥さんの多くにとって、夫婦のセックスは「子作りのためのお勤め」。
この奥さんに限らず、純粋にエッチを楽しむなんて何年もご無沙汰の人が多い。
そう考えると気の毒に思ったが、これじゃ俺も任務が果たせない。
比較的反応の良かった乳首を中心に、ようやく見つけた性感帯を刺激すると、
どうにかこうにか濡れてきた。息は荒くなってきたが、それでも声は出さない。
フェラさせるのも悪いんで、ベッドの中で半勃ちのペニスを握らせる。
奥さんは最初ビクッと手を引いたが、俺が勃起しないと始まらないわけで、
おっかなびっくり竿を扱き始めた。かなりぎこちない手コキだったが、
ペニスを手にしたら興奮したらしく、急速にアソコも潤ってきた。
クチュクチュと音を立てると、きつく閉じた口から「くうぅ…」と声が漏れる。
女が興奮すると俺の気分も盛り上がる。ペニスが十分硬くなったところで
「入れますね」と声をかけたら、小さく「はい…」と答えて両脚を広げた。
最初は緊張が解けていないせいか、中はかなりキツく感じた。
痛くないようゆっくり腰を前後させると「んん…んん…」と控えめな反応。
何とか早く終わらせてあげたくて、挿入したまま片手で乳首を転がし、
もう片手の指先でクリを擦るようにしながら腰を使ってみた。
すると奥さんは、いきなり「あぁーっ」と吐息とも喘ぎともつかない声。
体がプルプルッと震えたと思ったら、ペニスを締め付ける力がグッと強まる。
軽いエクスタシーに達したらしい。
一度イクと緊張が緩んだのか、スムーズにピストンできるようになった。
少し角張った小さめの尻を抱え、リズミカルに腰を振る。
奥さんは「あっ、あっ、あっ」と相変わらず控えめな反応だったが、
時おりクッと体を緊張させるんでイッたことが分かる。
何回目か小波の後、奥さんが「もう…ダメ…ああっ」と呻き声を漏らす。
俺はまだ余裕はあったが、楽しむのが目的じゃないと思い直した。
体を重ねるようにスパートをかけると、奥さんは「ううぅぅ~~」と悲鳴。
目尻から涙がこぼれてた。こちらも終わらせようと、さらに大腰を使った。
2回、3回と連続で大波が押し寄せたらしく、奥さんは狂ったように顔を振る。
俺もうまい具合に射精感が来たんで、奥深く挿し込んだまま中にぶちまけた。
普段なら一戦交えた後は女の肩を抱きながら余韻を楽しむんだが、
奥さんは涙を流したまま、何と声をかけていいか分からない落ち込みよう。
あとで聞くと「絶対に気持ち良くなっちゃいけない」と我慢してたのに、
感じるどころか何度もイッてしまい、罪悪感で涙が止まらなかったんだそうだ。
その時は何もそこまでと呆れたが、実際のところ依頼者には
必要以上にまじめで思い詰めるタイプが多かったように思う。
「濡れるのもイクのも生理反応。気楽に行きましょう」と俺も必死に説得。
簡単に不倫に走る人妻もいれば、こんな奥さんもいるんだと感心した。
その日は結局3回戦まで。1回してしまうと少し気楽になったのか、
2回戦以降はそれほど意地にならず、普通にイッてくれた。
3回戦の後、ベッドの中で抱き締めたら素直に身を寄せてくる。
マズいかなと思いながら唇に軽くチュッとしたら、やっぱり引かれた。
種付けは基本3日連続の作業だ。排卵日の前後を選んだんだろう。
2日目になると少しリラックスしたらしく、奥さんも我慢することなく
「ああ…ああぁ~~」とヨガッてくれた。その方が俺も頑張る気になる。
全部終わってから布団の中でキスしてみたら、今度は嫌がらずに応じる。
そのまま抱き合って5分くらい舌を絡めた。
ピロートークというのか、インターバルに腕枕して少しお喋り。
奥さんは結構な名家に嫁いだらしい。旦那さんは子供にとんと無関心だが、
舅と姑から「跡継ぎを」の圧力がすごく、居づらくて仕方なかったそうだ。
浮気は結婚後、元彼と1回だけしたそうだが、怖くなってそれきりだとか。
最終日、「一緒にシャワー浴びましょうか」と誘ったら、
かなり迷ったみたいだが応じてくれた。
初日に薄暗がりで体を見た時はそれほどエロくもない印象だったが、
改めて明るい所で見たらなんだかソソる。俺の見る目が変わったのか、
奥さんの女性ホルモンがセックスで活性化されたのかは知らない。
シャワー室で体を洗いっこしながら何度も唇を重ねてると、
奥さんが少し潤んだ目で「昨日、主人とエッチしちゃった」と打ち明けた。
種付け期間中、最低1回は夫婦で中出しセックスするよう指導されたそうだ。
「でも、全然感じなかった」と少し悲しそうな顔をしたんで、
「その分、今日はいっぱい感じてください」と言ったら笑顔になってくれた。
それほど美人でもないが笑顔に欲情し、シャワーを浴びながらバックで1発。
その流れでこの日は、寝室に移動した後も灯りをつけたまま頑張ってみた。
最初2日間は布団の中で正常位だけだったが、最終日は2人とも気分が乗って、
布団をかぶらず灯りの下で騎乗位や後背位にも挑戦。
奥さんも気に入ったのか何度も大イキし、心からセックスを楽しんだみたいだ。
初日は遠慮したフェラも頼んだらやってくれた。
最初の2日間は2発ずつだったが、最終日はシャワーを入れて4回戦。
奥さんによると、夫婦のセックスも暗がりで布団をかけて正常位だけだという。
「こんなに気持ち良くて主人に申し訳ない」と言いながら満足したようだった。
結局、その月は受胎しなかったようで、2カ月後に再び種付けの申し込み。
最初から「前回と同じ人で」と指定してきて、俺も少し嬉しかった。
「第2クール」も前回と同様、排卵日を狙った3日間だった。
奥さんも最初から楽しむ気らしく、俺も普通に人妻と不倫する感覚で臨んだ。
奥さんはキレイに化粧し、エロチックな下着まで買ってくる気合いの入れよう。
シャワーでは何も言わないのにペニスを咥えてくるし、
行為の最中も「大きいオチンチン好き~」と、最初とは別人のような反応。
俺も調子に乗って3回戦ずつ、3日間で計9回戦も頑張った。
最終日の別れ際、はにかみながら「来月か再来月もお願いしたいな」と言われ、
さすがに少しマズいなと思ったが、結果的にこれが最後の種付けになった。
奥さんが無事妊娠したらしいと聞いたのは、それから少し後のことだ。
<続く>
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