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幼馴染と彼女の対峙

【スピンオフ彼女と幼なじみの対峙】

こんな俺だったが、幼馴染みの女が居た。
ここからは仮名を使って書きたいと思う。

幼馴染み→まや
彼女→あやか

幼馴染みであるまやは、地元に残り、そこにある大学に通っていた。
一方、俺は相変わらずあのおんぼろアパートに住んでおり、唯一変わったことと言えば、彼女であるあやかの歯ブラシセットが常備されていたことぐらいだろうか。
そんな、文庫本と並んだ歯ブラシぐらいしかない部屋に、ある日、俺を呼ぶ声が聞こえた。

「ここは俺(呼び捨て)の部屋ですかー?」
「そうですけれど……まやかよ。何でここにいるんだおまえ」

「しっかりやってるかと思って俺母に場所聞いてやってきた!」
「遠かったろ」

「うん」
「まあ、帰すわけにもいかないから、上がれよ」

まやは入った途端、辺りを見回し
ひっきりなしに家の開けられるものは全て開けだした。




「おい、馬鹿、やめろ」
「いやしっかり生活してるかなって」

「それだったら布団部屋開ける必要ないだろ!」
「いやちゃんとした性生活行ってるかと思って」

「うるせー!開けんな客人!!」
そういうと、何故だか今度は、急に、人の足を蹴り始めた。

「今度はなんだよ!!情緒不安定なのか!生理なのか!!」
「近況報告くらい寄越せバカ!」

「いやだって電話ないし」
「なら、手紙くらい書けよ!」

「いやだって送る金ないし」
「なら、鳩の足に括りつけろよ!」

「いやだって伝書鳩飼ってないし」

「もういい!!帰る!!!」
「ま…待てって!」

「なによ」
「来てくれてほんま有難う。」

「うんこ」
「はあ?ww、人が折角カッコつけたのに」

「うんこ頭に何言われても響かない」
「」

吉本の笑劇でもやらないようなモノを繰り広げた後
まやに珈琲を一杯寄越して、座布団に座らせた。
勿論珈琲の味へのクレームがあったのは言うまでもない。

「あんた、ここ、相当の本積まれてるけど、大学ちゃんと行ってるわけ?」
「今年から行きだした」

「なにそれ、留年したってこと?」
「うん、だけれど、今年は今んとこ毎日通ってる、なに、しっかり卒業するさ」

「フーン」
「信じてないだろお前」

「だって連絡してくんないし」
「しつこいな。まや以外の監査役が出来たんだよ」

「私以外の?この部屋やっぱ曰く付きなのね?」
「ちがうわぼけ、れっきとした、生きてるひとだ」

「もしかして生き霊の彼女が出来たとか?」
「勝手に生き霊にすんな」

「」
「おい」

「え、彼女出来たとか言い出す気ですか」
「そうですけど何か」

「」

まや暫しフリーズ。

あやか「俺くーん!今日も来たよ!!」
俺「おお、あやか。今地元のやつが来てるんだ」

あやか「えっ、どなたどなた?」
俺「コレ。」

あやか「」

あやかも暫しフリーズ。
どうやら、俺が思ってるより事は重大なようだ。

まや「どうも」
あやか「どうも」

まや「うちの幼馴染みである俺がお世話になってます」
あやか「いえいえ、俺には助けられてばっかりで、いつも二人三脚のようだと大学では偉い評判の鴛鴦夫婦させてもらってますよ。」

まや「…そうですか。それはよかった」
あやか「ええ、すこぶるよいことです。」

おれ「そんなことより鍋やろーぜ!」
ぐつぐつぐつ

おれ「いやー、久しぶりに鍋やるなあ、鍋だけ必要になるだろうからって引越し初日に買った甲斐があったよ!」
あやか・まや「………」

おれ「お、おい、誰か突っ込めよ…」
まや「ところで、あやか?さんは、同級生で?」
あやか「ええ、同じ学年ですよ」

まや「じゃ、”あたしとおれ”、よりも一つ下なんだ」
あやか「みたいですね。”わたしとおれ”、は、同じ所で”一緒に”勉強してますけれど。」

おれ「肉もう良いで!!」
おれ「食った食ったー」
あやか「私洗い物やっとくね。」
おれ「おう、ありがとうな、宜しく頼むよ」

まや「なんなのあの子」
おれ「なんなのって、彼女」

まや「なんか感じ悪い」
おれ「今日なんか機嫌悪いみたい、いつもはあんなんじゃないぜ、ちなみに、なんだかお前も同じくらい機嫌悪いな」

まや「たらし」
おれ「なんなんだよ一体」
おれ「ところで、まや。」
まや「なに」

おれ「今日何処泊まる予定なんだ?」
まや「なにいってんのwここに決まってるでしょうw」
あやか「ちょっと!」

まや「なによ」
おれ「まーまー、急に来たんだからしょうがないだろう」
まや、にたり顔。

あやか「………私も泊まる!!」

せまーい部屋に三人もの大人数が寝ることになりました。
あやかは、まやに俺の布団に寝かせないよう、わざわざ家から布団を持ってきた。

おれ「今日はなんだか賑やかだったな、たまには本を読まない日も良いね」

……誰からも返事がない。
俺はなんだが、究極かくれんぼの幼い記憶を呼び起こさせながら、眠りについていった。

注:究極かくれんぼ…公園のトイレの掃除用具箱に隠れ、見付けられないまま皆が帰るという究極の芸当。

夜中に目が覚めた。こんなことしばらく無かったので驚いた。
あやかは、隣りで静かに寝息とたてながら寝ている。
俺はあやかの頭を数回撫でた。
あやかは、ん…と少し声に立てたかと思うと、またすやすやと眠りこけた。

次に、反対を向き、まやの居た位置に目をやる。
まやが居ない。
俺は、まやがこんな夜中に見知らぬ町に出たのかと不安になり、玄関の所に掛けてあった上着を羽織り、あやかを起こさないよう、家を飛び出した。

季節は冬、外は寒い。
俺は一生懸命探した。
商店街、学校前、学校近くのベンチ、家の近くの公園…居た。

探したぞ!!と怒鳴るつもりだったのだが、出来なかった。
夜中だからという理由ではない。
まやが、ベンチの上で静かに泣いていたからだ。

その声は、俺の耳に届くほどには十分な
しかし、他の誰かには決してわからない
昔からの付き合いの俺にしか判別のできない音だった。

俺は、まやに気付かれないよう息を整え、そして、話し掛けた。
「どうしてこんな所なんかにいるんだ。」
「…俺!、何でもない。もう戻るから先寝ててよ」
俺はその言葉を無視し、黙って隣りに座った。

「地元で何があった」
「…ほんとう、俺は私のこと何でもわかっちゃうんだね」

「永い付き合いだしな。」
「…長かった。」
「私ね、家族がばらばらになったの。」
「お母さんとお父さん、昔からあまり仲良くなかったでしょう?」
「それで、私が大学に入ったら、別れよう、って、別々に暮らそう、って、決めてたみたい。」
「ねぇ俺、私、これからどうすればいいの?一人ぼっちになっちゃったよ私。」
まやは、咽び泣いた。

「俺がいる。」
俺は無意識の内にそう言った。
まやは声を荒げた。

「嘘!俺は大事な時に嘘ばっかり!!
小さい時、私を嫁にしてくれるって、言ったあれも、私の手を握って、寒いからって、手を暖めてくれたのも、全部嘘なんでしょう!」

俺は胸が締め付けられると同時に、困惑した。
今の俺に彼女にしてあげられることなどあるのだろうか。
俺の想いを、俺の心の中のものを、彼女にどう伝えればいいのか。
この一年間、読み耽ったものの中に、このようなことに対する対処の仕方など、載ってなかった。

俺が半ば意識が遠退いてると、何かが俺の手に触れ、それが包み込んだ。
確か、冷えきってるはずなのだが、それの奥には何か暖かいものを、それを確かに感じた。

「暖かい」彼女は言った。
「ごめん」
「何で謝るの」
「…」

二人でしばらくの間、互いに手を暖めあった。
この沈黙が、無言の世界が一生続くことを願いながら。
やがて、しばらくの沈黙の後に彼女が口を開いた。

「いいの。私も自立しなきゃね!」
「これはチャンスだと思うの。それもビックチャンス。」
「ビックチャンス?」
「そう、ビックチャンス。だって、俺は自らもう踏み出してるじゃない」
「まや…」
「私も踏み出さなきゃだ、いつまでもくよくよしてらんないよね!」
「部屋に戻ろ、あやかちゃん、もうすぐ起きちゃうよ!」
「…そうだね、戻るか」

それから、二人手を繋ぎ家まで戻り、入ると同時に手を離した。

あやか「ちょっと、二人ともどこいってたわけ!」
まや「ラブホw」

あやか「ほんと!ラブホテルに行ってたの、俺!?」
おれ「行ってないから安心しろ、ちょっと公園行って話してただけだ。積もる話ってやつだよ」

あやか「…そう、ならいいんだけど。」

俺は、あやかを家まで送り、まやが帰るとのことなので、駅まで送った。
その時、別れ際に俺が掛けた言葉、それは”負けんなよ”。ただこの一言だけだった。

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